新企画『Culture Cruise Map』第1弾としてお迎えしたのはPSYCHIC FEVERのボーカル・小波津志さん。今回は連載第2回目となるLOG 02をお届けします。
新たに生まれた改善点
──2026年7月10日に2ndアルバム『DIFFERENT』をリリースしたPSYCHIC FEVER。4年ぶりのアルバムをリリースしたばかりの今、その視線の先を聞いた。
小波津「アルバムをチャートインさせたいので、今はそのことを考えています。本当にたくさんの人に届けたい自信作ですし、届くといいなという思いで制作したので、どういう結果になるのか楽しみです」
──PSYCHIC FEVERは今作のリリースに際し、5月にはメディア、プロデューサー、クリエイターなどの他、抽選で招待されたファンクラブ会員を集めたリスニングパーティーを行なった。Culture Cruiseでも参加し、イベントレポートとしてまとめたイベントを、初開催してどのように感じたのか。
小波津「今回が初めての開催で、やってみて良かったなと思いました。本当はあの場所で全部を聴いていただきたかったんですけど、長くなっちゃうので要所要所でお聴かせすることになりました。でも全曲流すことができましたし、ForEVER(PSYCHIC FEVERのファンネーム)の皆さんとミュージックビデオを一緒に観ることもできて楽しかったですね。もっと大きくしても面白いなと思ったり、改善点も多々ありました。新しかったので、自分たちにとっても良い時間でした」
──ストイックで真面目なPSYCHIC FEVERは、新たに生まれたその改善点をどう次につないでいるのか。
小波津「都度、その時にメンバーで話し合ったり、自分たちでは変えられないこともあるので、スタッフさんと会議したりもしています。メンバー会議も定期的に、週一くらいの頻度でやっていますし、より結束力が高まっている気がしているので、週一で集まれているのもすごくいい状態だなと思います。いろいろな決めごとを自分たちで決めて共有したり連絡したりというのを、PSYCHICはやり始めていますね」
──「メンバーさんがそれぞれやりたいことを出していったりだとか?」
小波津「そうですね、まさにそういうことをやっています。メンバーだけの時もありますし、実際に会議室にみんなで集まって話し合っています」

──2026年4月に行なったジャパンツアー『PSYCHIC FEVER JAPAN TOUR 2026 “THE ROOTS”』では、文字通りグループの根源を探ってレベルアップをしたいと語っていた。それを見つけることはできたのだろうか。
小波津「初のバンドだったので、実際にやってみて肌感を得ることができました。真っ白のステージってあまり見たことがなかったので、映えという視点でも真っ白ステージにして正解だったなとか。あのアレンジ良かったなとか。ステージに上がる度に更新できたツアーだったなと思います。有明でのファイナル公演は初のホールなので、どういう感じなのかすごく楽しみですね。リハーサルも順調に進めています」
トライ&エラーという感覚が持てるようになった
──「これまで活動してきて、価値観が変化したタイミングってありますか?」
小波津「体験からいうと、求めすぎなくなりました。自分にもメンバーにも、誰にでも。『何でやらないんだよ』ではなくて『人それぞれの人生があるんだから』『そういう時もあるよな』くらいの感覚になりました。そして頼る時は誰かを頼る。それは価値観としてけっこう変わりましたね。MBTIも、ISTP(巨匠型)から…(調べ始める)ISFJ(擁護者型)に変わりました」
──「どの辺りから変わりましたか?」
小波津「THE ROOTS(『PSYCHIC FEVER JAPAN TOUR 2026 “THE ROOTS”』)が始まってから、ライブを作り込んでいる時くらいですかね。わりと最近です」
──「求めすぎなくなったということは、こうなればいいのにとか、以前は求めてしまっていたということですか?」
小波津「そうですね、変に完璧主義者だったので、失敗するのも嫌だったし、トライアンドエラーという感覚が持てるようになって、だいぶ楽になりました。追求しないというわけではなくて、妥協もしないし最善は尽くすんですけど、思った方向とは違う展開になっても『たしかにそうなるか。次はこうしよう』みたいにマインドをリセットできるようになったかなと思います。起きたことはしょうがないという感じですね」

──「ステージで歌っていて、お客さんに届いてくれたなと実感するのはどんな時ですか?」
小波津「ライブで楽曲を通して気持ちを伝えるのってとても難しいなと思っていて、そんな中でも『ForEVER』という楽曲を歌う時は皆さんじっくり聴いてくださるので、自分も感情を込めて表現しています。自分たちが書いた曲でもあるので、それも皆さんが受け取ってくださっているのかなというのは、ステージ上で歌いながら感じています」
──「反対に、伝えたいのに伝わらなかった経験はありますか?」
小波津「『Snow Candy』という楽曲をタイで最初にパフォーマンスした時です。タイは雪が降らないので、あれは伝わっていなかったのかもしれないなと思いますね、今となっては。タイでは初めて歌う曲だったので、初めて聴いた方のリアクションほど怖いものはないです」
──温暖な気候の東南アジアでは、日本のように四季を歌う楽曲があまりなく、聴かれる曲も違うのだというのは、初めてPSYCHIC FEVERにインタビューした時、志さんが教えてくれたことだった。そういう時の届け方はどうしているのか。
小波津「よりレスポンスをいただくようにしたりとか、自分たちだけの自己中心的なパフォーマンスをしなくなりましたね。MCで反応を聞いたり、曲中で一緒に手を振るとか煽りを取り入れたりとか。そういう工夫はしてきました。その経験から、日本でもライブパフォーマンスの盛り上げは何段階も上手くなったと思います。煽りとか曲の展開の仕方、自分たちのテンションの上げ方とか。どの楽曲かというと難しいんですけど、全体を通して、だいぶ成長したんじゃないかなと思います」
Map List
『Culture Cruise Map』で毎回読者に向けて自身の曲を選んでいただき、プレイリストとしてまとめる『Map List』。前回の「If You’re Mine」に次いで、2曲目のセレクトは即決だった。
小波津「2曲目は『I Got Ways』です。これまでのグループの楽曲でも一番大人っぽいですよね。ストリングスの効いた楽曲で、自分もそれになりきって歌ったので、全体の流れも意識して聴いていただきたいです。『きみを引き止める方法を知っているよ』というリリックは、これまでの自分たちでは表現できなかったと思います。たくさんの挑戦が詰まったお気に入りになりました」
続きは次週公開のLOG 03へ。
撮影:小山恭史、インタビュー・執筆:長谷川チエ
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