2025年1月15日にアルバム『D.X(デラックス)』をリリースしたDOBERMAN INFINITYが初登場! 10周年イヤーを迎えた5人にインタビューしました。
10年の歴史があるから作れたアルバム
−−10周年を迎えてリリースされるアルバムということで、今作にはどんな特徴があるでしょうか?
SWAY:今回は今までリリースした曲が集まってきて、そこに「Scream」「Take A Ticket」などが入って一つのアルバムになったという感じですね。“DOBER”のDと、10周年の“10”ということでXを合わせて『D.X』というタイトルにしました。
−−このタイトルはどなたが考えたんですか?
KUBO-C:これはSWAYの案ですね。すぐに決まりました。今しかつけられないよな。
SWAY:はい。10周年でリリースするアルバムでもあるので、記念というか。
GS:ドーベルの作品の中では、一番殻を破れたアルバムになったと思います。真面目にしっかりメッセージを届けるというのは今までと変わらないんですけど、本当に楽しんで音楽をやっている感じだったり、ボキャブラリーもあって。「100%」の“それな それな”っていう歌詞とか、「マンマミーア!」はSWAYがライブを意識してプロデュースしてくれたんですけど、MVもSWAYがプロデュースしてくれたんですよ。僕とCHOちゃんが強面の役者役で1日中刀持たされたりとか(笑)。今まで以上に肩の力を抜いて音楽を楽しみながら、自分たちをしっかり表現できたラインナップになったと思うので、10年目じゃないと作れないアルバムだったのかな。10年という歴史があるからこそ作れたアルバムだったんじゃないかと思いますね。
−−『D.X』で新たに試みたことはありますか?
KAZUKI:「The other story」の歌い出しのサビのところですかね。
SWAY:KAZUKIがメロディとか全部作ってくれて、KAZUKIから「ここ、SWAYさん担当お願いします」って振り分けられたんですけど、R&Bテイストの楽曲で、まさかのKAZUKIじゃなくて俺が歌い出しっていう。その時は言われるがままにやりましたけど、今思えば…迷惑だなって(笑)。
P-CHO:ライブどうするんだよって(笑)。
SWAY:アニメ(『ありふれた職業で世界最強 season3』)のタイアップの書き下ろしだったので、その時はたしかにライブのことを考えていなかったですね。ヘッドセットで出ようかな。
KUBO-C:わざわざ(笑)。踊らへんのかい。
−−KAZUKIさんはなぜSWAYさんに歌い出しをお願いしようと思ったんですか?
KAZUKI:最初は曲の構成も決まっていなかったんですよね。当初はイントロがあってバースだったんですけど、スタッフさんとも話していて「頭サビなのもよくないですか?」という話になって。
SWAY:アニメのエンディングというのもあったし。
KAZUKI:でも本サビのテンションを一番最初にやってしまうともったいないと思ったので、オクターブ下の低いサビにしようと。同じフレーズだし、バースの歌い出しが僕なので、歌う人が変わった方がいいかなと思いました。SWAYさんの声にも合いそうなメロディラインだったので。「夏化粧」とか“あのキミ”(「あの日のキミと今の僕に」)もそうですし、SWAYさんがメロディを担当することもあるので、まったく心配することもなかったですね。
−−「1st SONG」もアルバムに収まったことで、文字通りの“1st SONG感”がより出たように感じました。
GS:そうですね。しかも「Introduction」は「1st SONG」のアカペラなので、この流れもアルバムならではなんですよね。自分たちの「1st SONG」にかける思いが乗っていたり、よりドラマチックに聴いてもらえるように「Introduction」ができたので、これもアルバムじゃないとできなかったことですね。
P-CHO:ここは曲間にもこだわりがあって、絶妙なタイミングで「Introduction」から「1st SONG」に入るように作りました。
GS:『D.X』ならではのこだわりポイントですね。今までのドーベルのアルバムの概念だったら「1st SONG」を最初にしてなさそうだよね?「Take A Ticket」を最初にしていたかもしれないです。
−−今作でその概念が変わったのは、何か変化があったのでしょうか?
SWAY:同じことをするのがあまり好きじゃなくて、なにかひねりを加えようと思ったらこういう風になったのかな。あとはツアーでも「1st SONG」を最初に披露するのを実際にやっていたので、イメージとして出来上がっているというのもあったから自然にできました。「アンセム」もインパクトがあるので、置きどころは考えたかな。
KUBO-C:最後っぽいもんな。最初と最後だけ先に決まって、そこからきれいに組み立てていきました。
−−「マンマミーア!」はSWAYさんが制作されていますが、クレジットに載る名前がコライトではなく1人だけというのは珍しいですよね。
SWAY:そうですね。みんなで歌詞を書き直すのかなと思ってたんですけど、すんなりそのままいきました。デモでイメージしやすいかなと思って歌詞を書いて、持って行ったらそのまま通ったっていう。
KUBO-C:ええやん! って。
SWAY:全然、変えてくださいっていう気持ちだったんですけど。いいんだ? っていう印象でした(笑)。
GS:やっぱりイメージしている人が書いた歌詞には勝てないですよ。SWAYがトラックだけ作って僕らが歌詞を書いていたら、ここまでの作品が作れていたかどうかは分からないなと思います。MVも含めて、「マンマミーア!」はSWAYだから作れた1曲だったのかなと思います。全体的にも、アルバムとしてパッケージになった時に改めて並んだ姿を見ると、DOBERMAN INFINITYらしいアルバムになったと思います。
音楽人生で忘れられないワンシーン
−−現在は『DOBERMAN INFINITY 10th ANNIVERSARY ThanX “D6感謝祭”』が開催中ですね。
KUBO-C:今回は感謝祭なので、このアルバムをひっさげてという感じではなく今までの楽曲が基本です。自分たちの感謝の思いを皆さんのところに届けに行くというのがメインなので、極力皆さんの所に行って、ライブハウスで近い距離でライブをしたいです。今までの曲で皆さんに喜んでいただけるような構成で作っていますね。感謝祭ならではの企画も行なっています。
P-CHO:音楽をやっているドーベルとはまた違った一面を見れるんじゃないかという企画ですね。2025年は『D.X』をひっさげて、ホールツアーも回る予定です。
−−楽しみですね! ここからは少し過去を遡っていただきたいのですが、2024年はKAZUKIさんの初のソロツアーがありましたよね。
KAZUKI:そうですね。2024年のドーベルとしては、自分が最初にライブをさせていただきました。すべてが未知の状態で、Zeppで4公演やらせていただいて、いい経験になりましたね。またやりたいです。ドーベルで10年やってきたからできたことだったと思っています。
−−メンバーの皆さんはライブご覧になりましたか?
KUBO-C:はい、みんな行きました! ファンとしてはやっぱり観ておかないと(笑)。
GS:KAZUKIのライブが10周年イヤーのキックオフという意気込みだったので、そこから『ThanX “THE REVIVAL”』ツアーの流れ、『D.Island 2024』、『ThanX “D6感謝祭”』といいバトンを繋げて来られたと思います。これで区切りではなく、2025年にはアルバムをひっさげたツアーもやろうと思っていますし、10周年イヤーに向けて立てた自分たちの目標やこんな1年にしたいという活動が、また2025年、2026年と続いて行くんだろうなと思います。コロナで若干消極的になっていた部分や忘れていた気持ちがあったんですけど、今は自分たちも全力で走っていけるなという気持ちでいるので、良い2024年になったんじゃないかと思います。
−−この10年を振り返った時に、思い浮かぶのはどんな場面ですか?
SWAY:ツアーをやっていたら台風で1回だめになったこととか。そういう天候との勝負はありますね。
KUBO-C:うん、大阪ね。
GS:大変だったのはメキシコに行った時ですね。もちろん国としてはまた行きたいですけどね。
P-CHO:たしかに10年で出てくるな、あれは。撮影日程が大変だったんです。夜中に出発して5時間くらいかけて朝方から長時間撮影して、また5時間かけて戻って2, 3時間休んだらまた次の場所に移動して。
KUBO-C:車移動なんですけど、道がガタガタなんですよ。だから寝ることもできなくて。それでKAZUKIはお菓子食べてマネージャーに怒られて(笑)。
KAZUKI:みんな心に余裕がなかったんですよね。普通にクッキー食べててちょっと落としちゃったんですよ。そしたら「だからもう食うのやめとけって」って怒られて。
KUBO-C:だってそんなこと言う人ちゃうやん。みんな疲れとったんよな。
KAZUKI:「なんで? なんであかんの?」「いいからクッキーやめとけ」って(笑)。
KUBO-C:どこで怒っとんねん(笑)。
SWAY:あとは沖縄で写真集の撮影。
P-CHO:楽しかったなー。
KUBO-C:基本楽しいことの方が多いかな。
SWAY:そうですね。
GS:コロナ禍は辛かったですけどね、10年の歴史の中でも。それまで忙しかったので、最初は「休みや!」っていう感覚がありながらもどんどん不安が募ってきて、音楽をやりたい欲が出てきて。個人的にはコロナにかかって新潟公演が中止になってしまって迷惑かけたりもしたから、大きな出来事だったなと思います。でも後ろを振り向かず前を向くという意味では、あの期間があったからこそ生まれてきているものたちもあると思うので、ポジティブに捉えてはいますけど。10年を振り返ると、ネガティブなこともあったかもしれないですね。いいことばかりではなかったです。
−−コロナ禍ではどう過ごされていましたか?
GS:リモートで曲を作っていました。1日5時間とか、リモートでみんなと繋げながら作詞してました。
P-CHO:月〜金は必ずやろうって決めてたよね。できるだけ会わなくてもいいように、リモートでたたきを作って、ある程度の形ができたらスタジオ入って。
SWAY:あとはアリーナのライブじゃないですか?
KAZUKI:武道館とアリーナは忘れられない。
GS:でもそういう意味では毎年あったで。2014年にデビューして、できると思っていなかったZeppツアーからスタートして、ホールツアーができるようになってアリーナもやって。
KAZUKI:幕張もやったしね。
GS:そしたらコロナが来て。声を出せないライブをやる中で、どうやって体を動かすかを考えて、何とかするぞってそういう曲を作って。その時その時で、ずっとありますね。何とか乗りこなしてきたという感じです。乗り越えられてるのか? っていうところもありますけど(笑)。
P-CHO:アリーナ公演は、人生においても忘れられないですね。武道館やります! っていう時にHIROさんが「いやいやアリーナツアーでしょ!」と言ってくださって、自分たちはそんなこと頭にもなかったんですけど、一気に感覚が広がって。DOBERMAN INFINITYというグループ名の通り、自分たちの中でも可能性が広がりました。その日からアリーナツアーを目指そうということになって、簡単ではなかったからこそ忘れられないですね。武道館というステージもすぐには行けませんでしたし、武道館でライブができた日もめちゃくちゃ嬉しかったですし、それを経ていよいよアリーナツアーという時に、関わってくださっていた方々も一緒に、チームとして挑戦しようと皆さんが言ってくださったあの感じが震えますし、それをできたこと、そこに集まってくれたみんながいたあの景色が、音楽人生の中でも忘れられないワンシーンですね。
GS:自分たちで夢を語って、それを形に、実際に叶える経験ができたので、やっぱりもう1回という思いがあります。「Take A Ticket」の“信じる者だけ 迎える出会える夜明け その光が一瞬だとしても”という歌詞も、そういう経験ができたからこそ生まれた歌詞でもあったし、この一行に僕たちのまだ大きなものに挑戦しようという決意表明や意志も感じていただけると思います。しっかり夢を持って突き進めば、必ず掴み取れるはずと信じている僕たちの熱意も入っています。そういう意味でも聴いてもらいたいなと思えるアルバムです。
−−そんなアルバムリリースから始まった2025年ですが、どのように活動していきますか?
SWAY:6月まではアニバーサリーイヤーなので、10周年を噛み締めながら、未来の自分たちを提示できたらいいですね。
P-CHO:10周年イヤーを締めくくる何かができたらいいよね! まだ未知なんですけど、なにか企めたらいいですね。
SWAY:ホールツアーもありますしね。コロナ前みたいに、今後また武道館とかアリーナの景色を見たいです。
−−ファンの皆さんのコメントなどでもよく見かけますよね。
P-CHO:そうなんですよね、それが本当に嬉しいんです。自分たちの目標、夢でもあったけど、僕らを応援してくれているD6の皆さんと一緒に掲げた目標で、一緒に見た夢という感覚もあったので、一緒に行けたというのが大きかったですね。だからもう1回、ドーベルを応援してくれている皆さんと、またでかい夢を一緒に叶えられたらなと思います!
インタビュー・文:長谷川 チエ