【インタビュー】THREE1989のライブがもっと楽しくなる『Every Week is a Party』のすべて

海外からも熱い注目を浴びるバンド、THREE1989の3人が初登場!Culture Cruiseの会いたい人リストをまた一つ更新することができました!

10週連続リリースや、全国ツアーについて伺います。

THREE1989 × Culture Cruise

ーー今日はよろしくお願いします!

Shohey(Vo.), Datch(DJ),Shimo(Key.):よろしくお願いします!

Shohey:レセプションパーティーにもお越しいただいて、記事も書いてくださってありがとうございます!

ーーこちらこそありがとうございます!TwitterやInstagramのストーリーにも載せてくださって感激しました。。

Shohey:僕らの想いも受け取ってもらいつつ、ファンの方からも「そうだよね」と言えるような、歌詞の引用だったり、マジでいいなと思いました。

ーーうぐぐ…書いて良かったです。ありがとうございます!!

【THREE1989】10週連続リリース全曲レビュー&レセプションパーティーレポ

Shimo:出身はどちらなんですか?

ーー私は東京です!でも両親はどちらも瀬戸内の人なので、西の血を受け継いでます。

Datch:西の血なんだ(笑)

Shohey:じゃあ今日は全員西の人なんですね。

ーーそうですそうです!

Shimo:そうなんですね。THREE1989の場合は、北海道のファンの方々が熱狂的なイメージあるんですよね。

Datch:西全然関係ないじゃん(笑)

Shohey:なんの話?(笑)

Shimo:いや、北の人たちだからこそ感じる西の雰囲気があるのかなと思って。

Shohey:なるほどね。何かあるのかもしれないですね。無いものを持っているというか。

Datch:謎の相性の良さとかありますよね。僕らがびっくりするくらい喜んでくれたり。

Shohey:何言っても盛り上がってくれたりね。大阪は言うこと全部拾ってくれるし。

Shimo:今回、長野は初なので不安もありますが、楽しみにしています!

10曲リリースに挑戦した理由

ーーそもそも、10曲リリースを企画したきっかけは何だったのですか?

Shohey:より多くのリスナーに、ドラマを楽しみにするように毎週楽しんでもらいたいという思いや、僕らはインディーズなので、その良さを世の中に発信したいというのがありました。

大手だといろんな人を介すので、曲を出すことに時間や予算がかかりますが、そういう意味では僕らは環境が整っていて、マンションの一室にスタジオがあって、PCでトラック作ってShimoがギターとかカッティングもすぐに入れられるし、レコーディングも宅録できる環境があります。ミックス、マスタリングも自分たちでできるので、スピード感を大事にしたいと思いました。

ーー“何ヶ月連続”とかはメジャーレーベルでもありますが、10週となるとスケジュール的に厳しいですもんね。

Datch:そうですね。僕らは3人で完結できるので、速く曲ができると思います。3人で分担もできるし、1人が1曲丸々作ることもできるし。

Shohey:例えば、先週観た映画にインスパイアされたものをすぐ出したいよね、という企画でもあったので、出す前の週に全部作るというスタンスでやっていました。

ーー先日それを初めて知って、ストックだと思っていたので驚きました!

Datch:「スケジュール」という言葉もないくらいで(笑)。ライブの遠征もあったので、4日で仕上げなきゃ、とかもありましたね。

Shohey:その場で書きながらレコーディングもしてましたから。「やばいやばい」とか言いながら。

ーー(笑)それでも、あえてリアルタイムで作ることを意識した企画で、リアルに作ればそうなるってことですよね?

Shohey:そうですね。クオリティも上がってて、作るごとに自分たちのスキルも上がっていく実感があって、最後の方はまとまりやすくなりました。そういう意味でもやって良かったと思います。

ーー納期に追われるものづくりは大変ですが、スピーディーに作業する集中力も鍛えられますよね。その状況であの完成度は本当にすごいです! THREE1989さんは夏っぽいイメージもあるので、夏でもなく冬でもない、日本特有の秋を感じさせる曲が多かったのも絶妙でした。

Shohey:リアルタイムで季節の移り変わりを感じながら書いていたので、秋のTHREE1989が表現できたかもしれないですね。「When I fall in love」はShimoのトラックが、秋っぽくてループするものだったので、キンモクセイの香りも毎年ループするし、そこで掛けたら面白いかなと思いました。

ーーなるほど〜!(感動で震える)

Shimo:いつもはPCでつくるところを、この曲はiPadで作りました。やり方を変えて毎回モチベーションを高めていましたね。

Shohey:今回はトラック先行が多かったですね。DatchとShimoが作ったトラックを聴いて、僕がさらに作るやり方が増えてきました。「29 Blues」はコードから作ったんですけど、ピアノでサビだけ乗せて「こういうのどうかな?」ってみんなに投げたら2日後にあのトラックができてて驚きました。

Shimo:1曲ごとに新しいアプローチを加えたかったので、「29 Blues」はダンスに特化させて、今までのイメージとガラッと変えてみました。

Shohey:テーマもそんなにすぐ10個出てこないから、各々が紙にテーマを書いてボックスに入れて、くじ引きで決めたこともありました。“クリスマス”とか“クッキング”とか。「29 Blues」は“葛藤”から生まれた曲です(笑)

ーーそんな斬新なやり方で!?

Shohey:今回のツアーでこの10曲をまとめたCDを販売するんですけど、そのボーナストラックで、テーマ「Mother」っていう母への唄が入っています(笑)。これもくじ引きがきっかけですね。

メンバーが選ぶ1曲

ーー10曲の中で、お気に入りやトライした楽曲など、どれか1つを挙げるとしたら?

Shohey:(悩みながら)僕は「morning bird」ですね。どこがAメロなのかサビなのか、今どこにいるのか?という曲で、渡り鳥というテーマとリンクしているので、まとまったという感じです。

Shohey:Aメロの出だしが素直に歌えて、ここのメロディラインは大人の自分ではなくて、子供の頃に戻った僕が書いたような気がするなって、後から聴いて思いました。大人になったらこうしなきゃ、この会社に勤め続けなきゃとか、人間社会のしがらみも、国を超える渡り鳥のようにほどいて自由にして良いんだよというのが裏テーマでもあります。

ーーなんという素敵なエピソード…(←噛み締めてる)。Shoheyさんはどうして鳥が好きになったのですか?

Shohey:僕が通っていた学校の裏に森があったのでバードウォッチングの授業があって、そこで覚えたんですよね。それで図鑑も買って、ポケモン集めるような感覚で。そのまま中学生になると周り誰も鳥の名前知らないし(笑)、あまり人に言わずに過ごして、でも大人になったら「鳥好きなん?」って認めてくれるようになって公言しました(笑)

Datch:「HOTEL ジェリーフィッシュ」のブレイクの部分で鳥の鳴き声が入ってるんですけど、確認するんです、判別できるの上村さんだけだから。

Shohey:「合ってる合ってる、うみねこだよー」とかね。

Datch:(笑)僕は「夜の!ゴーストロック」ですね。アフロビートで作ろうという話だったんですけど、新しさも入れたくて、ビートにフィルターかかってる音を足したり、緻密に組み立てた曲です。

Shimo:コードがワンコードなので、メロディ作りにくいかと思ったんですけど、良い感じに乗せてくれてましたね。

Shohey:タイトルも「夜の!ゴーストロック」だし面白い歌なので、日本のリスナーからの評価はそんなに高くないんですけど、海外のリスナーは言葉も分からないし、「これが一番好きだぁ!」みたいに踊り狂ってる動画UPしてくれたりするんですよ。

Datch:シンプルな音楽性をいかに崩してTHREE1989らしさを入れるか考えたので、新しさが満載の曲ですね。Shimoが頑張ってくれました。インストでも聴いてほしいくらいです。10週連続の企画じゃなかったら生まれてない曲だと思います。

ーーすごくかっこいいけど、単体だったら「THREE1989どうした?」ってなりそうですもんね(笑)。続いてShimoさんが選ぶ1曲は?

Shimo:10週連続という期限もある中で、印象に残っているのが「Pajama Disco」です。9週目あたりで自分の限界というか、一つの壁が見えた気がしたんですよね。

Shimo:自分はまだまだだと実感したのが印象的で、毎回何か一つモチベーションを加えるというテーマでは、あと一段登れなかったという思いがあって。昔からTHREE1989を聴いてくれている方にとっては、僕らっぽさを感じてもらえると思うんですけど、もう少しその先を見せたかったというか。でも、一つの作品としては納得できています。

ーー次につながる曲になってくれて、今後の楽しみが増えたということですよね。個人的にはとてもテンションが上がる曲です!ちなみに、「High Times 2020ver.」はなぜ2019ではなく2020なのですか?

Shohey:これからのTHREE1989を見せる意思表示というか。今後の前向きな話し合いをする中で「ライブでもうひと盛り上がり欲しいよね」という話になって、ライブの軸でもある「High Times」をもう一度アレンジすることにしました。2020年は盛り上がりそうな年ですし、掛け合わせてみた感じです。

全国ツアー『Every Week is a Party』

ーー全国ツアーはどんなライブになりそうですか?

Shohey:(恵比寿)LIQUIDROOMはバンド編成ですが、それ以外ではクラブスタイルでやる予定です。

Datch:流れがあって、止まらないというか。THREE1989にしかできないライブになるかなと思います。クラブとバンドのいいとこ取りをしています。

ーーTHREE1989さんのライブに行ってみようか迷っている方にも、ぜひ行ってほしいと思うのですが。

Shimo:音源とはテンポ感が違ったり、曲もアレンジしているので、その違いを感じられるのは醍醐味だと思います。チルなイメージがあると思いますが、ジャンプしたりとか、動きがあるのも特徴ですかね。

Datch:ライブ独特の音を詰め込んでいるので、そこを楽しんでほしいです。あとは、Shoheyくんの鳥講座があります。

Shohey:鳥講座はね、ないんですよね〜(笑)

ーーあ〜ないんだ?残念だな。

Shohey:残念なんですね?(笑)

Datch:昔の「Soul Train」みたいに、演者を無視して踊ってるみたいのが理想で。1人で来ても、歌いたい時は歌って休みたい時は休んでもらって、誰もが中心になれる空間を目指しているので、ライブの一員になってほしいですね。

僕らだけではなくて、みんなで作るアットホームなパーティを楽しんでもらうような。

ーーTHREE1989さんのライブは距離感が近いですよね。先日のレセプションパーティーも、心の距離が近くて感動しました!

Datch:あの雰囲気を知らなかったら、“パーティー”って「遊んでる」「パリピ」っていうイメージですけど、もっと気軽な意味で。その意味をカルチャーレベルで変えたいというのもあるんですよね。海外はパーティーに慣れ親しんでいるから、コミュニケーションの一部だと思うんですけど。

ーー普段の生活レベルで気軽に取り入れたいですよね。

ヨーロッパではテクノポップのDJサウンドも人気ですし、THREE1989さんと相性が良い気がします。先日のスペインでのライブは、雰囲気違いましたか?

Datch:年齢関係なく、みんなが自由に100%楽しんでいる感じがしました。ヨーロッパと日本のアンダーグラウンド事情ってシンクロするところも多いですよね。

Shohey:ダンスミュージックも文化として根付いているので、言葉が通じなくても楽しんでくれるし、歌詞も覚えてきてくれて嬉しかったですね。

Shimo:たくさん可能性も転がっている気がするので、もっと挑戦したいです。音楽って素晴らしいですね。

Datch:毎回思うね。行ったこともない土地でも、自分たちの音楽を知ってくれていることが嬉しいです。海外アーティストとのコラボももっとやりたいですね。

Shohey:2020年は海外も見据えながら、さまざまなアイデアを考えてバンドが発信できることにさらに挑戦していきます!

ーーとても楽しみにしています!ありがとうございました!

インタビューを終えて

今回の10週連続リリースは、インディーズが持つ柔軟性が見事に生かされた企画。自らも成長できたと語る彼らの姿は、とても頼もしく見えました。

Shoheyさんは相手を尊重しながら分かりやすく伝えてくれて、話し上手で聞き上手。気遣いや優しさが、日常的に身についている方だと感じました。

フロントマンらしい豊富なアイデアと才能を持っているのに、気取らず自然体。ライブのMCでも、普段の会話のように面白く話してくれるShoheyさんですが、この日も場を明るくしてくれました。

歌に向き合う姿も真摯で、思考も柔軟。THREE1989の音楽に込められたたくさんのメッセージを読み解きたいと思いました。

できることなら、子供の頃のShoheyさんに会いに行って話がしてみたいです。

DatchさんはクレバーなDJ気質という印象でした。じっくりと考えて分析して、答えを出す方。

THREE1989のリーダーであることも納得できるし、このバンドの頭脳、中枢を担っていると感じました。

DJというポジション柄、少し違ったパブリックイメージを持たれることもあるかもしれませんが、とても物腰の柔らかい方です。

時折聞けるマイルドな大阪弁が、彼の人間味をさらに魅力溢れるものにしている気がします。

進化するTHREE1989をもっと面白く、刺激的にしていく存在だと思いました。

Shimoさんは、話の合間に逆に質問をしてくださったり、場の空気を和ませる、気さくで優しい方。

マルチプレイヤーである彼は視野が広く、知識も豊富で芸術肌。

今回1曲選んでいただいた時、「Pajama Disco」を挙げてくださいましたが、現在の自分の限界が見えた、もう少しやれたという点で悔いが残っていると胸の内を話してくださいました。

そんな視点から選曲されるとは思わなかったので、包み隠さず教えてくれたShimoさんの素直さに触れた瞬間でした。

現状に満足せず上を目指すShimoさんだからこそ感じたことであり、限界の先へ行くために努力できるのが、このバンドの強みなのだと思いました。ちなみに私は「Pajama Disco」、シンプルなTHREE1989らしさが伝わってきてとても好きです!

THREE1989ならではのスピード感や企画力、コミュニケーションから生まれる新たな音楽発信の形など、時代にフィットさせる感覚を持つ3人。

クリエイティブな才能を発揮しながら、自らの居場所に誇りを持ち、それでも謙虚な姿勢を失わない。

音楽的にも、人間的にも魅力あふれるバンド、それがTHREE1989だと思いました。

今後は海外でも大きく羽ばたきそうな予感!Culture Cruiseも注目していきます。

まずは全国ツアー『Every Week is a Party』。パーティーの成功を祈っています!

インタビュー・文/長谷川 チエ(@Hase_Chie


↓10曲をまとめたプレイリストはこちら

【THREE1989 LIVE TOUR 2019 “Every Week is a Party”】

11/08 札幌 SPiCE
11/22 長野 CLUB JUNK BOX
12/01 福岡 ROOMS
12/06 仙台 Hook
12/13 大阪 Music Club JANUS
12/15 名古屋 JAMMIN’
12/17 東京 LIQUIDROOM

↓チケットの購入はこちらから!

THREE1989公式サイト

THREE1989公式Twitter
THREE1989公式Instagram

【THREE1989】10週連続リリース全曲レビュー&レセプションパーティーレポ




ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!