『家族。』が素晴らしかったので著者のカジサックさんに会いに行きました!

著書を持つカジサックさん

Culture Cruiseの好評企画、著者に会いに行くシリーズ。今回は『家族。』を出版されたカジサック(キングコング・梶原雄太)さんに会いに、カジサックチャンネルの事務所にお邪魔してきました。

カジサック × Culture Cruise

ーーカジサックさん!『家族。』拝読しました。流れるようなストーリーで読みやすいのに構成がしっかりしていて、とても良い本だと思いました。

ありがとうございます! 嬉しいです。

ーーカジサックさんの動画は、まさに今日のようなインタビューがうまくなりたくて、芸人さんとのツーショットトークなどを何度も拝見して、聞き上手なカジサックさんから勉強させていただいています。

えぇ! そうなんですね。ありがとうございます!

ーー私も梶原さんと同年代で、両親が別れたのも6歳の頃で、末っ子で。境遇が似ているので、第1章は自分のことも思い出して泣きながら読みました。

それはそうなりますね。じゃあ親御さんのこととかも似てるってことですか?

ーーそうですね、母が一人で育ててくれて、親の年齢も近くてっていうところで。周りの方の反応はどうでしたか?

とにかく視聴者さんの声がありがたいですね。動画でもいろんな話はしてきたんですけど、話してないところもたくさん書けて、それを喜んでくださった方も多かったですね。この本を通じて「こんなに苦労してたんや」と知ってくれたり。この本を出して本当によかったと思います。

ーーいつもながら、視聴者さんの声はチェックされているんですね。やはりYouTubeのコメント欄から届くことが多いですか?

もちろんチェックさせていただいています。あとはTwitterとかInstagramのDMだったり。著名人の方もインスタにあげてくださったり、本当にありがたいです。

カジサックさんと『家族。』

著書を持つカジサックさん

ーー執筆にはどれくらいかかりましたか?

本を出すことが決まってからは1年半くらいですかね。

ーー表紙は3パターン用意して、最後は視聴者さんの投票で決まるというのも新しい試みですよね。

YouTubeならではですし、せっかくなら皆さんに決めていただきたいという思いがあったので。面白かったですね、めちゃくちゃええ勝負だったんで。

ーー表紙の撮影はどんな雰囲気だったのですか?

この日はるちゃん(三女)が機嫌悪くて、うちのオカンも現場に来てくれてて、お菓子チラつかせてもうたからお菓子モード突入して。ずっと「お菓子よこせ」って言ってる顔なんですよこれ。どのショットも全部「お・か・し」の「し」の口してるんです(笑)。

ーーもうその顔にしか見えなくなってきました。でも本当に素敵な家族写真です。本を読んで、エピソードが出てくる動画を改めて観たくなって観ていたら、「『家族。』を読んで来ました」というコメントもたくさん来ていて。これもYouTubeの良さで、一種の現象だと思うのですが、カジサックさんはどうご覧になっていますか?

嬉しいですね。コンビの分も合わせると6チャンネルやってるんですけど、その中に「カジサックが切り抜く部屋」というのがあって、自分で切り抜くって新しいなと思って始めたんですけど、それが一番相乗効果が大きいですね。概要欄に関連のあるメイン動画を貼ったらすぐに飛べるので。本を読んでから動画を観たらより楽しめるんじゃないかと思います。

ーー本当にそうですね。今日も来る直前まで確認していたんですけど、大阪のたこ焼き屋さんとか、北陽さんや近藤真広さん(「はねるのトびら」総合演出)とのトークとか、もう泣きそうになりながら観ました。

ありがとうございます(笑)。北陽のくだりは全然違って見えるでしょうね。

ーーUPされた当時も観ていたんですけど、全然違って見えました。YouTuberさんが本を書くというのはこういうことなのかと、発見もたくさんありましたし。

たしかにそうですね。本当に出せて良かったです。オカンも喜んでくれましたし。

お母様との撮影エピソード

カジサックさん

ーー第1章の、お母様との繋がりを卵焼きで感じられるところが私は特に好きで、そして最後のお母様とのくだりと、お二人のお写真もすごく良かったです。

ダイヤモンド社様さまです。この写真も表紙を撮ってくださったカメラマンさんのおかげなんですよ。「お母さんと一緒に撮られますか?」ってポロッと言ってくれて。この写真で最後締まりますよね。

ーー素晴らしいです。お母様は写る予定ではなくて、同行してくれたってことですよね?

そうですそうです。たまたま東京にお手伝いに来てくれていたタイミングだったので、はるちゃんもいるし、一応フォローでって感じで。

ーースカーフ巻いて、きれいな服装されているので、てっきりその予定だったのかと思いました。

何か、本人はひょっとしたら「撮られるかも」と思ってたかもしれない(笑)。

ーーバチバチに。

用意周到ですねぇ。俺も「なんでこんなきれいな格好してんねやろ」と思って(笑)。これもオカンの性格で、表紙の撮影って聞いて、スタッフもいるし「きれいな格好で行かな」っていうのがあったんでしょうね。

ーーそうかそうか。自分が写るかどうかではなく、心がけということですね。

写る気はなかったと思いますね。最初は嫌がってたんで。気ぃついたら「撮られるの分かってたんちゃうか」ってくらいに。

ーーきれいに写ってますけれども(笑)。一つの椅子に座ってるのもいいですよね。

これは僕から提案したんですけど、「一緒に座ろうや」言うて。動画も回してたんで、最初は小ボケのつもりで座ったんですけどね(笑)。

ーー見事に採用ということで。最後のエピローグのような文章からの流れが、この本をより素敵にしていると思います。タイトルはどの段階で付けられましたか?

全部書き上げて、最終的にですね。昔から浅く広くの付き合いができなくて、狭く深くという感じなので、知り合った人はみんな家族だと思ってます。ごめんなさい、いい風に言いましたけど友達少ないんですよ(笑)。

ーーいいお話ですけど、めちゃくちゃいい風に言うじゃないですか(笑)。でも家族同然に付き合えるってすごく素敵なことだと思います。梶原さんにとっては西野さんも家族なんですね。

あぁもう全然、家族ですね。

ーー単に家族のエピソードということではなく、芸人としてキャリアを積んでいく過程や、心が折れてしまった時のこともちゃんと語られていて、それでも総じて『家族。』としているのが良いなと思ったんですよね。

僕は自分の力では何もできない人間で、母親がいて、西野がいて、周りの人あっての僕だと思ってます。すべてを経て今の自分がいるので、失敗を繰り返したからこそ、ここに落ち着けたというのがあります。

インタビュー後記

インタビューがもっと上手くなりたくて、いつも勉強させていただいているカジサックさんへのインタビューという、ちょっと不思議な感覚だった今回。

スムーズにお話をまとめてくれて、どちらがインタビュアーか分からないくらいでした。また勉強に励む日々が続きそうです。

聞き上手な一面と、その場にいる人みんなを引き込んで笑わせる姿がとても印象に残りました。佇まいでリーダーシップが取れる方、そんな印象です。

「友達少ないんですよ」なんて笑って話してくれましたが、お母様の卵焼きを食べるだけで、愛を受け取れるような梶原さんです。素直で、嘘がなくて、まっすぐに向き合ってくれます。

だから大切な方々との、深い付き合いがあるのだということが分かりました。そんな出会いが重なってこの本が生まれ、『家族。』と名付けられたということも。

本の取材としてカジサックさんの元を訪れましたが、いつの間にか、梶原雄太さんの人柄に触れていたような気がしました。

カジサックさん

撮影 / 内田智之、取材・文 / 長谷川チエ

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!