NOA初のアリーナ公演『“NO.A”TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE』ライブレポート

今回はCulture Cruiseで2度目となる、NOAさんのライブの模様をお届けします。

NOAさんにインタビューさせていただいたのは2023年2月。

3ヶ月後の5月、EX THEATER ROPPONGIにて初のワンマンライブとアジアツアーを行ったNOAさん。

▼Culture Cruiseでも取材し続けてきました。

【NOAインタビュー】アルバム『NO.A』で魅せるアップグレードした表現力
NOA初のワンマンライブ『“NO.A”TOUR IN TOKYO』ライブレポート

さらにそこから4ヶ月後には、初のアリーナ公演 2Daysを成し遂げることに。2023年9月9日、有明アリーナにて行われた記念すべきライブをレポートします。

“NO.A”TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE

この日は、“NO.A”ツアーの追加公演にあたる2Daysのうちの初日。

NOAさんのファンであるNOANAの皆さんも、足取り軽く会場に向かっている様子。

客席に入ると、アリーナ特有の広々とした空間が目に飛び込んでくる。

客席のあらゆる方向からペンライトが光り、思わず会場内をぐるぐると見渡したくなる。

場内のSEとして流れていた「LIGHTS UP」。アウトロに差し掛かるあたりで徐々に音量が上がり、場内が暗くなる。

大型ビジョンに映るNOAさんのVCR。まるで映画館のように感じる。

撮影:鳥居 洋介

紗幕越しにNOAさんが現れると、会場は割れんばかりの歓声で一気に包まれる。

5月のライブではサプライズとして初披露された新曲「BURN」からのスタート。

ロングバージョンにアレンジされた「Just Feel It feat. Ayumu Imazu」では、ダンスパフォーマンスを存分に披露する。

最初のMCでは「『あの曲で踊ればよかったな」』『もうちょっと一緒に歌えばよかったな』ということがないように、最後まで素敵な時間を一緒に送りましょう」とメッセージを添える。

再びストーリー仕立ての映像から「Runaway Love」。New jack swingが映えるステージングがかっこいい。

続く「Lonely Hearts」では、4つ打ちのビートに合わせて一気にフロア化する会場内。

言わばクラブミュージックとしても純度の高いサウンドに対する、マナーとグルーヴ感を持ち合わせているのもNOAさんの魅力だと感じる。

NOAさんのライブで個人的に楽しみにしているのは、こういった抜群のバランス感覚だったりする。

再び大型ビジョンに映し出されるNOAさんのVCR。「Would you like to go out with me?」と告白する夢から覚めるようにアラームが鳴り、ステージに戻って「Bad At Love」「To Be Honest」。アルバムどおりのこの流れは裏切らない。

「Paradise」では「みんなと一緒に踊りたい」と言うNOAさん。「Paradise」の振りを知っている人、知らない人で挙手を仰ぐと、大半の人が知らない方に手を挙げる。

「そうだよね…ちなみに今日初めて僕のライブ観に来た人?」と聞くと、またしても大勢の人が反応。「ほんとうに?」と疑うNOAさん。NOANAさんとの自由な掛け合いが面白い。

アリーナで丁寧に振り落としをするNOAさんと、楽しそうに踊る観客の皆さんの姿を見ることができた。

アコースティック〜サプライズでの新曲披露

ライブはあっという間に折り返しに。

ここで、2022年3月のファンミーティングからバンドメンバーとしてジョインしているJosiah Hawleyさんが登場する。

Josiahさんのアコギとコーラスをバックに披露されたのは「Ticket」「Friends? 」「True Colors」の3曲。

この貴重なセットリストを、アコースティックバージョンで。センターステージに2人だけというシンプルなパフォーマンスが、特別感を増幅させた。

続く「Step Back」では、バックステージを歩く映像から、リアルタイムへと繋がるように現れたNOAさん。映像とステージがリンクする演出はエンターテインメント性にあふれていた。

さらにこの曲の見どころは、700名のオーディションを勝ち抜いたダンサーたちとのパフォーマンス。ダンサーの皆さんのパワフルで生き生きとした表情が印象的だった。

撮影:鳥居 洋介

「皆さん今年の夏何してましたか?」という質問に対し、あちこちから答えが返ってくる。

「僕に会うためにバイトしてた? お疲れ!」と笑いを誘いつつも「ありがとう今日まで頑張ってくれて。僕も会いたかったです」とフォローはやはりNOAさんらしい優しさに溢れている。

ここから徐々に静かな雰囲気に変わり「皆さん、花火大会行きました? 僕はまだ行けてなくて。もしよかったら、今日僕と一緒に花火見に行きませんか?」と問いかけるとイントロが流れる。

映像と特効がリンクして、本当に花火が打ち上がるかのような美しさの中歌われた「Fireworks」。

5月のワンマンライブでも美しい記憶として残っていたこの曲が、さらに思い出を色濃くしていく。

そして、ここで聴けるとは思わなかった「Multiverse」。

2021年3月のオンラインライブを最後に、ずっと披露できなかった楽曲を、このチームでNOANAを前にしてパフォーマンスできることに、「僕にとってはものすごく意味がある」と感慨深い表情を覗かせた。

「そして次の曲は『between』です」の曲紹介に困惑する会場。

NOAさん「新曲です!」、客席「ぎゃー!!」のやりとり。

「久々のラブストーリーです。いつもよりも大人っぽい歌詞とパフォーマンスをお届けできると思うので、1秒も見逃さずに僕たちを見ててくれたらと思います」と新曲「between」をサプライズ披露した。

「between覚えるよ!」と響き渡った1人の子どものかけ声をキャッチすると、「前回も覚えるよって言ってくれてた子かなぁ? 六本木の時も覚えるよって言ってたよね?」と微笑ましいシーンながらNOAさんの驚異の記憶力までが発覚した一幕も。

そして次が最後の曲であることを告げ、有明アリーナでのライブは、2021年3月の自分には想像もできなかったことで、大きな挑戦だったと語る。

「不安がかき混ざって、聞きたくない声が聞こえてきたり。でも僕には、いつもお世話になっているスタッフの皆さん、大切なチームNOAの仲間、そばで応援してくれているNOANAのみんなも家族もいるし。僕がここで悩んでいる暇ないなって。前向いて、みんなと最高の時間を作るために頑張ろうって。どんなことがあっても僕がここで成長して、みんなをもっともっと引っ張って行くことだけを考えて今日までやってきました。」

最後には笑顔で「LIGHTS UP」を披露した。

アンコール

今回もNOAコールに導かれるように、再び登場するNOAさん。

「TAXI feat. tofubeats」では、冒頭でサビのピアノ弾き語りを披露。この曲が大好きすぎる長谷川はここでもう泣きました。忙しい合間を縫って、きっとたくさん練習したんだなという思いが込み上げてしまい…。

ちなみに2日目には、tofubeatsさんがゲストとして登場するサプライズも用意された。

(▼こちらは先ほどのアコースティックセクションに登場したJosiahさんと歌っている「TAXI」のアコースティックver. )

ここでファンクラブ限定のファンミーティング、Zeppツアーを行うことが発表される。たくさん用意されたサプライズやお知らせに、会場はずっとわくわくが止まらない様子だった。

「皆さんを実際に前にすると夢のような気分だし、本当にみんなが存在してるんだっていう嬉しさと幸せが混ざって…みんな最高です」「できることなら一人一人ちゃんと挨拶したいくらい」と感謝を伝え、シンガロングも交えながら「Purple Sky」を歌い上げた。

撮影:鳥居 洋介

ここで終わると思いきや、「この場でやらなきゃいけない曲やってないんだよな」と最後の最後に突然「Highway」の世界観に観客を引き込んだ。

さらに、ステージを盛り上げたチームNOAとしてSayabiru、princessmai、MIZUKI、Y、DAIKI、SYOGO CHILL、RYOUKA、Mori Minami、HITOMI SETO、Josiah Hawleyの皆さんが紹介される。

そして前回同様の記念撮影。楽しい時間はあっという間に終了した。


2月のインタビューから、このような形でアルバム『NO.A』という作品を掘り下げ、取材し続けられたことに感謝しつつ、私自身も時間をかけて『NO.A』の魅力を深く知っていくこととなりました。

5月に行われたワンマンライブの追加公演という位置付けではあるものの、そのスケールをさらに凌駕するプログラムでした。

この短期間でアリーナレベルへと進化した、チームNOAのパフォーマンスも素晴らしかったです。

コロナ禍でのデビュー以来、ほとんどオンラインでのコミュニケーションしか取れずに活動してきたNOAさんは、目の前にファンがいてくれることのありがたみが身に沁みて理解できるのだろう…「本当にみんなが存在してるんだっていう嬉しさと幸せ」という言葉を聞いてそう思いました。

いつしかその関係性が、こんなにも大きく強固なものとして詰み上げられていたことに感動を覚えます。

今回は東京のみでのライブだったこともあり、現地に行くことができなかった方々に、このレポートが少しでも臨場感を持って伝わってくれればと思い書かせていただきました。

「次は僕が皆さんに会いに行きます」とNOAさんがお知らせしていたように、一人でも多くのNOANAさんが、NOAさんと素敵な時間を共有できることを願っています。

撮影 / 鳥居 洋介、取材・文 / 長谷川チエ

“NO.A”TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE
ARENA セットリスト

  1. BURN
  2. Just Feel It
  3. Don’t Waste My Time
  4. Runaway Love
  5. Lonely Hearts
  6. Bad At Love
  7. To Be Honest
  8. Paradise
  9. Ticket
  10. Friends? 〜 True Colors
  11. Step Back
  12. Fireworks
  13. Multiverse
  14. between(新曲)
  15. LIGHTS UP
    – ENCORE –
  16. TAXI
  17. Purple Sky
  18. Highway

9月10日公演の模様は2023年10月にU-NEXTにて配信されます。


Official Fanclub会員限定FAN MEETING ZEPP TOUR

2024年
1/22(月) KT Zepp Yokohama
1/27(土) Zepp Nagoya
2/1(木) Zepp Fukuoka
2/2(金) Zepp Namba

詳細は後日発表

NOA Official Site:http://noamusic.jp
SNS:Instagram | X | YouTube | TikTok

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!