小波津志(PSYCHIC FEVER)インタビュー 連載 (1)「アーティストを志す始まり」

Culture Cruiseでは、まもなく迎える10周年に向けて新企画をスタートします。

一人の表現者を丁寧に取材していく『Culture Cruise Map』、第1弾としてお迎えしたのは、PSYCHIC FEVERのボーカル・小波津志さんです。

Culture Cruiseではグループを通して何度も取材をしてきましたが、小波津さんの音楽的価値観を、今までとは違う視点でインタビューしました。

グループとしてだけではなく、一人の表現者として歩んできた地図を広げていくように、全3回の連載でお届けします。

No.001 小波津 志

──「アーティストを志す始まりとなった原体験は何ですか?」今回最初に小波津志さんにした質問はこれだった。きっとこの頃だろうかという予測をいくつか立てていたが、実際の回答はそれよりもかなり早い時期だった。

小波津志「エイサー(沖縄県で旧盆(旧暦の7月13日〜15日)に行われる伝統的な盆踊り)じゃないですかね。ダンスがきっかけで今があるので、3歳とか4歳とか、幼少期に体験したエイサーじゃないかなぁ…。踊ったり誰かの真似をしたり、それが自分のダンスの始まりだったと思います」

──「その頃の記憶はありますか?」

小波津「記憶はまったくないです。映像が残っているので、それを観てこんな時があったんだなと思いました。3歳くらいの映像があって、家でチラシとかで作って遊んでいました」

──そして2013年『GLOBAL JAPAN CHALLENGE』に参加し、2014年にEXPG STUDIO OKINAWAに入校。片道約2時間をかけて、週5日ほど通うこともあったというその原動力は何だったのかと問うと、少し視線が鋭くなった。

小波津「僕は当時本当に何も考えてなくて、ただレッスンやイベントでは俺が一番目立つんだという気持ちだけは持っていました。だから頑張れたのかなと思いますね、実力主義者なので。まだまだなのでこれからも頑張るんですけど、負けるのが悔しいんですよ。負けたくない。そう思うと頑張れますね。間違いなく、感謝と負けず嫌いが志を作っています」

──そしてアーティストへの道が拓けていく。所属するLDHはどんな居場所になっているのか。

小波津「夢をいただいた場所です。それを還元できるように頑張りたいと思っていますし、恩返しというマインドですね。僕もEXPG生時代、アーティストさんが来校してくれた時すごく嬉しかったんです。だから微力ながらも、そう思ってくださる生徒がいるのであればやってあげたいし、それが恩返しになるかは分からないですけど、自分なりの表現をしたいです。沖縄に帰るたびに毎回行っているんですけど、喜んでくれてはいますね。所属アーティストになったからこそ、自分も同じようにしてあげたいなと思ってやっています」

──「それはサプライズ的な感じで、急に行くんですか?」

小波津「この前は事前に何も言わず、急に行きましたね。張り切ってくれて、何人か振り付けが飛んでて」

──「それは緊張しますよ」と言うと「そっか!」とおどけながら、昔の自分を重ねてしまうのだと笑った。そしてPSYCHIC FEVERのメンバーとなり、表現者としての視野も広がっていく。

小波津「初めて単独ツアー(『PSYCHIC FEVER LIVE TOUR 2023 “P.C.F”』)をさせていただいたことは大きかったですね。ステージングであったり、音周りとかを自分でも確認するようになって、より表現者としての視点になっていったんじゃないかなと思います。それまでは武者修行とか『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』でのデビュー発表とか『居酒屋えぐざいる』とか、ステージに立つ時はスタッフさんにお任せしていたので。単独ツアーで初めて『この楽曲はこういう風にしよう』と考えて、でも実際に見てみると違ったりもして変えたりとか。その経験で視野も広がっていったのかなと思います」

4年分以上の思い出がたくさんある

──「PSYCHIC FEVERの転機になった曲は何ですか?」質問を投げかけると、迷いなく返ってきた。

小波津「『Just Like Dat feat. JP THE WAVY』です」

──「この曲との出会いがなかったら、今のPSYCHIC FEVERはどうなっていたと思いますか?」

小波津「どうなっていたんですかね。今頃何してたんですかね…想像できないですけど、あの曲で思いもしなかったことが起きて、聴いてくださるファンの皆さんが世界中にできて、いろいろなイベントにも出られて、U.S.ツアーにも行きましたし。あの曲をきっかけにグループの方向性も定められたのかなと思います。あの時バズらなかったら、PSYCHIC FEVERはもっと違う音楽性になっていたのかなとも思いますね。イメージですけど」

──「なにか別の曲調にチャレンジしていたりとか?」

小波津「そうですそうです。今でもいろんなアプローチはしていますけど、もっと違ったアプローチをしていたと思いますね。『Just Like Dat feat. JP THE WAVY』は観に来てくださるファンの皆さんが、どこを歌えばいいか分かってくださっているので、僕らはBメロを歌わなくなったりとか(笑)、最後の部分をアレンジするようになったりとか。欠かせない曲になってくれましたね」

──7月13日には、デビュー4周年を迎えたPSYCHIC FEVER。グループは5年目に突入した。

小波津「本当にあっという間です。4年分以上の思い出がたくさんあります。タイにいた期間も長かったですし、ここまでグローバルな活動をできるとも思っていなかったので、本当にありがたく思っています」

──「この先、他のメンバーさんにやってほしいこと、挑戦してほしいことってありますか?」

小波津「レッスンです! ボーカルとか。受けてはいるんですけど、高みを目指してもっとやっちゃおうという感じです。僕も含めですけど、やった方が良い(笑)。それぞれの成長方法はあるので、レコーディングをしているメンバーはそれで成長するでしょうし、何かしら成長につながることをしていれば良いんじゃないでしょうかね。それぞれみんな筋トレをしたりコンテンツを出したり、あとはライブが一番成長できるので、グループとしては今後もっとライブの数を増やしていきたいですね」

Map List

──「本企画『Culture Cruise Map』では、毎回読者に向けてご自身の曲を選んでいただき、最終的にプレイリストにまとめたいと考えているのですが、今回は4曲選んでください。1曲目には特にライトリスナーにも向けた楽曲をお選びいただきたいです」

小波津「1曲目は『If You’re Mine』です。アルバム『DIFFERENT』の中でもミュージックビデオがある楽曲ですし、『Just Like Dat feat. JP THE WAVY』『What’s Happenin’』に次ぐような作品になっているので、PSYCHIC FEVERを知ったばかりの方にも聴いていただきたいです」

続きはLOG 02へ。LOG 02は次週公開です。

撮影:小山恭史、インタビュー・執筆:長谷川チエ

PSYCHIC FEVER
2nd Album『DIFFERENT』


2026年7月10日リリース

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。