考えてみたい、猫について気になっていること。殺処分と不妊手術

今回のCulture Cruiseでは、ペットの殺処分をテーマに掲げようと思います。私は幼い頃からずっと猫と暮らしていて、身近に猫がいることは当たり前の人生。それは一つのライフスタイルであり文化だと思っています。

だからこそ、自分の家族以外の猫ちゃんのことも放っておけない。「猫好き」はたくさんいますが、動物をかわいがるなら、殺処分の問題に本気で取り組むことはボランティアでもなんでもなく、「義務」なのではないだろうか、と常々考えているのです。

殺処分の現状

2016年4月〜2017年3月までに、日本で殺処分された猫の数は45,574匹。そのうち、子猫は約3,0000匹です。ちなみに犬は10,424匹で、猫と犬の合計は55,998匹(環境省自然環境局調べ)。

これが、10年前は341,063匹だったというので、数字としては7分の1にまで減少しています。とはいえ、見過ごせる数ではありません。

さらに、この数字のうちの大半が、保健所に持ち込まれるなどの方法で人間によって捨てられたペットだというのです。

私も動物が大好きなので、こういう話題を聞くだけで気分が暗くなってしまいます。できれば知りたくない。楽しいことだけ考えていたい。記事を執筆するのも、調べごとをするのも辛いです。だからといって、聞きたくないと耳をふさぎ、聞こえないふりをしていて良いのでしょうか。

殺処分される動物がいるということは、その作業をする人がいるということです。泣いてすがってくる犬や猫の夢を見て、毎晩うなされる職員の方もいるそうです。もし自分がその仕事をせざるを得ない立場になったらどうでしょうか。あらゆることに想像を巡らせる必要があるのではないかと思います。

道端で見かけた子猫に、「かわいい」「かわいそうだけど家では飼えないし」とその時は思っても、立ち去れば忘れてしまう私たち。やがてその猫はすぐに大きくなり、子猫を産みます。そうして膨大な数に繁殖していくのです。

ペットとしての猫には興味を持つのに、それ以外の猫には関心がないなんて矛盾しています。自分の猫だけが特別なのではなく、どちらも同じ命です。

殺処分回避のためにできるのは不妊手術

出典:公益財団法人 どうぶつ基金 プレスリリース

外で暮らしている地域猫で、耳の一部がV字に切り取られている子を見かけることがありますよね。これはTNR(トラップ・ニューター・リターン)と呼ばれ、ボランティアで不妊手術済みであることの証になっている、世界共通のユニバーサルなサイン。

再度不妊手術のために誤って切開されてしまうことのないように、守る意味合いもあるそうです。

ちなみに、一般的によく聞かれる「去勢手術」とはオス猫に対しての手術を指し、メス猫の場合は「避妊手術」と言うそうです。これらすべてを含めて、「不妊手術」と呼びます。

つかまえて、不妊手術をして、元の場所に放す。飼い主が見つかればそれが1番ですが、なかなか難しい現状があります。

子猫は早いと3、4ヶ月で発情期を迎えます。1年間に2回発情し、1度の交尾ではほぼ100%の確率で妊娠するそうです。

さらに、一度の出産で4、5匹程度が産まれ、生涯で10回ほど妊娠する猫もいるのだとか。それを考えただけでも、放置しておけばどんなに増えてしまうか、想像できますよね。

里親を探しても、飼える数には限度があります。現状では、殺処分される猫を減らすためには、不妊手術をしてこれ以上増えないようにすることが不可欠です。

沖縄「ネコ島」で一斉不妊手術

沖縄県うるま市浜比嘉島(出典:Wikipedia)

沖縄県うるま市にある伊計島、宮城島、平安座島、浜比嘉島、藪地島は、猫が多い島として有名です。

観光地としても人気のある「ネコ島」は全国にもたくさんあります。一見かわいくて、猫好きな私も興味を持ってしまいます。ただ、これらの島では、猫が増えすぎることによる排泄物や鳴き声をめぐるトラブルに発展することも少なくありません。中には、飼っていた猫を島に捨てに来る人も……。

うるま市ではそんな事情をふまえて、5つの島と北谷町で一斉不妊手術をするプロジェクトを発案。2017年11月には、公益財団法人どうぶつ基金の主催により、約350匹の不妊治療を無償で行いました。

また、東京都杉並区では、飼い主のいない猫を増やさない取り組みに対しての支援や、TNR実施の際の助成金支給などを行なっています。

【杉並区公式ホームページ】飼い主のいない猫を増やさない活動支援事業

さらに、広島県神石高原町では、ふるさと納税によるクラウドファンディングを利用し、2016年以降は広島県の殺処分対象犬を全頭引き取り、広島県内の犬の殺処分ゼロを維持しています。

【広島県神石高原町ふるさと納税クラウドファンディング】

TNRの活動を行なうためのどうぶつ基金

出典:公益財団法人 どうぶつ基金 プレスリリース

不妊手術は、おもに公益財団法人 どうぶつ基金が行なっています。猫の殺処分ゼロや、TNR先行型地域猫活動「さくらねこTNR」に取り組み、これまで53,000匹の飼い主のいない猫にボランティアで不妊手術をしてきました。

この活動には募金制度があり、毎月定額をクレジットカードで引き落とされたり、1回限りの募金も1,000円〜受け付けています。

寄付は税制優遇もされるので、所得から控除する寄附金控除が適用されます。私も毎月定額で寄付しているのですが、最初に設定すれば、毎月クレジットカードから引き落とされ、ホームページ上で簡単に引き落としをストップすることもできます。領収証を発行することも可能です。

動物病院などで不妊手術をする場合は、状況によっても変わりますが、1匹に対し1万円〜3万円ほどの費用がかかるようです。

今ご紹介したどうぶつ基金以外にも殺処分を回避する手段はあります。猫グッズ買うなら、我が家の猫にちゅ〜るを買うなら。そのお金を少しでもいいから殺処分を減らす取り組みに充ててください。

【公益財団法人 どうぶつ基金】

【公式サイト】
https://www.doubutukikin.or.jp
【寄付のページ】
https://www.doubutukikin.or.jp/legal/business


誰かが取り組まなければ、殺処分はなくならないのです。みんなが少しずつその意識を持てば、大きな結果に繋がるのではないでしょうか。Culture Cruiseでも、動物の殺処分問題について少しでもできることを積極的に行なっていきたいと考えています。

ABOUTこの記事をかいた人

東京生まれのWebライター(@cgrams40)。2017年にCulture Cruiseを運営開始。現在は東京と湘南・茅ヶ崎を拠点としている。カルチャーについて執筆するほか、個人投資家としても行動心理学を学びながら、10年間トレードを継続中。趣味はレコード収集。愛するのは鹿島アントラーズ。そして、ありとあらゆるカルチャーのすべて!!