【NOAインタビュー】アルバム『NO.A』で魅せるアップグレードした表現力

2023年2月22日に1stアルバム『NO.A』をリリースしたNOAさんにインタビューしました。アルバムや8LOOMについてなど、たくさん語ってくれています。


NOA × Culture Cruise

ーー今日はよろしくお願いします! Culture Cruiseは湘南から発信しているのですが、NOAさんは茅ヶ崎と鎌倉にお住まいだったとのことで、私も昔、東京から茅ヶ崎に引っ越したんです。

そうなんですね! 僕も東京から茅ヶ崎、鎌倉と住んでいましたね。最近行けてなくて。でも湘南は時間が空けば訪れてます。落ち着きますよね。

ーー海見るだけで落ち着きますよね。さっそくアルバムについて伺いたいのですが、タイトルは最初の段階で決まっていたのか、アルバム全体を見て決まったのか、どちらだったのでしょうか?

曲集めの途中段階で、集まった曲たちを見てると、自分の自己紹介をしている感じがあったので、自分の名前を紐付けたいなというのがありました。始まりを意味するような英語を調べていた時に思いついて。“A”はアルファベットの1つ目でもありますし、1という意味もあるので、ぴったりじゃないかなって。コンセプトがふわっとあって、そこにタイトルが付けられたという感じでした。

ーー時期でいうといつ頃から制作が始まりましたか?

2022年の頭くらいからアルバムを作る話があって、徐々に決まっていって。タイトルが9月くらいだったと思います。

ーーNOAさんの音楽はTikTokなどのパフォーマンスにもハマるかっこよさがあるのに、NOAさんという軸がとてもしっかりしているなと感じるんです。私自身もそこが心地よくていつも聴かせていただいています!

ありがとうございます!

ーーこのアルバムはまさにその象徴で、挑戦や実験、冒険などをされているのに全然ブレてなくて。YouTubeにUPされているドキュメンタリーでも「いろんな色があるというよりは、限られた色の中で全力で僕の色を出している」と語っていた言葉が印象的でした。

そうですね。アルバム作りに限らず、自分っぽさという軸はなきゃいけないなと思っています。トレンドも意識していますし、先陣を切りたいという思いはありますけど、絶対に自分の色をなくさないようにというのは思ってますね。ファンの方が好きって思ってくれた「何か」があると思うので、その何かを残しつつも、新しいテイストを入れていくということは日頃思っていることですね。

幻の曲をやっと収録できたアルバム

ーーリスナーがアルバムを聴く時のヒントになるような、思い入れのある曲を挙げるとすれば何ですか?

「Purple Sky」は思い入れが深い曲ですね。ずっとファンの方に向けて曲を書きたいと思っていて。2022年の3月に2年ぶりにリアルイベントをさせていただいて、そこで思ったことやコロナ禍の2年間も含め書いたことなので、聴くと初心に戻れたり。僕は直接ファンの方に向けて書いたんですけど、改めて聴いてみると友達や恋にも重ねられるし。いろんな方に共感を得てもらえる曲ではないかなと思ってますね。

ーー「Fireworks」は、過去のイベントなどでも披露されていましたよね。「あっ! あの曲だ」と思いました。

そうですそうです!

ーーやっと出せるという気持ちなのではないでしょうか?

まさにそうですね。最初に世に出したのは2019年で、デビュー前の自作としてYouTubeにUPして、イベントなどでも披露して、やるたびに尺が伸びていって。ファンの方も「果たしていつ出るのか? 出ないんじゃないか?」って思ってたと思います。

ーー幻なんじゃないかって。

幻すぎて(笑)。「なんで曲出ないんだ」って。僕も同じ気持ちで、でもタイミングが合わなくて。

ーーどこかで出そうという気持ちはずっとあったんですよね?

ありましたありました。それで本当に終盤の終盤で「やっぱり『Fireworks』入れたい」って。急遽入れることになったという感じです。トラックリストはまだ発表していないので、発表した時のファンの方の反応が楽しみです。

ーーやっときたー! ってなりますよね(笑)。

ーー「Just Feel It feat. Ayumu Imazu」でのソロアーティスト同士のコラボは、とても貴重だと感じました。Ayumuさんのボーカルやダンスなど、刺激を受けたところはありましたか?

Ayumuくんのカラーをすごく持っている方で、それを身近で感じられたのは大きかったですね。僕からこうして欲しいというオーダーはなく、ヴァースの部分をお渡ししたら、Ayumuくんのカラーに染めてくれて。

ーーダンスでの共演も新鮮ですよね。MVで観たくなるコラボ曲というか。

ありがとうございます。振りも一緒に作ったので、重なる時もあれば違う時もあって、刺激的でしたね。同世代の方で「こういう考え方できるんだ」とか、勉強させていただきました。

ーー「TAXI feat. tofubeats」ではアーティストとして、「Paradise (Prod. tofubeats)」ではプロデューサーとしてもコラボされているtofubeatsさんは、NOAさんから見てどんな方ですか?

とにかくめちゃくちゃ優しくてあったかい人ですね! 初期の頃なんかただのファンで、好きな人と話してるみたいな感覚で(笑)。機材貸してくださったりとか、何かあるとすぐに対応してくれたり、仕事とは関係のない相談にも乗ってくれたりだとか。一緒にいたら6時間とかあっという間に経って盛り上がっちゃう。

ーー楽曲制作上だけの距離感ではないところが素敵ですね。

8LOOMから影響を受けたこと

ーー8LOOMYの皆さんにもアルバムやこの記事がたくさん届いてくれたらいいなと思うのですが、ドラマ「君の花になる」と、8LOOMの活動を終えた現在の心境はどうですか?

未だにふわっとしてますね。プライベートでも会ってますし、メンバー同士の仲は変わらず。でも8LOOMの曲歌いたいと思った時に歌える場がないとか、そういう時に寂しさは感じますね。8LOOMとして見れる景色と、ソロアーティストのNOAとして見れる景色は違うので、もちろんどちらも素敵ですし、違ったよさがあるんですけど。7人でステージ立ちたいねというのはみんなと日頃から話してます。

ーーインスタライブでコラボしただけでも、毎回すごい反響ですよね。

ありがたいですね。自分たちが設けられる場はどんどん設けていきたいなと思います。そこは自由だし、変わらず同じ空間であってほしいという気持ちはありますね。

ーー8LOOMの活動以前と以降で変わったことや、NOAさんの音楽活動に影響を与えたことはありますか?

めちゃくちゃありますね。8LOOMを通して僕のことを知ってファンになってくださった方もたくさんいて、そういった方の反応はいろんな場で感じられます。外歩いてると気付いてくださる方も増えましたし、インスタライブの視聴者数だったりとか。でもそこに対しての実感はあまりなくて。ふわふわするよりも、何というか…

ーー地に足をつけるというか。

そうです。それが一番だと思うので、そこは守って。ただ皆さんからいただいた言葉だったり反応には常に励まされていますし、どんどん繋がっていきたいなと思っていますね。

ーー楽曲制作面においての変化はどうですか?

アルバムのレコーディングがドラマの撮影期間中や直後だったりしたので、表現力としてお芝居から身についたものがあるのか、歌う時に歌詞に思いが入りやすくなったというのは感じました。

ーーお芝居に挑戦したからこそ手にできたものですよね。

8LOOMの活動を経て自信もついたので、その自信が声の力にもなったりして。周りの方からも「変わったね」と言っていただけたりしましたね。

ーーそれは嬉しいですね。5月のライブは、ご自身ではどんなことを楽しみにしていますか?

全部楽しみですね! 初めてのワンマンなのでどんな風になるのかまったく予想がつかず、ステージから見える景色も違うと思うので。来てくださる方たちを楽しませたいという意味では、こういうことしたらみんな喜んでくれるんじゃないかなとか、ワクワクしながら考えている段階なので、それを一つずつ具体的にしていきたいです。

ーー年明けに、8LOOMの活動が終わって少しナーバスになってしまったことをSNSでも打ち明けていましたよね。あの日のインスタライブが印象に残っています。

1日で見た夢が今までのすべてだったんじゃないかというくらい、現実感がありすぎて打たれましたね。ドーンって。僕に限らずメンバーみんなそうでしたし。現実を受け止めたくない気持ちがありました。ただ年を越しただけなのに、12月31日までに起きたことがすごい前にも感じたりとか。悲しくもあり、その分楽しかったんだなという感じがしましたね。

ーー 一瞬に感じるほど努力をされて、駆け抜けてきたからこそなのだと思いました。

走りきったなという感じはありましたね。

ーーそういった活動を経て、2023年はどんな年にしていきたいですか?

2022年はNOAとしての活動もありながら、8LOOMとしてのカラーが強かったので、1年を振り返った時にNOAとしてのカラーで染まっていてほしいなと思いますね。そうなれるように思い出になる場を設けたり、曲を届けたりしたいですし、皆さんと繋がれる瞬間がいっぱいあればいいなと思っています。常にアップグレードした姿を見せていきたいですね。

インタビュー後記

トレンドとしなやかに融合しながらも、芯の強さと独自性を感じるNOAさんの音楽。

相反する二面性が結びつくあのサウンドのルーツはどこにあるのか、リスナーとして紐解けることを楽しみにしていた今回のインタビュー。

礼儀正しくて優しい雰囲気は、想像どおりでもあり、想像以上でもありました。

NOAさんの話題でも相手に合わせてくれるので、いつの間にかインタビュアーの話を聞いていただいているような空気にすらしてくれました。

丁寧なのにNOAさんらしい言葉遣いを持っていて、そんな言葉が飛び出す度に「今の表現は絶対に記事にしたい」とワクワクさせてくれる瞬間がたくさんありました。

自分の色をなくさない、地に足をつけた活動をする。

自分らしさを常に失わないNOAさんなら、ずっときれいな色を持ち続けるだろうと確信しました。

お会いした瞬間に、もう紐はほどけていたような気がします。

「どこかにある」と思っていたあの音楽のルーツは、まさにNOAさん自身なのだと感じました。

撮影:内田智之
ヘアメイク:深見真也
インタビュー・文:長谷川チエ


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■NOA 1st ALBUM『NO.A』

2023年2月22日(水)発売

<初回限定盤A>
CD+DVD+ステッカー2種+フォトカード(絵柄A:3種中ランダム1種)
TYCT-69258 ¥4,000(税抜)

<初回限定盤B>
CD+36Pブックレット+A3ポスター+フォトカード(絵柄B:3種中ランダム1種)
TYCT-69259 ¥4,000(税抜)
※トールサイズデジパック仕様

<通常盤>
CD+フォトカード(絵柄C:3種中ランダム1種)
TYCT-69260 ¥2,000(税抜)
※CD収録曲は各形態共通
※フォトカードは初回プレス分のみ

ご購入はこちら
NOA 公式サイト

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▼Ayumu Imazuさんアルバムレビュー

ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!