【WOLF HOWL HARMONYインタビュー後編】1st Album『WOLF』発、クラシック&アバンギャルドな東京カルチャー

WOLF HOWL HARMONYインタビュー。後編では新曲「BAKUON -爆音-」の制作や、思い入れのある楽曲などについて伺いました。

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歌とラップをボーダレスに

──続いて「BAKUON -爆音-」についてですが、初めてデモで聴いた時はどう思われましたか?

SUZUKI:イントロからブラジリアンファンクという、ボーイズグループの音楽では馴染みのないビート感が新しいと感じました。そこから曲の構成がどんどん展開していくのも面白くて、R&Bの部分にはT.Kuraさんっぽさを感じたりとか。率直に、めっちゃかっこいいなというのと、面白い曲だなと思いました。印象に残るフレーズが多いじゃないですか? トップラインと作詞には藤田織也くんも参加してくださっているんですけど、楽曲の世界観も僕らのことを深く理解してくれた上で、僕らの想いも汲んで書いてくださっているので、一瞬で気に入りました。織也くんの歌の上手さもデモで感じて「やっぱヤバいな、かっこいい曲だな」というのを感じて、これをウルフが歌ったらどうなるんだろうとわくわくしながらデモを聴いていました。

──深く理解してくれたというのは、お話する機会などがあったんですか?

SUZUKI:普段からプロデューサー陣と僕らはなるべく意識を1つにしていくために、お話させていただく機会を設けているんですけど、そういうところを聞いてくれていたのもあったと思います。「僕らが爆音でメジャーシーンを突き進むから道開けろ」みたいな意味が込められているんですけど、そういったところもしっかり汲み取ってくれて。僕らがこのアルバムでウルフ旋風を巻き起こすと宣言してるんですけど、まさにそれを巻き起こすための楽曲になっています。

RYOJI:「BAKUON -爆音-」は、これからのウルフの新しい形であったり音楽性であったり、どんなアプローチをしていくのかとか。将来を楽しみにできる作品にしたくて、今回は新しいチャレンジをたくさんさせていただきました。

──レコーディングも難しかったのではないでしょうか?

HIROTO:僕は主にブリッジの部分を歌わせていただいているんですけど、R&B要素とか、グルーヴィーに歌う感じは僕の中でも挑戦でした。苦戦した部分でもありますし、ここで自分のよさを出さないといけないというのもあったので、時間をかけてこだわらせていただきました。

RYOJI:ラップアプローチが大事な楽曲だなと思っていて、歌唱力を武器にしたり、アプローチの仕方はいろいろあると思うんですけど。一番最初の《Switch 退きな》のところは僕が1人でけっこうな分量を担当させてもらっています。それもメンバーの話し合いの中でHIROTOが「ここはRYOJIくんしか考えられないっすわ」って言ってくれたりとか。ここで俺がかまさないと、自分の声を生かしていかないとという責任感というか、プレッシャーにも感じましたけど、その分いいものが出せたんじゃないかなと思います。これからラップにおいても、自分ももっと成長したいと思うきっかけになりましたし、自分のベストを出せたなと感じています。

──HIROTOさんはどうして最初の部分はRYOJIさんだと思われたんですか?

HIROTO:僕らの楽曲は自分たちで話し合って歌割りを決めているんですけど、何回も楽曲をリリースしていたら、ここに誰がハマるかなとか、キャラ的にここは誰々だなというのはみんなが共通して理解しているので、たぶん他の3人もRYOJIくんが一番ハマってると思ってただろうし。

GHEE:電話で話したよね。HIROTOと2人で電話で「こう思うんだよね」って話して、RYOJIくんは自分で曲作ったりもするので、日頃から聴いてるから、表には出ていないもう1人のRYOJIくんを知っているので、「これってそのRYOJIくんじゃない?」ってちょうど話してたんですよ。

RYOJI:その共有きてないですね(笑)。

GHEE:ほんと? ごめんごめん(笑)。たぶんそれでくっく(HIROTOさん)も言ったんじゃないかなって。普段からRYOJIくんが作った曲を聴いてるからこそ、デモで渡されたものを歌うのと、自分のクリエイティブで出すのはちょっと違うと思うんですよ。2人いると僕は思っているんですけど、そのもう1人のRYOJIくんが出せたんじゃないかなと思います。でもまだまだ、メンバーそれぞれ自分でクリエイティブとかし始めたらいろんな自分が出てくると思います。すーくんもリリースする曲でウルフとしてラップをやったのは初めてだよね?

SUZUKI:こうやって曲として出すのは初めてだね。カバーではやっていたんですけど、ウルフの楽曲ではやっていなかったので。でも自分自身もラップが好きなので、歌とラップって分けたくなかったんです。どんどんボーダレスにしていきたいなと思っているので、それを体現できた第一歩になったんじゃないかなと思います。

自分たちの色を見つけたい

──アルバムの中で、特に思い入れのある楽曲を選ぶとしたらどの曲でしょうか?

GHEE:自分は「Letters」ですかね。自分たちの絆が深まった感覚があります。「BAKUON -爆音-」は一つの集大成という感じで、「のろし上げてくぞ」っていう曲です。

SUZUKI:特にでいうと「BAKUON -爆音-」はリード曲でもありますし、これからのウルフに期待していただくための楽曲になったんじゃないかなと思っています。新しいチャレンジができましたし、MVもぜひ期待していただきたいというものが作れたので。これからのウルフの代表曲の1つになると思うので、思い入れがありますね。

HIROTO:「Frozen Butterfly」は自分たちのパフォーマンスの基盤になったというか、今後のパフォーマンスの方向性を掴めた楽曲でもあります。今のウルフの代表曲と言ってもいいくらい迫力のある楽曲ですし、個人的には振り付けもミュージックビデオも、全部に思い入れがあります。

RYOJI:僕も「Frozen Butterfly」ですかね。2000年代のサウンドアプローチが自分的にも好きで、当時のボーイズグループだったりを思い出しながらも、今の自分たちはNEOな感覚を意識しながらできました。MVもUPさせてもらった時が新幹線の中だったんですけど、HIROTOとハイタッチしたり。「よしっ!」って。

HIROTO:「上がりましたね」って。

──上がったことによるハイタッチですか?

RYOJI:そうですそうです(笑)。ようやく上げられたねっていう。それくらい楽しみだったのでよく覚えています。今回のアルバムも、現在はリリースイベントで各地回らせていただいていて、ファンの皆さんとお会いできるのも、「一緒に楽しんでいきましょう!」と心から言えるのも周りの皆さんのおかげです。たくさんの方あってのこの1stアルバムに仕上がっているので、リリースに向けてわくわくから燃えてるに変わってきました!

──今後の活動の計画や、力を入れていきたいことはありますか?

GHEE:初の単独ツアーが始まるので、自分たちの色を早く見つけて、早く表現できるようにしたいです。今後はいろいろな規模でやっていくと思うんですけど、その規模に応じた見せ方だったり、自分たちにしかできないものを考えて、そこに力を注いでいきたいなと思います。

RYOJI:それに関わることなんですけど、特に個人的にも意識しているのが、1人ひとりのスキルや個性をもっともっと底上げしていって、誰かがステージに出てきた時に「あっ!」ってなるみたいな、それが4回繰り返されるものを目指していきたいです。いろいろな音楽シーンの方々に刺さってもらえるように、自分自身も歌やラップの強化というものを、今着々と鍛錬しています。それをもっとアウトプットしていきたいですね。

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ

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WOLF HOWL HARMONY
1st ALBUM『WOLF』 発売中

▼STREAMING & DOWNLOAD
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▼「BAKUON -爆音-」 Music Video
https://youtu.be/KouPKw7Q59A


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。