【PSYCHIC FEVERインタビュー後編】「音楽は、歌だけでなくダンスでも伝えられる」海外進出で変わった価値観

PSYCHIC FEVERインタビュー後編。

前編と同じく、剣さん、中西 椋雅さん、小波津 志さん、WEESAさんへのインタビューをお届けします。

前編はこちら

「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」の反響

ーー「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」の反響が今も継続している中、今回は3ヶ月という短い期間でのEP『PSYCHIC FILE II』リリースですが、現在の状況をご自身ではどう捉えていらっしゃいますか?

中西 椋雅(以下、中西):とてもありがたいですしとても嬉しいです。やっと一歩踏み出せたかなと感じているので、僕たちにとってこれは全然ゴールではないですし、まだまだこれからという状況の中で、今回EPをリリースできます。「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」をきっかけに世界中の皆さんにPSYCHIC FEVERを知ってもらえて、僕たちがこれからリリースする楽曲が大事になってくると思うので、またお気に入りの1曲を見つけてもらえたら嬉しいです。もっとたくさんの方に広めていけるように、妥協せずみんなで頑張っていきたいと思っています。

ーーたくさんの方に受け取ってもらえた理由はなんだと思っていますか?

中西:僕たちのことを普段から応援してくださっている皆さんが、SNSで切り抜きをあげてくださったのがきっかけなので、僕たちの力だけではここまで広まらなかったと思っています。僕たちだけがただ発信するのではなくて、一緒になって音楽を広めていきたい、ということに気付かされた瞬間でもありました。もっともっとお互い密になって手を取り合いながら、一緒に世界を目指していきたいなと思います。

WEESA:普段から応援してくれる皆さんには、本当に感謝したいです。

ーーPSYCHIC FEVERのSpotifyの月間リスナーをチェックするのがモーニングルーティンになってて(笑)、数字が伸びていくのをわくわくしながら見ていました。その一方で、乗り越える壁が高くなったとも言えると思いますが、現時点で感じている課題などはありますか?

WEESA:いろんな方が注目してくださった中でリリースする楽曲というのは、難しいものでもあります。注目していただいている今だからこそ、PSYCHIC FEVERとしてどう表現するか、僕たちの楽曲にどうのめり込んでもらうかというのは、僕たちの課題だと思っています。1曲伸びただけでこれから全部がヒットするわけではないので、少しでも興味を持ってくださったライトユーザーの皆さんを、どう巻き込んでいけるかというのも、僕たちにとっての課題なのかなと感じています。ちょっと観て、ちょっと気になって、という方が多いと思うので、ここからもしライブに来てくださった方がいればそういう方々だったり、楽曲を聴いてくださる皆さんに、僕たちの魅力を伝えていけたらと思います。

剣:この楽曲たちは「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」とはまったく肌感も違うので、「Just Like Dat〜」が好きな方は引き続き「Just Like Dat〜」も聴いていただきたいですね。PSYCHIC FEVERをよく7色と例えるんですけど、7人でいろんな色があって、この7曲にもいろんな色があるので、違う顔を見せられると思っています。このEPを聴いて、こういう楽曲もあるんだって。前作はY2KとかHIPHOP要素が強かったですけど、今回はドラマのエンディングテーマだったり、いろんなビートだったり聴き心地があるので、いろんな方に届くといいなと思います。

PSYCHIC FEVER、色とりどりの楽曲

ーー海外に出向くことも増えて、音楽に対する価値観も変わったのではないでしょうか?

小波津 志(以下、小波津)好きな曲の幅が広がりました。言葉が分からなくても楽しめる自分がいるし、そこに気付けたのが大きくて。だからこそ自分でパフォーマンスする時も、言葉は違えど海外でも自信を持ってできるようになりました。音楽って、歌だけじゃなくてダンスでも伝えられるんですよね。そこに気付けたことが価値観として変わった部分かなと思います。

ーー志さんがタイ語で現地のライブのMCをこなしていたり、「Sad Movie (F.HERO Ft. BRIGHT VACHIRAWIT)」のカバー動画を拝見して、表面的に歌詞を覚えるのではなくて、言語や文化に敬意を払っているのが伝わって感銘を受けました。しかも、これは相当タイ語上手いんじゃないかと思いながら、タイの方々のコメントを自動翻訳で読みまくったら「タイの人より発音がきれい!」みたいなコメントがわんさか来てて。

小波津:ありがとうございます! タイの人よりきれいなはずないですよね(笑)。めちゃくちゃ嬉しいことです。

ーーコメント読みすぎた結果、タイ語で唯一KOKORO(โคโคโร)だけが読めるようになりました(笑)。

WEESA:読みやすいんですよね。

剣:俺のは激ムズです(สึรุกิ)。付属品めっちゃ多い(笑)。

小波津:僕のはシルエットで見つけやすいですよね。3回同じのが続くので。

ーー話は戻りますが、椋雅さんは音楽に対する価値観が変わったこと、何かありますか?

中西:僕たちの楽曲って、ラブソングもあれば応援ソングもあったり、自分たちの心境を歌っていたり、色とりどりの楽曲が多いと思っていて。だから今まではいざリリースしても、反応をもらわないとそれが本当に皆さんの日常の役に立っているかは分からない、というのがありました。でも海外に行ってみて、一緒に歌ってくれたり共感してくれたり、リアルな反応をもらうことで、やっと僕たちも音楽の力で、聴いてくださる皆さんの活力になれているんだというのを実感できました。だからこそ音楽だけじゃなくて、発信する言葉とか、ダンスの表現の仕方にも重みを感じるようになりました。これを観て聴いた人がどう思うか、もしかしたら悲しませてしまうこともあるかもしれないし。一つ一つの表現に慎重になるようになったなと思います。そこにやりがいを感じますし、僕たちの姿を見て、皆さんにも楽しんでほしい、活力になってほしいという思いでやれるようになりました。

ーーその表現力を5月からのツアーでも観ることができそうですね。準備の方はいかがでしょうか?

小波津:セットリストを組んでいるところですね。これから本格的にリハーサルをやっていきます。

WEESA:僕たちにとって初めてのアジアツアーでもあるので、行く国々でのパフォーマンスや、前回のツアーで表現できなかったこと、ここまで学んできたことを今回のツアーで表現したいです。僕たちの音楽性やスキル、個性をもっともっと出していって、より好きになってもらえるように、全力で頑張りたいなと思います。

中西:前回は初のツアーだったのですが、今回は2回目で、海外公演も控えています。『HEAT』という大きなテーマがあって、僕たちがアジアを『HEAT』できるようにという思いがあります。でもそれは僕たちだけの力ではなくて、来てくださる皆さん、応援してくださる皆さんと一緒に、心から熱く燃え上がるようなライブをしていきたいと思っているので、ぜひ、いや必ず来てほしいなと思います。

編集後記

すぐに好きになるのは楽曲だけにとどまらず、PSYCHIC FEVERは人も最高だった。

とにかく一度聴いてみて! と言いたくなる。曲がかっこいい、歌が上手い。

でも映像も観て! と言いたくなる。ダンスも上手いから。

そこに来て、インタビューも読んで! を今回からつけ加えることになった。とてもいい人たちだから。

やはり音楽は人で創られている。

世界中でPSYCHIC FEVERが聴かれている現象は、一過性でも、衝動的に生まれたのでもないと思っている。

下積みを長く経験し、地道に努力を重ねた結果、磨かれたスキル。

影の時間を支えに、今度は世界中のリスナーと正面から向き合った。

影は光の意味を伴うという。

その太陽のような真心に、たくさんのリスナーが気付き、振り向いた。

彼らが実力で引き寄せたそれは、偶然などではない。

必然であり、当然のことだと言い切ってもいい。

「気付いた人から好きになる」

それがPSYCHIC FEVERなのだと思った。

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ

PSYCHIC FEVER 公式サイト


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!