2021年の100曲プレイリスト&トップソング5曲を発表します

編集部の葉山です! 2021年も編集長・長谷川がCulture Cruiseの名曲プレイリストをコツコツ更新しました。今年の100曲に選ばれたプレイリストと、さらにその中から邦楽を5曲ピックアップしてもらいました。対談の模様をお届けします!




Culture Cruise的トップソング

米津玄師 – Pale Blue

 葉山:2021年の名曲ピックアップ、まずは米津玄師さんですね。ドラマ毎週観てました。

長谷川:本編の中でもかなり印象的で、シナリオの一部みたいな役割だったよね。ドラマ以上にドラマチックというか。

葉山:永山瑛太さんの「ひとさんまるまる!」みたいなセリフが蘇ってきますもん(笑)。

長谷川:分かる分かる。米津さんはハチの時から盛り上がりの波及を作るのが上手くて、ちゃんとわかりやすいサビがあるんだけど、いわゆるJ-POPの感じとも違ってて。斜め上から時代を見てる感じが面白いですよね。

葉山:へぇ。どういうところがですか?

長谷川:サビというよりドロップみたいにシンプルで、ドラムが引き立ってたりとか。ちゃんと場面が変わるんだよね。音楽以上の何かを創ろうとしているような純真さも感じるし。

この曲は特に、口を衝いて出てきた言葉じゃなくて、場面として浮かんでるんだろうなっていう描写の仕方ですよね。「酷く丈のずれたオートクチュール」とか「鼻先が触れるくらいにあなたを見つめたい」とか、具体と抽象が混ざっていて美しい歌詞だなと思います。

フレデリック – サイカ

長谷川:フレデリックは打ち込みと生音の使い分けが職人技ですよね。雰囲気は歌謡曲っぽいレトロな感じも混ざってるんだけど、音はいつも冒険していて。

葉山:違いが分からないけど、ピコピコ言ってるところとかですか?

長谷川:うんうん。「オドループ」とか、和田アキ子さんに楽曲提供した「Yona Yona Dance」がTikTokでバズったんだけど知らない?

葉山:あぁ! YouTubeのイベントで観たかも。

長谷川:そう! 共演してたよね。確かにリフも多いし、UGCになじみやすい音だなと思う。TikTokの中でコミカルに切り取られるのも楽しくて大好きだけど、とても芸術的なバンドだと思ってる。

葉山:流れで聴いて良さがまた倍増するという。

長谷川:そう。そんな時に「サイカ」がリリースされて聴いてみたら、アニメのタイアップという背景もあると思うけど、すごく抒情的で泣けてきちゃって。どこも切り取れないようなこういう曲も、作り続けてほしいですね。

フレデリックはベースの三原康司さんが作詞作曲をして、双子の兄の健司さんが歌っているんだけど、このバンドの根底にあるメロディセンスの良さがすごく出ている名曲だと思います。2022年もさらに人気出るから!

葉山:覚えておきます!

宇多田ヒカル – One Last Kiss

葉山:宇多田ヒカルさんの「One Last Kiss」、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の主題歌でしたね。

長谷川:超大役のタイアップだけど、サビがずっと「Ohh〜」だし、それこそドロップみたいで余白が多い曲なんだよね。普通成立しないし、発想も浮かばないよね。でも宇多田さんのワークスとしてもちゃんと馴染んでる。

葉山:そう言われればすごいですね。今までのエヴァの曲も全部すごいし。

長谷川:ご自身の声の特徴を本当によく理解されているんだなと思います。自分の声を聞く耳も良いんだろうなと。「このメロはこういう歌い方だな」って体感として感じ取るプレイヤーの視点と、「この声にはこのメロだな」って客観的に構築するセルフプロデュースの視点。両方持っているんだなと。

小袋成彬さんのプロデュースされた時とか、まさにプレイングマネージャーだなって思ってたけど、この曲でもプロデュース能力の高さを感じました。そして曲も本当に素敵です。

BALLISTIK BOYZ – Animal

葉山:これはチエさんの記事読んだから知ってますよ! MVベタ褒めしてましたよね。

世界に見つかってほしいBALLISTIK BOYZの圧倒的な主体性

長谷川:そうそう。なんか私が言ってたのはSpecial Editionだったみたいだけど私はこれが好きなのでこっちを推してく(笑)。バランスが取れててほんといい曲だなと思う。TV観ない私が言うのもなんだけど、もっとメディア展開してあげてほしかった。

葉山:そうなんですね。私LDHさんの状況あまり分からなくて。

長谷川:私も(笑)。

葉山:いやチエさんは分かってるでしょ?

長谷川:いやぁ。曲をいいなと思って、そしたら所属がどこどこだったというだけで、事務所に興味を持ったことはなくて。それこそ、LDHと一括りに考えてBALLISTIK BOYZを聴かない人もいるかもしれないと思って、記事を書いたから。ダンスボーカルはサバ番も増えたし視覚的な表現も含めて、映像はやっぱり大切ですよね。

葉山:だからメディア展開ということなんですね。

長谷川:うん。伝統はもちろん大切だけど、このグループはそれ以上に素晴らしい多様性を持っているし、斬新な曲でもちゃんと自分たちのカラーにしてるんだよね。今年出した「All Around The World」もすごく良かったので、海外の作家さんとかと組んでどんどん質の良いブランディングをしてほしいです。

Vaundy – しわあわせ

長谷川:最近一般的にもコード進行とか転調とか意識されるようになってきて、それも音楽を理解する良い手段だとは思います。でもやはり理屈ではなく心を掴まれるのが音楽の素敵なところだと思うんですよね。

そんな原点に立ち戻れる曲ではないかと。1番からすぐに2番に入って広がる世界観とか、1秒も無駄なく表現されていて素晴らしいんですよ。

葉山:確かにこの曲のすごさは私でも分かるな。

長谷川:きっとライブで歌うのはしんどいと思うんです。でもこの曲を聴くためにライブ行きたいと思わせるパワーがありますよね。新曲が出る度に、こんなにすごい曲出しちゃって大丈夫かなって思うんだけど、その後も素晴らしい曲出し続けてるし。今海外でもVaundyさんとても人気なんですよ。彼の存在自体が邦楽界のパワーになっているなと思います。

葉山:言語とか関係なく良さが伝わる音楽だなって思いますね。




全100曲プレイリスト

葉山:100曲もあると2021年の象徴っていう感じがします! 最後の曲はいつもこだわってますよね。

長谷川:Official髭男dismはアルバム『Editorial』が素晴らしくて、そのイントロ的な位置付けの曲なんだけど、ライブレポでも書いたように初めて聴いた時すごく心掴まれて。1曲目ではないところに置いてあげたくなったというか。ちなみにその直前にある東京事変の「原罪と福音」も同じ理由です。

Official髭男dism『Editorial』ネタバレのないライブレポート

葉山:「置いてあげたくなった」っていう発想がチエさんらしいなって思います。100曲はどういう動機で選んでるんですか?

長谷川:決してランク付けしたいわけではないので、チャートやセールスは気にしないし、2021年の代表みたいなイメージかな。プレイリスト全体の統一感は多少考えているけど、なるべく多ジャンルを見るようにはしてるつもりです。

葉山:HIPHOPがあったりPOPSやロックなど、フラットに判断する努力っていうか、すごく感じます。

2021年の音楽について

葉山:チエさんから見て、2021年の音楽はどうでしたか?

長谷川:ネットカルチャー発のボカロとかラップが元気だったと思います。ボカロの定義もあいまいになってきたよね。それだけ幅広く浸透しているんだと思うので、もう分けなくていい気もするけど。ただ音楽シーン全体に混ざると、本当に魅力的なメロディやボーカルでないと埋もれてしまう面もありますよね。

トラックは確かに斬新なんだけど、ボーカルの表現力ではどうだろうかとか。YOASOBIをみんなが普段から聴いてると考えると、相当ハイレベルなジャンルになったし。だからDISH//の「君の家しか知らない街で」の素晴らしさが際立ってました。

葉山:くじらさん! チエさんの記事で知りました。たしかに北村匠海さんの表現力で詞の世界が広がった感じがしましたね。そんな中でも実力を発揮しそうなネット発のアーティストはいますか?

長谷川Unknöwn Kunはボーカルも上手くてサウンドセンスも素晴らしくて、ラジオでもSNSでも、どのメディア媒体でバズっても納得できますね。なんか偉そうな発言で恐縮ですけど。

葉山Unknöwn Kun、覚えておきます! 他のジャンルはどうでしたか?

長谷川:個人的にはバンド界が盛り上がっててほしいんだけど、時代的に難しい立ち位置ですよね。だからこそ、TikTokで注目されたクレナズムとかフレデリックみたいなバズもあって面白い。

sumikaとかandropとか、新しい音に挑戦するバンドも素晴らしい一方で、バンドらしいサウンドで勝負し続けるSUPER BEAVERとかもリスペクトであり。そんな中postmanの「ダイヤモンド」にはすごく心を動かされたかな。

葉山:なるほど。洋楽も含めるとどうですか?

長谷川:海外は日本以上にバンドの難しさに直面していると思うけど、プレイリストにも入ってるInhalerっていうバンドは伸びてほしいと思っています。U2のボノの息子さんがボーカルで、本人はそれを言われるのは嫌みたいなんだけど、どうしたってボノっぽさを感じるのでテンションが上がってしまうという。

葉山:チエさんはやっぱりバンドが原点なんですね。今年の音楽系記事はどうでしたか?

長谷川:予想以上に読んでいただけた記事、全然読まれなかった記事、はっきりと数字に表れた年でした(笑)。筆者としてはすべて愛情を込めて書いているつもりなので、「誰のことを書いているか」ではなく、内容にフォーカスしていただけるように、私自身の課題として来年に引き継ぎたいと思います。

すべてプレイリストをベースに話していますので、気になったアーティストはプレイリストでもチェックしてみてください!2021年もCulture Cruiseの記事をたくさん読んでいただき、ありがとうございました!(長谷川・葉山)


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