【FlowBackインタビュー】再出発を決意した4人の現在地『SQUARE』

新体制のFlowBackにインタビュー。5月のライブや新曲など、4人の現在について伺いました。




FlowBack × Culture Cruise

ーー前回は2年前のリモートだったので、やっと直接お会いすることができました! さっそくですが、5月のライブはどのような感じになりそうですか?

TATSUKI:5人から4人になって、新しいグループを組んでるくらいの感覚でやっているので、初ワンマンライブと言っても過言ではないくらいですね。今までの曲も4人構成に改めて変えるので、見え方も伝え方も違うのかなと思いますね。

ーーフォーメーションを変えるのは大変ですが、そこも含めて更新する魅力が、今のFlowBackさんにはあるのかなと思います。ご自身ではどんなところが楽しみですか?

REIJI:4人での初ライブということで、お客さんは期待もしつつ不安もきっとあると思うので、不安を拭えるような、「応援してきてよかった」と思ってもらえるライブにしたいですね。応援するモチベーションをさらに上げられる自信もあるので、楽しみながらやれたらいいなと思います。

Swan.J:こういうご時世ですし、パフォーマンスできることが楽しみです。セットリストも、今までやってた楽曲のイメージとは違う組み方をしていて、今後のFlowBackの基準にもなると思うので、それをどう感じ取ってもらえるのかわくわくしています。あとは、自分がメンバーをどれだけ奮い立たせられるかを重要視したいと思います。

MASAHARU:その場にいるお客さんの表情や反応が見れるのが楽しみです。ワンマンなんで、その空間を楽しめること、新曲披露も楽しみですね。リカバリーっていう気持ちではなく、4人のものとして1曲1曲と向き合うので、フレッシュな気持ちで観てほしいなと思います。

TATSUKI:『SQUARE』というライブのタイトルに込めた思いでもあるんですけど、4人になってバランスも変わって、より一層個々の表現力やキャラクターが大事になってくるのかなと思っていて、そこをどう伸ばしていくかというところが楽しみです。




この楽曲があれば、良い時も悪い時も乗り越えていける

ーー2月にリリースされた「翻々」(作詞:Swan.J)の歌詞にも、“理由を重ね今がある”とありますが、Swanさんにとっての今までとは、どんな景色だったのでしょうか?

Swan.J:制作のタイミングが、5人体制での最後のライブリハーサルと同時に進行する時期だったんです。結成して9年目なんですけど、FlowBackという毎日が当たり前だと思ってたんですよね。それが「本当に区切りが来るんだな」と思って。自分たちは最善を選んできたつもりだけど、その中にも悔しさや葛藤だったり負のマインドがあって、でも楽しいこともいっぱいあって。

そういう理由が重なって今の僕たちがいるし、新体制になって初めての楽曲だったのでプレッシャーに潰されそうになったんですけど、この楽曲があれば、良い時も悪い時も乗り越えていけるかなと思って、そういう景色を浮かべながら書きました。

ーーつらい時期だからこそ絞り出せた言葉だったのかもしれないですね。

Swan.J:そうですね。行き詰まってたんですけど、REIJIくんが「どっかに行ってきなよ」って言ってくれて、夜に1人で江の島に行きました。とぽとぽ歩いてたら波の音しか聞こえなくて、ライブや制作のプレッシャーが無になった瞬間があって。そこでアイディアが湧いたので、この感覚って大事だなと思ったし、REIJIくんに感謝です。

ーー誰かの一言が転換点になることってありますよね。REIJIさんはどんな風に声をかけたのですか?

REIJI:僕もグッズデザインとかアートワークを考える時、何もないと浮かびにくいので、人と会ったり美術館に行ったり、散歩したり遠出したり、今いる場所じゃない所での新しい感覚ってヒントが落ちてるので、「どこか行ってみたら?」とフランクな感じで。Swanの場合はいい意味で入り込むところがあるので、別のエリアで落とし込んだら広がるんじゃないかなって。スタバで言ったのを覚えてます(笑)。

ーーそれで江の島を選ぶのも思い切りましたよね。

Swan.J:その日の夜に行きました。行動力(笑)。

ーー日を空けると考えも変わりますし、即行動って大事ですよね。FB STUDIOの映像が江の島なのもそれが理由なのでしょうか?

TATSUKI:そのエピソードがあったから、その気持ちも取り入れたいということで、江の島で撮りましたね。

ーー曲を聴いた時はどう感じましたか?

MASAHARU:今回は自分たちのことを歌うのは避けようって話してたんですけど、上がってきたデモは自分たちの曲で。逆に拭えない想いというか、これがすべてなんだなと感じて、想いのこもった曲だなと思いました。仮歌では英語だったので、サビの「翻々〜」の部分とか英語でくるのかなと思ってたんですけど日本語だったので、この時点で完成されたんだなとテンション上がった覚えがあります。

ーー英語の仮歌をあのような日本語にしたなんてすごいですね。

Swan.J:文字数がハマらなくて、オノマトペで行こうって。MASAHARUくんにも相談してて、元々恋愛系の曲を作ってたんですけど、たぶん、溢れ出ちゃったんですかね(笑)。

ーー自分たちの歌は避けようと思ったのはなぜですか?

MASAHARU:前作の「crescendo」が自分たちのことを歌った曲だったので、同じ感じになっちゃうんじゃないかって話をしてて。でも全然違ったものになりましたね。

TATSUKI:その前作というのが、(2021年に)事務所を移籍した時の決意として作った曲なので、今回は違う視点で歌うのが良いんじゃないかって4人で話してて。でもにじみ出てきましたね(笑)。

Swan.J:ワード的には恋愛とも重なるところがあって、失恋しちゃった時の心の穴というか、そういうイメージで最初は書いてて。不安とか、自分たちのマインドが重なるところはあります。ただ自分たちがそう歌っているってだけなので、聴く人によって解釈は違ってもいいかなと。

ーー今回もコレオグラフはTATSUKIさんが担当されていますが、どんなイメージで作ったのでしょうか?

TATSUKI:普段は曲を聴いてパッと頭に浮かんだイメージを具現化していくんですけど、「翻々」は楽曲を聴いた時に浮かんだものと出来上がったものはまったく違いましたね。けっこう踊っているように見えるんですけど、意外と振り数的にはそんなに多くないんですよね。止まったり歩いたりするし。引き算を意識したかもしれないです。4人構成でもひとつのグループだということを表現できたらいいなと思いました。

ーーREIJIさんは踊ってみてどんな印象でしたか?

REIJI:静と動というイメージがありますね。水の中に入ると動きがゆっくりになるじゃないですか? ゆっくりでも普通の動きではなくて、疲労が分からない感じというか。そういうイメージを持つとパフォーマンスも意識しやすいですね。

ーークリエイティブな捉え方ですね。最初に曲を披露するのはFlowBackさんも緊張しますか?

TATSUKI:めちゃくちゃ緊張します。ある種、今の僕たちにとっては、ほとんどが新曲なんですよね。そういった意味では全曲緊張してるんで(笑)、逆に「翻々」の方が自分のパート決まってるし、安心感があります。

“曲を風化させない” アパレルブランド

ーー楽曲と連動して「.particle」(アパレルブランド)も立ち上げられましたが、どんな経緯でスタートしたのですか?

Swan.J:レコーディングが終わった時に、楽曲に紐づいたものや世界観を投影したものを作りたいというのがスタートです。

TATSUKI:フラッシュアイディアだったんですけど、「あれやってみない?」っていうことをできるのが今の環境なので。今までは曲をリリースしたらリリースイベントをして、お客さんと育てていくのが主流だったんですけど、コロナ禍になって、曲が風化して終わっていくという印象がすごくあったんです。僕らだけじゃなくて他のアーティストでも、こんなにいい曲なのにっていう。楽曲の新しい育て方を違った観点から作りたくて。

ーー物になるとずっと残りますもんね。実際に工場の方とのやり取りもご自身でされているんですよね?

REIJI:やるからにはしっかりやりたいので、サンプルのやり取りも、細かい調整などを何度も直接行なったりして、こだわってやっています。

ーーブランドは今後も展開していくのですか? 楽曲も制作中だと伺いました。

REIJI:日常的にはもちろん、表現者に向けても届けたいと思っています。スポーツでもダンスでも、表現に磨きをかけられるようなものを作りたいです。次はTシャツかな…刺繍を入れて出せたらいいなって。もうすぐ夏なので。

Swan.J:今制作している楽曲に紐づく感じになると思います。今回はMASAHARUくんがメロディを作ってくれました。

MASAHARU:独立して、音楽をどう作るか迷っている時に、お世話になっているトラックメイカーさんに相談したところ「作らせてよ」と言っていただいて。トラックをもらった時に、この人とタッグを組んだら面白いことができるんじゃないかと、気持ちがフィックスした感じがあったので、僕がメロディを乗せてSwanが歌詞を書きました。

ーーとても楽しみです! 5月のライブを観られない方に、メッセージをお届けできたらと思うのですが。

TATSUKI:4人でもよく話しています。会いに行きたい気持ちはめちゃくちゃあって、本当はツアーを発表したかったんですけど、次のステップに飛び立てるように、新しい道に進む地盤固めをしている段階なので、待っていてくれたら嬉しいです。もちろん気に留めていますし、逆に僕らが忘れられているんじゃないかって不安なくらいなので、ちゃんと行くから待っててねという気持ちです。SNSや楽曲を通して発信していくので、受け取ってくれたら嬉しいです。

ーー早く実現することを願っています。独立後は、マインド的な変化もたくさんあったのではないでしょうか?

Swan.J:そうですね、時間が足りない! 昨日もブログの更新忘れちゃった(笑)。ブログ書くの大好きで、大事にしてるんですけど。

TATSUKI:これまでも自分たちで曲を作ってましたし、大きな変化は実感していないんですけど、やることが増えて、4人で会話する時間も増えましたね。今までは会話しなくても進んでたものも、今は4人が足を止めたらおしまいだという気持ちで話し合っています。

ーー充実した日々を過ごされているんですね。最後に、ライブのことで何かお伝えすることはありますか?

REIJI:個々の輝きがキーポイントにもなるので、ライブのタイトルでもある『SQUARE』の4つの角を、しっかり僕たちの個性で引き立たせられるライブにしたいと思っています。

TATSUKI:改めて立ち上がって戻ってきた意志を、ちゃんとライブで伝えたいと思います。僕らはFlowBackという存在を1回無くそうとした、というのが本当の事実なんですよね。ライブの発表をした動画も、僕らは1回水の中に潜って死のうとしたんだよというメッセージを込めて作ったものです。

ーーとても重要なメッセージですね。続ける決断をしてくれたことが一番嬉しいことだと思います。

TATSUKI:「FlowBackを残してくれてありがとう」って言ってもらえるんですけど、続けていられているのは応援してくれている方のおかげなので、感謝の気持ちを伝えていきたいですね。

インタビュー後記

FlowBackへの2度目のインタビュー。

音楽だけでなく、この4人の人間性の魅力を、どうしたら記事で最大限に表現できるのだろうかと、考えながら取材していました。

新体制になり、特にSwan.Jさんは今まで以上に積極的に動いていらっしゃるように感じます。インタビュー中もたくさん笑ってくれて、取材しやすい空気をつくってくれました。過去を振り返る時に「負のマインドがあった」と心の内を明かせるSwanさんの素直で優しい心が、「翻々」という曲に結びついてくれたのではないかと思えてきて、尊く感じました。

いつも落ち着いているMASAHARUさんとは、リスナーとして曲を通じてコミュニケーションを取っている気持ちになっていたのですが、ご挨拶をした瞬間から、相手の目を見て丁寧に向き合ってくれる方でした。FlowBackが変化を続けていけるのは、MASAHARUさんの変わらない人間性に支えられているからなのかもしれない、そう思わせてくれる強さを感じます。

REIJIさんは明るく接してくれるのですが、真面目なお話の時は一番真面目なのではと思うくらい向き合ってくれます。率先して場を明るくしてくれるけれど、実際には後ろから周りを見るように合わせてくれているのかもしれない。それはヴォーカルでも言えることで、だからREIJIさんの声に寄りかかるようにしてFlowBackを聴くことができるのだと気づきました。

TATSUKIさんが明かしてくれた “FlowBackという存在を無くそうとした”という言葉は、文字として打つのもはばかられるような、指先が重くなる感覚になりました。でもそういう言葉が記事になることまで想像して、グループを代表して発言したり、その場の空間をフォローしてくれるのがTATSUKIさんという方で、それを長年続けていらっしゃるのだなと思いました。

4人で再出発する決断ができたのは、これまでもセルフプロデュースにこだわって作品作りをしてきたからこそで、信念を持って取り組んでいた過去のFlowBackが、現在の彼らを支えているのではないかとも思えます。

こんなに弱さを見せてくれる強いグループに出会ったのは初めてだと、心を動かされました。

撮影 / 渡邉 光平、インタビュー・文 / 長谷川 チエ

FlowBack 公式サイト


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!