編集部の葉山です。編集長・長谷川に逆インタビュー企画第6弾! 今回もInstagramでテーマを募集したところ、チエさんの今まで聞いた楽曲で好きなフレーズを教えてほしいというリクエストがあったので、今回はそちらに決定! ライターならではの深い視点で発見がたくさんありました!
好きな歌詞を集めてみました
葉山:チエさん!今回も読者さんからリクエスト届きましたよ! 好きな歌詞、教えてください!
長谷川:えーありすぎて思いつかないけど、パッと浮かんだ曲をあげていこうと思います。ランキングというよりは、ずらっと並べてみる感じでもいいですか?
葉山:はい! なんでも! YouTubeも貼りながら順番に見ていきましょう。
SHE’S – Letter
「僕らは大切な人から順番に傷つけてしまっては後悔を重ねていく」
「僕らは信じたい人から順番に疑ってしまっては自分を嫌っていく」
長谷川:パンチラインとはまさにこういうことだなっていう。文字で見るよりメロディと一緒に聞くのがいいと思うのでぜひ再生してみてほしいですね。こういう時に浮かんでくるのが大切な人なのかなと思います。
葉山:ちょうどサビの最初のところなんですね。これは刺さりまくります。しかもMV赤楚衛二さん出てるじゃないですか。
長谷川:そうそう。誰しも後悔する瞬間はあるだろうし、時間は巻き戻せないけど、もう繰り返さないようにって教えてくれてる感じがします。バンドがこういう歌詞を書いてくれるのがまたいいなと思うし、SHE’Sの世界観も失われていないのがすごいです。
欅坂46 – 二人セゾン
「君はセゾン 僕の前に現れて 日常を輝かせる 二人セゾン 春夏で恋をして 秋冬で去って行く」
長谷川:このフレーズはラスサビなのでMVでは4:00くらいからです。ずらっと歩いてるシーンもまた良いんだよね。ファンからすれば、日常を輝かせてくれているのはまさに彼女たちで、歌詞とリンクもするんだけど、第三者的に歌う美しさ、儚さというか。
葉山:誰の歌なのか、ちょっと曖昧って感じしますね。
長谷川:そうなの! 登場人物が自分のような、推しのような、誰でもない感じもするっていう、一人称の置き方が自由なのが坂道グループの魅力だなと私は思ってます。
葉山:なるほど、そういう風に聞けばいいのか。チエさんがこういう曲選ぶのは意外な感じがします。
長谷川:秋元康さんの歌詞はけっこう見ますね。「セゾン」ってフランス語で「季節」?だよね? 言葉の組み合わせ方が柔軟で、可能性を広げてくれているなと思いますね。
Ghost like girlfriend – Birthday
「君に良い事ばかりが起きれば良いなと心から」
葉山:チエさんの大好きなGhost like girlfriendさんじゃないですか!
長谷川:ちょうど今、Ghost like girlfriendさんのレビューを書いていたので、パッと思い浮かんで。
葉山:優しさが全体的にあふれてる曲ですね。
長谷川:サビの締めくくりのフレーズなんだけど、「心から」で終わってる感じとかもいいよね。「良いことがありますように」とかじゃなくて、心の中の言葉がそのまま表面化した感じが、すごくリアルで印象に残ります。
藤井風 – 帰ろう
「憎み合いの果てに何が生まれるの わたし、わたしが先に忘れよう」
長谷川:誰かにイラッとした時とか、ほんとにこのフレーズが浮かんできたりする(笑)。「忘れる」っていうのは人間が長く生きていくためのスキルみたいなものなんですよ。出産だって、2人目以降も産めるように、1人目を産んだ時の痛みを忘れるっていうし。だから生きやすくする予防線と考えてもいいと私は思うんだよね。
葉山:根に持ってても、自分が辛いだけですもんね。
長谷川:そうなんだよ。自分のために、相手を許すというか、問題にしないで忘れちゃうっていうのは大事かなと思いますね。わたしって2回言うところも、メロディとの調整だとしても普通なら別の言葉にするところだけど、表現が自由だなと思います。
Mr.Children – HERO
「そして最後のデザートを笑って食べる君の側に僕は居たい」
長谷川:これは「人生をフルコースで味わうための」っていう2サビの中で物語があって、その最後にこのフレーズが来るわけですね。このパートだけでも料理のフルコースに例えた完璧なメタファーが出来上がってて、全体で見た時にもつながるっていうところがすごいなって思ってる。
葉山:私もこの曲好きです!
長谷川:ミスチル出し始めたらキリがなくなっちゃうんだけどね。「終わりなき旅」とか「HANABI」とか。君一人だけのヒーローになりたいって歌ってるだけのシンプルさなんだけど、テーマが人間の生きる根源にたどりついてるし、笑ってるっていうのがまたいいですよね。
ライターが思いつくのはパスタを茹でる時
葉山:5曲あげてみてどうでしたか? これらの曲、みんな相手ありきっていうか、周りの人を大事にしてる歌詞で、それが浮かんだチエさんもやっぱり優しいなと思いました。
長谷川:そうか…「好きなフレーズ」ということだったので、「この表現の仕方が面白い」っていう視点の曲もたくさんあるんだけど、ここでは皆さんと共有できるのがいいなと思ったかな。
葉山:それがやっぱり優しさなんですよ。
長谷川:共通してるのは、言葉数で当てはめるんじゃなくて、本当に普段からそう感じてる人の思想が現れてるから、響くんじゃないかなっていう気がしました。今は曲先で生まれる楽曲が多いので、その音にハマるフレーズができるって奇跡だと思うんですよ。
葉山:音と合わせるために、試行錯誤してるわけですもんね。チエさんは記事の企画とかフレーズとか、いつひらめくんですか?
長谷川:私はただ書くだけだけど、歯磨き中とか、パスタ茹でてる時とか。
葉山:ずいぶん限定されてますね。
長谷川:献立がパスタの日だけっていう(笑)。考えごとできるくらいの適度な作業時間が良いんだと思う。だから急に書き始めて、伸び伸びパスタだったこと何度もあるよ。
葉山:生活もおびやかしていると。作詞も記事書くのも、やろうと思えば誰でもできることの専門家でいることが難しいんだってチエさんもよく言ってますけど、たくさんある中で残るものって、実はほんのひと握りですよね。
長谷川:残っている時点でメッセージになってるよね。文字にすると押し付けがましいとか、わざとらしくなっちゃうけど、曲に乗せるといい感じに漂うから音楽っていいなと思います。
葉山:またいい歌詞見つけたら教えてください!
以上、編集長への逆インタビューでした! 最後に、チエさんの記事の中で葉山が好きなタイトルの記事を3つあげました! ぜひ読んでみてください。
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