BALLISTIK BOYZ「ラストダンスに BYE BYE」リリースインタビュー(前編)

BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの5thシングル「ラストダンスに BYE BYE」リリースインタビュー。前編・後編の2回に渡って特集します。後編はこちら


BALLISTIK BOYZ × Culture Cruise

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今回は5/25リリースのシングル「ラストダンスに BYE BYE」についてお話を伺いました。

前編は深堀未来さん、奥田力也さん、砂田将宏さんの登場です。

ーー「ラストダンスに BYE BYE」のデモを聴いた時と出来上がった時の印象を教えてください。

奥田:デモを聴いた時ももちろん好きだったのですが、レコーディングをして完成した後に改めて聴いたり、MVを観てみると「すごいいいな、めっちゃ好きだな」という、曲に対しての感情がさらに増しました。

ーー特にどんなところが好きだと思いましたか

奥田:どんな方が聴いても1回で覚えていただけるようなキャッチーな曲調にもなってますし、歌詞の内容的にはハッピーではないですけど恋愛についての歌で、歌っている僕たちだけではなく、聴いてくださる皆さんにも共感していただける楽曲になっていると思います。

砂田:デモの時はどんな歌詞になるか分からなかったので、トップラインとかビート感とかを聴いたんですけど、かっこいい曲だなと思いました。自分でもジムでトレーニングしながら聴くくらい好きだったんですけど、そこにあの切なくて悲しくなるエモいリリックが付くというのは衝撃的でした。この歌詞が付いてから尚更曲がよく思えたというか、キャッチーなメロディが意味を持ってさらによくなったと思いました。

ーー打ち込みで爽やかな曲調と、切なくて重みのある歌詞という対比が魅力ですよね。深堀さんはどうですか?

深堀:JAY’EDさん(作詞・ディレクションを担当)が歌っている日本語のデモを聴いて、個人的には今までの僕たちの楽曲の中で一番好きだったので、普段から移動中とかも普通に流して聴いていました。レコーディングも頭や体に入っていたのでやりやすかったですし、僕たちの声が入ってダンスの振りが付いて、完成に向けてどんどん好きになっていきました。

ーー歌う皆さんが好きと言えるのって素敵なことですね。

深堀:ありがとうございます。

BALLISTIK BOYZの個性

ーー毎回思うのですが、今回もスキルアップしているなと感じて…すみません! 上から言っているみたいで。

3人:いえいえ!

ーーやはりBALLISTIK BOYZさんはまとまりがある中で個性が引き立っているところが魅力だと思うのですが、他のメンバーの歌を聴いて、いいと思ったところとかありましたか?

砂田:今回は久々に力也が歌っぽくフレーズをやっていたので、「この声質懐かしいな」と思いました。「WAVIN’」(カップリング)の「Singin’ La La La」のところとか。ラップの時とは違った歌い方で。

ーーそこすごくいいですよね!いい声だなぁと思いながら何回も聴きました。

深堀:「この景色忘れない ずっと」の“ずっと” なんて言っている力也は久々でした。

奥田:いやいやいや。

砂田:それくらい言うやろ。

奥田: でもそこが難しかったんです(笑)。デモが歌だったので、「これをラップっぽくやってほしい」と言われて、挑戦していくのですがなかなかしっくり来なくて。特にメロディの強さよりもささやく感じをイメージしてと言われて、ブレスの位置とかも細かく調整して想像とまったく違う仕上がりになったんですけど、いい意味で新しさを生み出せた感じがありました。

ーートロピカルハウス調の曲って、フック以外のヴァースのビルドアップとかも重要だと思うので、奥田さんのボーカルがすごく生きてますよね。

深堀:うんうん。

ーー深堀さんはライブでも丁寧に歌われているイメージがあって、メインでもコーラスでも、どんなパートも一貫してるなぁと思って聴かせていただいてました。もちろんダンスも。

奥田:よくぞ。

砂田:お気付きで。

ーー聴き手を主人公にさせてくれるボーカルだと思ってます。主人公感あるなって。

深堀:主人公感ですか。そうですねまぁ、キャストのみんなが頑張ってくれたんで(奥田さん、砂田さんを見る)。

砂田:誰がキャストやねん。

ーーどういう気持ちで歌っているんですか?

深堀:切ない気持ちを感情に込めて歌いました。例えば「忘れてしまえ もういいんじゃない?」のところはまっさん(砂田さん)と僕で歌っていて、普段だったら合わせるんですけど、今回はそれぞれが言いたいセリフを心の中でささやいているような、それぞれの捉え方を大事にしたので、言葉の長さとかも違うものになってます。

ーーそうだったんですね。でもこの曲、イントロの一音目が「In My Eyes」とまったく同じ音なんですよね。シンセですし。たぶんソ♭かな。

砂田:えぇーそうなんですね。気付いちゃいました?

奥田:バレちゃいました(笑)?

砂田:絶対音感あるんですか?

ーー相対音感なんですけど、再生した瞬間に「一緒だ」ってなりました。歌い出しが砂田さんなのも同じで、どちらも深みがあって本当に素敵で。でも雰囲気は全然違うので、どんな感じで歌入れしたのかなと思いました。

砂田:そうですね、歌い出しは最初が大事だなと思うので、歌い方だけでなく、声質の変化とかで掴めるように意識しています。

深堀:その次がもっと大事になってくるんで、僕がこう…。

砂田:全部持ってこうとするやん。

奥田:(笑)

ーーでも冒頭のおふたりのボーカルが、とてもきれいに繋がっているなと思いました。

砂田:ありがとうございます。

「ラストダンスに BYE BYE」MVについて

ーーMVやパフォーマンスについてはどんな仕上がりになっていますか?

深堀:ダンスが加わってまた新しいBALLISTIK BOYZの表現になっています。

砂田:今回はダンスを見せたいというのも一つあってこの楽曲ができたところもあるので、踊れるところを改めて見せたいということで、ダンスシーンをしっかり撮っています。一人一人のリップシーンはエモい感じで撮ってます。下向いちゃってたりとか。

深堀:切なさ全開です。

ーー視覚的な情報が入るとまた立体的になりそうな曲ですよね。BALLISTIK BOYZさんはダンスも曲によって全然違うので、曲ごとに気持ちがリセットできていつも新鮮な気持ちで観られます。

奥田:ありがとうございます。聴いているだけでもエモく感じる曲ですが、ダンスがプラスされたMVを観るとさらに良さが感じられると思います。

砂田:MVの映像ありきで聴くと、より映えるような曲になってますね。

ーーキャッチーな曲ほど、しっかり踊ってダンスで新しさを出すのは難しそうですよね。注目してみます! 今日はありがとうございました。

インタビュー後記

今回のインタビューは3:4に分かれていただいたのですが、前編はNY留学組の3人でした。

3人の仲の良い雰囲気に、部外者をちゃんと混ぜてくれて、記事には載っていないところでも質問してくれたり、ウェルカムな空気を作ってくれました。

砂田さんは思っていた通り、というかそれ以上に、取材に協力的に動いてくださって、何度お礼を言っても言い尽くせないくらいありがたかったです。ご自身も楽しむように取材を受けてくれて、グループを多方面から支えている方だなと思いました。こんなに裏表のない優しい方が世の中に存在したことを、この日確認できました。

奥田さんはフレンドリーに声をかけてくれたり、自分からコミュニケーションを取ってくれて、どんな相手にも垣根なく接することのできる方なのだなと思いました。ふざけた時の短い一言が面白いのと、真面目な時のしっかりした言葉遣いのギャップが魅力でありながら、ずっとグルーヴを身に纏ったような心地よさを与えてくれました。

以前のレビューで「たった数秒の1フレーズでも輝かせることができるのがBBZの魅力」だと書いたのは深堀さんのボーカルがきっかけでした。“聴き手を主人公にするボーカル”と盛大に褒めたつもりでも、常に機転を利かせて発言してくれる賢い深堀さんの手にかかれば秒で交わされるのですが、いつも丁寧なパフォーマンスから気付かされることがたくさんあります。

「ラストダンスに BYE BYE」は、豊潤に響く砂田さんのボーカルで始まり、ラストの深堀さんの美しいファルセットが結末を教えてくれるような曲で、そこに向かって7人の声が物語をつないでいきます。

清爽でポップな曲調ともどかしいストーリーのアンバランスな魅力が、歌いつなぐBALLISTIK BOYZの魅力と出会い、美しく交錯する楽曲だと感じました。

インタビュー・文 / 長谷川チエ

後編はこちら

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!