【3年目のPSYCHIC FEVERを愛してもらうために】「Perfect feat. JIMMY & WEESA」リリースインタビュー

2024年6月28日に「Perfect feat. JIMMY & WEESA」を配信リリースしたPSYCHIC FEVER。今回は制作したJIMMYさんとWEESAさんを取材しました。JIMMYさんは初登場、WEESAさんは2回目の登場です。

グループとしての形ができてきた

ーー今回リリースするのはどういった楽曲でしょうか?

JIMMY:今回は2人での初めての楽曲です。自分たちも歌詞の制作に参加させていただいているので、等身大の表現や言葉選びになっていて、一人ひとりのバースが長いので、より情景描写を楽しめるかなと思います。一度離れてしまった大切な人を追いかけるような失恋ソングになっています。

ーーグループにとっては、どんな曲になっていくと思われますか?

WEESA:これまで2人とか3人で歌っている曲も出してきたんですけど、そういう曲があるからこそ、PSYCHIC FEVERのいろんな見せ方ができると感じていて、この楽曲も、ライブでの色をつけられると思います。海外でも活躍していきたいので、いろんな所でPSYCHIC FEVERの名前をもっともっと広めるために、知っていただくためにという思いもある中で、今回英語のリリックも多いので、海外の方々にも聴いていただけるとグループの名前も広がっていくのかなと思っています。

ーー他のメンバーからの感想はありましたか?

WEESA:みんなで集まった時に聴いてもらって、一番感触良さそうにしてたのが廉くんだった気がします。「めっちゃいいやん!」って。嬉しいですよね。あと志くんが毎日楽屋で僕の真似をして、フックの一番最初のところ歌ってきます。最近はもうなんか、無視してます(笑)。

ーーそれでも歌ってくるんですね(笑)。楽曲制作は、以前から取り組んでいらっしゃいましたよね?

JIMMY:そうですね。特に僕とWEESAは曲を作るのが好きだったので、数年前からタイや日本で、リリースとか関係なくデモを作っていて、スタッフさんの反応を見てブラッシュアップして、という作業をずっとやっていました。

ーーそしてこの楽曲を今リリースするに至ったのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?

JIMMY:「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」のタイミングだったり、グループとして少しずつ形ができてきたところで、今回提案をいただいて。2〜3ヶ月前くらいですかね。個人のスキルアップや、自分たちのいいところをもっと1曲の中で表現するためには、2人で曲作ってパートごとに歌ったりラップしたりということだったので、こういう楽曲を作ってみようかというのが始まりですね。

WEESA:ゴリゴリのHIPHOPとか超R&Bとか、ずっといろいろ作っていました。

JIMMY:スタッフさんと話して、今回はこのスタイルでいこうという形は決まっていて。ライティングに参加してくださった方も「Hotline」とか、デビューの頃から制作に関わってくださっている方だったので、ライティングセッションは1〜2回でスムーズにできました。制作時間は短かったですけど、その分濃いものになったなという感じです。

ーー“このスタイルでいこう”と決めていたのは、具体的にどういったスタイルですか?

JIMMY:WEESAの声がR&Bに適していて、ブレッシーで息混じりのセクシーな声がストロングポイントだと感じていたので、絶対にWEESAのサビから始まって、WEESAがここを歌った方がいいと感じていたんですよね。WEESAの声のよさと、僕の畳みかけるラップを、この形が一番魅せられると思ったのでこの楽曲になりました。

WEESA:歌いやすいキーレンジでもありますし、曲調も普段から聴いているようなものだったので楽しかったです。メロディラインも、聴いてくださる方々が口ずさみたくなるようなものになっているんじゃないかなと思います。早くリスナーの皆さんの反応が見たいですし、気になりますね。

ーーWEESAさんのボーカルは「Hotline」に近い感じがしました。ちょうどいいところの成分が出ていると言いますか。

JIMMY:そうですよね。PSYCHICだったら志とのバランスもありますし、全体のレンジもありますけど、今回は僕らのキーに合わせられたので。ビートだけの時点ではもうちょっと高かったんですけど、3音くらい下げて、一番歌いやすいキーと一番よさが出るところで作ったので、それがハマったんじゃないかなと思います。

ーーリリックはセッションで作られたんですね。

JIMMY:そうなんです。nvmbrrさんにトップラインの形を作ってもらって、自分たちがそれに合う言葉を並べていきました。4人で一緒にスタジオに入って、できた人から「これどうですか?」「それいいね、録っちゃおう」ってそのまま録って。

WEESA:5〜6時間くらいスタジオに入ってましたね。

ーーじゃあバースとかフックとか担当が分かれているのではなくて、混ざっているんですね?

JIMMY:混ざってますね。WEESAのパートを僕が書いたところもありますし、僕のパートにWEESAがアイディアを入れてくれたところもあります。お互いのよさが分かってるからこそ「これWEESAが歌ったら絶対かっこいいでしょ」「それなー!」みたいな(笑)。どんどんテンション上がってできていきましたね。

ーーこだわった部分はありますか?

JIMMY:自分がよく使う言い回しをなるべく使うということを意識しました。“I-L-O-V-E-Y-O-U-S-O-B-A-D”は「一文字ずつにしたいね」っていう話だったのと、なおかつ“Thatʼs on you”で終わろうということだったので、最後の「So bad」は僕が好きな言葉にしました。“I can die for you”とかも直接的すぎるんですけど、恋愛ってそれくらい、自分の感情を持っていかれるじゃないですか?「あなたのために死んでもいいくらい」っていう、みんなが分かる表現を取り入れさせてもらいました。

やっと自分たちの曲を披露できた

ーーツアーでは今作を披露された公演もありましたよね。

JIMMY:自分たちで曲を作ってはいたんですけど、単独ライブで初解禁というのは思い入れもあり、その分責任も感じました。自分にとって大切な曲になりましたし、新しいトライすぎて、皆さんの反応次第でどんどん可能性が生まれていく楽曲になると思うので楽しみです。

WEESA:やっと自分たちの曲を披露できたというのもあって、鳥肌が立ちました。お披露目は東京公演からだったのですが、ずっとやりたかったので、やっと自分の言葉でステージに立てたと思いました。もちろん今までも僕たちの気持ちを代弁してリリックを書いてくださっていたので、僕たちの言葉なんですけど、自分で一から書いているというのを考えると感慨深かったです。

JIMMY:ライブ映えする曲って、これくらいのBPMでキャッチーなフレーズでっていうのがあると思うんですけど、PSYCHICのよさって普段から聴けてライブでも盛り上がれるところだと思うんです。ひたすらいい曲を作りたいと思ってPSYCHICは作っているので、あえてそこからはみ出さず、“PSYCHIC FEVERのWEESAとJIMMYの声質”をよりたっぷり楽しめる楽曲にしたいなと思って、自分たちのイメージを拡張して伝えられるようにしたので。ライブで盛り上がってほしいというよりは、ただ好きでいっぱい聴いてほしいというイメージで作りました。

ーービートの候補は他にもあったんですか?

JIMMY:作曲のineedmorebuxに4, 5曲くらいビートを送ってもらいました。「Temperature」とか「Psyfe Cypher」とか、『99.9 Psychic Radio』のEPも制作してくれていて、プライベートでも仲良くて交流があるビートメイカーです。でもプライベートとしてもいっぱい曲作ったよね? ゴリゴリのHIPHOPからギターサウンドのエモーショナルなものまで。

WEESA:めちゃめちゃ作りました。もしかしたら出せる日が来るかもしれないですね。

ーーメンバーでいうと、JIMMYさんとWEESAさんメインで作っていらっしゃるんですか?

WEESA:そうです。JIMMYくんの部屋にレコーディングスタジオを作って、そこで録っています。

ーーJIMMYさんのお部屋集合なんですね!

WEESA:僕が行って、夜な夜な(笑)。たまに気付いたら朝までやっていることもありますね。

ーービートはジャージークラブが基調となっていますが、ダンス&ボーカルでもトレンドになりつつある反面、がっつり取り入れるのはハードルが高いと感じていました。

JIMMY:ジャージーはBPMが速いのもあって振り付けが作りにくいですよね。なので例えば「Temperature」はジャージードリルになっていたり、ビートもWAVYくんやみんなと話した案で、裏の取り方を変えたりしています。

ーークラブミュージックとダンス&ボーカルは、距離が近づけばもっと面白いシーンになると思っているんですけど、ジャンルとしては依然として切り離されているというか。でもまさに今作や「Temperature」ではメインストリームでもそれが実現可能であることを証明されているように思うので、PSYCHIC FEVERのすごさを見せつけられました。

JIMMY:まさに間を取れた、バランス感のある楽曲かなと思いますね。今回はシンプルにジャージーだけの音なので、振り付けをしてがっつり踊るというより、ひたすらバイブしてノるという感じで、メインストリームとしてもボーダーラインなく聴ける楽曲だと思います。PSYCHIC FEVERを知っている方も知らない方も、シャッフルで流れてきた時に、いいなと思って聴いてほしいという気持ちで作りました。

ーーBPMも速いですが、グルーヴを保ったままメロウに歌えているWEESAさんのボーカルもさすがですね。

WEESA:ありがとうございます。最近だとがっつりビートを刻んでる楽曲に、R&Bのメロディーラインを入れているものも多くて、僕はけっこうそういう曲が好きなので、今回挑戦できて嬉しいですね。BPMの速さも意外と歌いやすくて、ラップより歌いやすいかもしれないです。

ーーJIMMYさんのラップもボキャブラリーも素晴らしくて。中学生の頃から韻を書き溜めていると伺ったのですが、今も書いてるんですか?

JIMMY:はい、今も書いてますね。でもそこから引用することってあんまりなくて、感情を書き留めていくというか。ラブソングをいっぱい書くと、同じ言葉になってテーマが詰まってきちゃうんですよね。ハッピーな時はハッピーな曲しか書けなくなるので、悲しい時の感情を書いておいて後で見返して、このテーマいいじゃん、こういう感情あったなって思い出で書いたり。そのために使ったりしますね。

ーーそのまま引っ張ってくるのではなく、題材として参照するという。

JIMMY:中学生とかなので、深夜に打ったメール恥ずかしいみたいな感じがよみがえるので(笑)、引用して今の自分の感情で伝えたり、昔の経験を乗り越えて今どう見えているかとか、そういう風に使うことが多いですね。量にすると、思いっきりスマホをスクロールした15回分くらいあります。

WEESA:韻だけで?

JIMMY:韻と、かっこいい言葉とか。

WEESA:あー、ポエムみたいな?

JIMMY:映画の言葉とか。さすがに自分では書かない(笑)。

バックボーンを大事にしながら挑戦したい

ーー今後制作したいジャンルや、アイディアはありますか?

WEESA:今も制作をしているんですけど、ジャンルを問わずやっていきたいです。ベースはR&BとかHIPHOPとか個々に好きなジャンルがあるので、一人ずつ曲も出せたら面白いと思いますし、いつかはフルセルフプロデュースでアルバムを出せたらいいなとか、考えたりもしますね。いろんな方向性を探って、PSYCHIC FEVERに還元できるように制作できたらなと思っています。

JIMMY:僕は歌メロとかもやりたいですし、R&Bのフックも歌えたらいいなと思います。自分が作っているのもR&Bに寄せている曲も多いので、もっと皆さんにお届けできたらいいですね。グループとあんまり別物にしたくなくて、PSYCHIC FEVERのことが好きな人にも、2人の曲や他のアーティストとのコラボ曲もしっかり愛してもらいたいので、これまでのバックボーンも大事にしながら挑戦したいです。

ーー7月にはフランスにも行かれますし、デビュー2周年も迎えますね。デビュー前から活動されていらっしゃるのでもっと長い気もしますが。

WEESA:僕らもそう思います(笑)。

JIMMY:まさかデビュー日をフランスで迎えることになるとは思っていなかったです。でもそれは、ファンの皆さんがずっと押し上げてサポートしてくださっていたからここまで来ることができたので。これまで応援してくださっていた方にはしっかり感謝したいですし、これから世界に行っても原点ですし、LDHとファンの皆さんの応援は忘れたくないので、そういうところもいつか楽曲にできたらいいですね。

WEESA:うん、そうですね。1周年を迎えてからのこの1年が、体感としては3年くらい経っているんじゃないかというレベルで濃かったです。海外に行かせていただいたり、こうしてデビュー前から楽曲を作っていたものが表に出たり、いろんなことがありすぎて追いついてないくらいで。全然まだまだなんですけど、いろんな方々から注目していただいたので、この勢いをものにできるようにしたいです。3年目はとても大事だと思うので。アジア以外にも出られるのは、大きな一歩なので頑張りたいです。

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ


▼編集後記と未公開写真はInstagramへ

PSYCHIC FEVER ‘Perfect feat. JIMMY & WEESA

2024年6月28日リリース
配信URL:https://lnk.to/psychicfever-perfect

PSYCHIC FEVER 公式サイト

▼PSYCHIC FEVER 関連記事

ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!