6月18日にオリジナル3rd EP『PSYCHIC FILE Ⅲ』をリリースするPSYCHIC FEVERにインタビューしました。前編・後編にわたってお届けします。前編ではU.S.ツアーの感想やレーベル移籍のお話を伺いました。
すべてに学びがあったU.S.ツアー
──前回のインタビューは『PSYCHIC FEVER FIRST U.S. TOUR 2025』の直前だったのですが、改めてU.S.ツアーについて、振り返っていただけますか?
中西椋雅(以下、中西):まずは無事に終えることができて良かったのと、音楽面でもパフォーマンス面でも、現地に行ってみないと分からないことはたくさんあるなと感じました。僕たちの楽曲を聴いていただけているというのは、SNSとかコメントで何となく分かってはいたものの、いざ行ってみると「こんなに一緒に歌ってくれるんだ」って。しかも日本語なのに、国境も言語の壁も越えて、現地の方が歌ってくださる姿を見て素直に嬉しかったです。それをリアルに肌で体験することができましたし、だからこそそこで感じたものを、次のツアーではこういうことがしたいねとか、こういうものがあったら距離が縮められるかなということで、ファンミーティングツアーもやってみたりとか。そこで得たものもあれば改善点もあったので、実際に行ってみて良かったなと思います。
──現地に行ってみないと分からないことって、具体的にはどんなことがありましたか?
中西:例えば音のこだわりだったりとか。日本のツアーに比べてU.S.ツアーはステージセットを建てずに、ステージとマイクだけの平場の状態だったので、何かで差をつけようとか、楽しんでもらおうという時に「音」ってすごく大事だなと思ったので。僕たちの楽曲をそのままやるよりも、ジョン(フォシット)さんに入ってもらって良かったなと思いました。改めて音と向き合う時間も長かったので、音に対してのこだわりも、アーティストとしてももっとしっかり確立できるようにしたいと思える時間になりましたよね。

半田龍臣(以下、半田):アジアツアーを経験させていただいてからU.S.ツアーに臨めて、いい意味で感覚的には変わらずに、いつも通りにできました。お客さんの反応も国によって違って、アメリカだとダンスの部分で盛り上がることが多かったり、ボーカルチームの歌い上げるところで沸いたりもありました。ここまで積み重ねてきたダンス力やボーカル力がようやく…(渡邉)廉くんのビートボックスもそうですけど、今まで頑張ってきたことでお客さんが沸いてくれるのって嬉しいなと感じましたし、アメリカだからこそリアルな反応を見れた気がします。日本だと声を出すのも少し控えたりすることがあると思うんですけど、声を出しちゃうくらい、僕たちのダンスやボーカルやビートボックスで今度のツアーも盛り上げられたらいいなと思いました。

──映像を観させていただいて、MCもほとんど英語で話されていましたが、サプライズゲストで出演されたJP THE WAVYさんとのMCなど日本語に対してはお客さんの反応が少し違ったので、本当に現地の方々が観に来ていたんだなと思いました。現地の方々に届いているという実感はありましたか?
剣:まさにそうですね。9割以上が現地の方々だったと感じて、それがすごく嬉しかったんです。6都市を回って、都市ごとに僕たちに興味を持ってくださっている方が多かったので、生のパフォーマンスを見ていただけたことが嬉しかったですし、各都市のノリ方だったり聴き方も違うので、6公演すべてに学びがありました。ツアーなので繋げる部分もあるんですけど、毎回気持ちを入れ替えて、それくらい新鮮な気持ちで取り組めました。マネージャーさんとか周りでサポートしてくださる方と、現地の方とがタッグを組んでライブを開催したので、ずっと一緒に回ってくれるPSYCHICチームの方もいれば、現地の会場スタッフの方も毎回みんなで努力して。照明さんに動いてる姿を見せて、こうだよああだよと説明したりとか、リハーサルの時間も丁寧に取って。コミュニケーションがすべてだったなと思います。マネージャーさんもマネージャーの域を超えて、音のチェックとか走り回ったりして(笑)、ありがたいなと思いました。
渡邉廉(以下、渡邉): 毎公演いろんなアレンジを加えて挑戦しようと心がけていたので、アメリカで挑戦することができて自分の経験にもなりましたし、ビートボックスも初めてアメリカの皆さんに披露したので、僕のビートボックスで少しでも盛り上がってくれたらなという気持ちでパフォーマンスさせていただきました…良かったです。
小波津志(以下、小波津):良かったね!
渡邉:もっと極めてもっとビートボックスでの表現の幅を広げていきたいなと思います。

──ビートボックスの場合は、どのようにして表現の幅を広げていくんですか?
渡邉:まだできない技がいっぱいあるんですよ。掘れば掘るほど奥が深いので、技を磨いたり(磨く手振りをする龍臣さん)、なんか磨いてくれてますけど(笑)、もっと追求しながら上手くなっていけたらなと思います。
──ライブアレンジを手がけてくれたジョンさんとの制作はいかがでしたか?
WEESA:今までの曲をジョンさんにアレンジしていただいて、リハーサルで初めてジョンさんのアレンジを聴いて、かっこよすぎてびっくりした時の興奮を今でも覚えています。ステージ上でも気持ちが高まって、それを受けてお客さんもより楽しんでくれているのかなと感じました。反省点も多くありますが、毎回成長できた部分もたくさんあったと思います。

JIMMY:いつも僕と椋雅くんでライブの音楽を制作するんですけど、自分たちがずっとやりたかったことをちゃんと表現できたというか。これまで単独ライブは日本とタイでしかやったことがなかったので、日本でのスタイルでやろうとしていたところに、ジョンのアドバイスで「アメリカの方にはアメリカで魅せる用のセットリストを作らなきゃいけないよ」「ただ盛り上げて終わらせるだけではなくて、何を伝えたいのか、このライブのこの曲で何を持って帰ってほしいのかをもっと重要視した方がいいよ」と教えていただいて。改めてライブの作り方や、アーティストとして歌を届けるということを重視しました。なぜ今回ボーカルソロのアドリブパートを作ったり、「Paradise」の前に志の時間を作ったかというと、ストーリーテリングをしてから、次の曲はこういう曲だからこういう衣装でパフォーマンスをしますというのを丁寧に伝えようと思って作らせてもらったんです。ジョンの一つ一つの言葉が今回の編曲やアレンジに響いているというか、とても意味のあるものになったので、改めて学びになりました。

──志さんのソロパートはストーリーテリングの役割も果たしていたんですね。
小波津:そうですね。「Paradise」とか「Best For You」のアカペラも。あれは毎公演変えてて、同じものがないようにやっていたんですけど、その公演でしか観られないアレンジがあるというのをやりたくていろいろと挑戦させていただきました。アジアツアーの『HEAT』を終えてからU.S.ツアーの時の自分たちの変化というものがすごく大きくて、ジョンさんが入ってくれたことも大きいんですけど、僕たちの新たな表現方法を見つけたというか。そこをどんどんブラッシュアップしていけば、自分たちらしいライブ作品にできるんじゃないかと確信づけることができたツアーでした。移動して本番、また移動して本番というスケジュールで、いろんなことがあったんですけど、楽しくてあっという間の1週間でした。

──志さんは4月に「THEオファー」(TBS)の企画で、EXILE ATSUSHIさんともステージに立たれていましたよね。U.S.ツアーの後、ATSUSHIさんとのステージを経験して、志さんの中でボーカリストとしての変化はありましたか?
小波津:マイク1本だけで今は堂々としていられるようになったというか、ATSUSHIさんと一緒に歌わせていただいた経験は、確実にターニングポイントになりました。普段はどちらかというと踊りもするから両方合わせて表現ができるんですけど、それができない状態で、声だけで伝えるということがこんなにも難しいんだと思いました。いろんな緊張ももちろんあったんですけど、一緒に歌えたことで、自分の中での及第点とすることはできたのかなと思います。先週もアメリカに行ってボーカルレッスンも組んでいただいて、自分の中でのボーカリストというものが、また一歩進み始めている気がしているので、新しいステージに上がれるように、今は自分の限界を突破して頑張ろうというマインドです。楽曲の想いをストレートに伝えられる人になれるように、頑張りたいと思っています。
半田:(拍手)
小波津:ご静聴ありがとうございます(笑)!
グローバルマーケットへの進出
──そしてU.S.ツアーが終わるくらいのタイミングで、ワーナーミュージック・グループとのグローバル契約も発表されましたね。
中西:「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」がきっかけで、U.S.ツアーもそうですし、グローバル契約に進むことができたのでやっとここからさらに広がるんだろうなという期待と楽しみと、同時にプレッシャーも感じます。今までできなかったコラボとか、やったことがなかった楽曲にも挑戦するきっかけになると思うので、皆さんの力をお借りしてさらにグローバルマーケットに進出していけるように頑張っていきたいと思っています。
──リスナーからすると、グローバル契約と言っても今までと何が変わるのかが分かりにくかったりしますよね。
中西:確かにそうですよね。マネジメントは変わらないので急に日本からいなくなるわけではないんですけれども(笑)、僕たちの音楽に関わってくださる方々では、海外の作家さんや違うプロデューサーさんが入ってくれたりとか、今までと違う方とコラボしたりとか。音楽面での変化はあるとは思うんですけど、僕たちの方向性が変わることはないので、いい意味で楽しみにしていてほしいなと思います。
──グローバル契約によって、どんなことが実現可能になってどんな可能性が広がるでしょうか?
剣:PSYCHICの音楽に新たな要素、いろんなことに挑戦できる機会が増えると思います。新たな出会いがあるかもしれないですし、枠を超えたコラボにも期待して、どんな風に変われるか楽しみに待っていてほしいです。

JIMMY:海外でのチャンスはさらに広がると思いますし、ワーナーさんがいるからこそ、自分たちが挑戦できるステージ、幅も広がると思うので、たくさんの人に聴いてもらえるチャンスがあると思います。ガラッと変わることはなくて、これから新しいことに挑戦する時にサポートしてくれるファミリーのような関係になっていくと思うので、温かい目で応援していただければと思います。
──そして移籍第1弾として今回の3rd EP『PSYCHIC FILE Ⅲ』がリリースされますが、いろいろなトピックがあった中で、いつ頃制作されたのでしょうか?
続きは後編へ。
後編では、3rd EP『PSYCHIC FILE Ⅲ』の制作や、6月から始まるツアーについて伺いました。
後編は近日公開です。
撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ
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PSYCHIC FEVER オリジナル3rd EP
「PSYCHIC FILE III」

2025年6月18日(水)発売
▼ストリーミング&ダウンロード
https://psychicfever.lnk.to/PSYCHICFILE3
▼PKG予約リンク
https://psychicfever.lnk.to/PSYCHICFILEIII
『PSYCHIC FEVER LIVE TOUR 2025 “EVOLVE” in JAPAN』
■公演日程
【宮城公演】
日程:2025年6月 7日(土)
会場:SENDAI GIGS 開場:15:00 /開演:16:00
【愛知公演】
日程:2025年6月12日(木)
会場:Zepp Nagoya 開場:17:30 /開演:18:30
【東京公演】
日程:2025年6月19日(木)
会場:Zepp DiverCity (TOKYO) 開場:17:30 /開演:18:30
【福岡公演】
日程:2025年6月27日(金)
会場:Zepp Fukuoka 開場:17:30 /開演:18:30
【大阪公演】
日程:2025年6月29日(日)
会場:Zepp Osaka Bayside 開場:16:00 /開演:17:00