【lol-エルオーエル-インタビュー】人生のハイライトを一つにまとめたアルバム『Life is』

lol

2024年1月17日に5thアルバム『Life is』をリリースしたlol-エルオーエル-がCulture Cruiseに初登場! アルバムの制作秘話などについて伺いました。

5thアルバム『Life is』

ーー今日はアルバムのお話を中心に伺っていきたいと思います! 人生がテーマということで、具体的にはどんなアルバムに仕上がったでしょうか?

honoka:それぞれが経験するであろう人生のハイライトを、一つのアルバムにまとめたような作品になっています。初恋だったり、人生の選択だったり、挑戦、欲望だったり、人生において経験する気持ちとか状況をいろんなジャンルの曲調や歌詞にしているので、受け取ってもらえる人も、それぞれの自分の人生と照らし合わせて聴いてほしいなと思ってます。

ーーテーマは早い段階から決めていたのですか?

honoka:テーマとして決めたのはわりと最後の方だったんですけど、「人生で経験することを曲にしたいね」っていう、ざっくりしたものは最初に決まっていました。

ーー人生の経験を曲にしたいという発想は、どのように生まれたのですか?

honoka:年齢を重ねて、経験することも増えてきたし、昔のlolだったら表現できなかったようなことをシェアできるようになってきて、ファンの皆さんも同じように年を重ねているから。久しぶりに会った人がお母さんになってたりとか。いろんな状況変化がある中で、受け取ってくださる側の人もタイミング的にいいんじゃないかなと思ったので、このテーマになっています。

ーー今作の中で「好きな曲」や「大変だった曲」など、ご自身にとって印象的な楽曲を1人ずつ挙げていただけますか?

佐藤友祐(以下、友祐):今回半分くらいMixまで参加しているので、レコーディングは大変だった思い出があります。歌割りも半分くらい決めてるんで。

moca:友祐くんは作詞した曲もけっこうあるもんね。

友祐:そうですね。特に「愛のFlavor」は今回hibikiと作詞を共作したんですけど、曲を何百回も聴いたので自分の中でのイメージが強すぎて、ボーカルの落とし込みが大変でした。最終的には近づけられたのでよかったですけど、時間はかかりましたね。

ーーデモをたくさん聴くと、逆に自分のパートがレコーディングしづらいということもあるのでしょうか?

友祐:ありますね。日本語にする時点でだいぶ変わってきちゃうのと、これは男女混成のグループならではなんですけど、キー設定の問題があって。男子と女子のどちらをメインにするかで、その曲の良さが一気に変わるので。自分がやると自分のキーがメインになってくるので、必然的に男子が多めになっちゃったりするんですけど、「You…」は作詞を半分担当してて、女子をメインにしてみました。それもまた難しかったですね。この2曲が難しかった。

moca:「You…」のパートも決めてくれて。

ーーパートはどういった基準で決めているんですか?

友祐:声ですね。レコーディングの時のコンディションも違うのでそれも難しいんですけど。できると思ってたことができなくて、できないと思ってたことができたりとか。その場で変わってくるのが面白いと思いつつも、自分次第なところもあるので大変でした。

ーーレコーディングしてみて変えるパターンもあるんですか?

友祐:はい。全員が全部録ると時間もかかっちゃうんで、今回は決め打ちでやりました。

小見山直人(以下、直人):僕は「Just Dance」ですね。

友祐:それ意外なんだけど(笑)。

直人:ちゃうねん、僕が今まで聴いて来なかったジャンルやったんですよ。メンバーとスタッフさんの総意で、みんなに「これやりたい」って選ばれたのが意外やな、こういうのもアリなんやなって思って。今までのlolにもない曲なので、ファンの方の反応が楽しみな曲の一つですね。

ーー直人さん的には最終的に聴いてどうでしたか?

直人:すごくよかったですね。振り付けも新しい感じになると思うので楽しみです。

moca:私は好きな曲が「チグハグLOVE」で、虹色侍のずまさんが作ってくださった曲なんですけど、デモ曲いただいた時からずまさんの声が入ってて、もう本当によくて! 初恋がテーマになっているのでキュンとするところもあったり。レコーディングも立ち合ってくれたんですけど、「ここをもうちょっと息多めにして」とか、ディレクションまでしていただいて、とても新鮮で勉強になって楽しかったです。

ーーlolさん流のエモさの表現がとても素敵ですよね!

どうしても歌いたかったパート

ーー続いてhibikiさんは、1曲挙げるとしたら何でしょうか?

hibiki:今回は明るい曲が多くて、曲調だけじゃなくて気持ちが。正直な話をすると、アルバムのレコーディングの時期に(気分が)明るくない時もあったんですよ。明るい感情を作るのが難しくて、一番ピークにやばかったのが「MY PLEASURE」の時でした。前日泣きすぎて顔パンパンでレコーディング行って。

honoka:エイリアンみたいな顔してた(笑)。

hibiki:そうそうそう! 歌詞的には暗い曲でもないけど、個人的には印象が強くなるだろうなっていう曲なんですよね。たぶん今後一生思い出すと思います。

honoka:悲しい歌じゃなくて良かったね。

moca:私が聴いた感じでは、hibikiのハッピーな部分が出てました。顔は死んでたけどね(笑)。

hibiki:“笑い話に変わる”っていう歌詞もあるんで。この歌に救われました。

ーーhonokaさんはどの曲を選びますか?

honoka:苦戦した曲は「You…」ですかね。初めてみんなで聴いた時は「絶対やりたい!」って思ったんですけど、元々もっとキーが高くて、自分が得意なキーでもないから、大丈夫かな、高すぎてどうしようと思って。でも最終的にキーも下げて。

友祐:3つ下げたね。

honoka:女子メインにするっていうのは分かってたけど、それぞれの良さが生かされてるし、パフォーマンスするのも楽しみだし、今までのメロウなバラードにはなかった雰囲気の曲で。Bメロが死ぬほど好きなんですよ。絶対歌いたいと思ってたら…歌えました。

hibiki:歌えたんや。

ーーそれは自然とhonokaさんのパートになったんですか?それとも歌いたいとか、希望されたんですか?

honoka:元々は違ったんですけど、何かの流れで変わって。よっしゃ来た!と思って(笑)。

友祐:声的にね。あとはバランスとか。そこの低さが出るメンバーがいなかった。

honoka:そうやっけ? でもたしかに、そのパートは自分も歌ってみて、他の人だったらどうなるかを想像できなかったから、どういう風になるんやろって「You…」は一番未知でした。

moca:あるよね、このパート歌いたいとか。

honoka:うん! 今回のアルバムの中で「You…」のそのパートだけがどうしても歌いたかったんですよね。

hibiki:そうなんや!

moca:良かったね!

ーーどうしても歌いたいパートがある時は、伝えたりするものですか?

honoka:アピールはしますけど、自分が歌いたくても絶対このメンバーが歌った方がいいっていうのが分かるからこそ、「絶対歌いたい!」とはならないんですけどね。

メンバーに助けられたアルバム制作

ーーこのアルバムで挑戦したことがあれば教えてください。

友祐:ラップのリリックを書きました。今まではラップはラッパーに任せたいから書かないっていう僕の意思があって、honokaに任せるということで話を進めてたんですけど。時間がなさすぎて、もうやっちゃおうと思って。

ーーどれくらいで書き上げたんですか?

友祐:2時間とか。

honoka:わりとすぐ書けたんやな。

直人:僕は「You…」のサビを「とりあえず原キーで歌って」って言われて、けっこう何回も一生懸命歌ったんですよ…まったく使われてなかった(笑)。

moca:全部女子だったもんね。

友祐:ハマったらいいかなと思ったけど、ハマらなかったんですよね。歌詞的にも厳しいですね、女子の歌詞なので。

honoka:でも今回はバタバタだったんですよ。特に「You…」は、レコーディングのための仮歌が前日まで出来上がってなくて。自分で歌いたいというのもあって自分で録っちゃおうと思って、初めて全部自分で歌ってデモを作るのを家でやって。めっちゃ楽しかったんですけど、キーが下がる前だったんで、自分的には挑戦でした。

ーーおうちでレコーディングできる環境があるんですか?

honoka:がっつりあるわけではなくて、シンプルな、最低限のものなんですけど。

hibiki:今回は今まで以上に、特に友祐とhonokaが動いてくれて、曲のバランスとかTDとか、ちゃんと聴いて「hibikiここ録り直そうか」とか言ってくれてたので、安心して委ねられたというのがあって。メンバーに頼れるっていいなって思いましたね。スタッフは変わっちゃってもメンバーは唯一変わってないというのもあるし、一番分かってくれてたりもするから。レコーディングでも、大丈夫かな?って思った時にhonokaがブースに入って「hibikiこうやってみて」ってやってくれると、素直に分かりやすいし。メンバーに頼らせてもらったなって感じたアルバム制作でしたね。

ーー2月には全国ツアーが行われますが、現在準備していることはありますか?

友祐:仮組みのセットリストくらいですかね。いい感じの構成になりそうです。一部と二部でセットリストがまったく違うものになるので、昔と今のlolという分け方をしようと思ってて。アルバムのテーマのライブと、デビュー曲からファンの間で人気だった楽曲たちを盛り込んだライブでやってみようかなと思っていて。最終的にどこに着地するかはまだ分からないですけど、そういう楽しみ方ができるかなと思います。

ーーまったく違う2公演が観られるわけですね。

友祐:両方とも参加する方も多いので。全曲昔の知らない曲だったら、新規の人も面白いだろうし(笑)。

ーーリハ2回分と考えるとかなりハードですよね。

直人:想像がつかない。

友祐:新曲振り入れより振り思い出しの方がヤバいよね。

honoka:振り思い出しも、もはや振り入れなんですよね。

hibiki:昔の自分をコピーしてる感じですね(笑)。コピーダンスみたいな。

ーー前作のアルバム『AMBER』からは1年3ヶ月ほどですが、この約1年で変化したことや、前作との違いはありますか?

友祐:前回と違う部分は、『AMBER』はこの曲やりたいっていう選考からすべて引っ張ってきたっていうスタイルから、自分たちの色で染め上げるっていう過程でやっていったんですけど、そこから学んで今回は選んでいるかなっていう感じです。「RAISE ME UP」はライブ、「チグハグLOVE」はストリーミングライクとか、どの場面で活躍するだろうなっていうのを明確に考えられたと思うし、「Life is」というリード曲もライブで映えるんじゃないかなと思うし、自分が作詞している曲はライブ重視の考え方で選んでるから。

hibiki:前回はメンバー全員が歌詞書こうとか、挑戦しようというのが先行してて、頼るというよりはそれぞれで新しいことやろうとか、作ろうとするのがメインになってたんです。でも今回はやりたいこととかやれることを、素直に頼りながら、それを素直に受け入れながらやったっていう違いがありますね。

honoka:うん。共同作業っていう感じだったよね。

hibiki:全員やることが偉いわけじゃないし、全員が同じことをやるのがいいわけでもないし、できないことはできないし、頼るとこは頼って。友祐もバランスを見て歌割り決めたり、TD確認して今日行ってくるわって言ってくれる人がいたりとか。メンバーに助けられたなっていうのが多かったですね。

ーー深い信頼関係があってこそ完成したアルバムなんですね。たくさん聴かせていただきます!

編集後記

lolの皆さんへの初インタビューでした。

lolが5作目にして行き着いた、人生という壮大なテーマと向き合ったアルバム『Life is』。

リスナーの何気ない日々に寄り添ってくれるlolの音楽と、どのように結びついていくのか。楽しみな気持ちで臨んだ今回の取材でした。

インタビューでは飾らない笑顔で、きっと日常の延長のような、等身大のままでいてくれた5人。

ひとたび集合カットの撮影に入ると、一気に場の空気が変わるのが分かりました。

人生は日々の積み重ねでできていて、5人の人生もここに結集しているのだと感じたのです。

これまでlolが寄り添ってくれていた日々も音楽も、きっと人生につながっていくのだと思った瞬間でした。

制作と真摯に向き合い、新たな扉を開いた意欲作。

ひとつとして同じものはない、多くの人生が彩られることを願って。

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!