6月17日に2ndアルバム『KIDS00’s』をリリースしたKID PHENOMENONがインタビューに登場。前作からの変化や自作の歌詞に込められた思いを語っていただきました。
隠していた思いを書いた「BLUE」
──1年5ヶ月ぶりのアルバムリリースとなりますが、この期間でどんな経験をして今作に繋げることができましたか?
夫松健介:前回の1stアルバム『PHENOMENON』では、自分たちの中に一つ答えが出たのではないかと思った中で、そこから異質な空気感をどう表現し続けるかを模索した1年5ヶ月だったなと思います。収録されている5枚目から7枚目のシングルも全然カラーが違いますし、今作も1stアルバムからまた全然変わったものになっています。海外でも活動させていただける機会があったり、初めてのファンミーティングツアーができたり、その中で自分自身と向き合って、「TOKYO NEO POP」というカルチャーを啓蒙していくことだったり。グループのあり方や魅せ方を曲にして、ありのままの自分たちを届けようというところで、一人一人が自分ともグループとも音楽とも向き合っていたのかなと思います。
──“異質な空気感”とはどういうものだと自覚されていますか?

夫松:僕たちはなにかに捕われることがあまり好きではなくて、ありのままの自分たちを大事にしたいと考えています。好きなものも影響されてきたカルチャーも音楽も違いますが、それを押し潰すのではなくて、互いの好きなものを尊重するからこそ生まれる統一性のない中で、でもKID PHENOMENONとして同じ道を歩むからこそ表現できると思うんですよね。引き出しが多いのも自分たちの武器だと思うので、他のボーイズグループにはない自分たちらしさというところから、異質な空気感は生まれるのかなと思っています。
鈴木瑠偉:前回のアルバムから今回までの間で、風向きも変わったなと思いました。海外でパフォーマンスをしたりミュージックビデオを撮ったり、当時からすれば考えられないような経験ができているのが新鮮で、また一つ道が拓けた感覚を身に沁みて感じられた期間でした。その経験からの僕たちの学びと、僕たちが掲げている「TOKYO NEO POP」を拡張していけるようにという思いを込めて作ったこのアルバムは、素敵なものに仕上がりました。
──風向きが変わった潮目がどこかにあったと感じますか?

鈴木:ありのままの自分たちの表現の仕方が見つかった経験として、大きかったのは『SXSW』です。デビューして3年目を迎えているんですけど、2年目の期間は今ほど目に見える結果がついてこなかったので、その期間は悔しい思いもしました。でも自分たちにはこれだと見つけたものが1stアルバムで、自分たちの正解は定めていなかったですし、何が正解かも分からなかったので、逆に可能性は未知数だったというか。これから可能性が広がっていくという中で、いろんな思いをしたんですけど、わりと悔しい思いが強めでした。グループとして初のアメリカでのパフォーマンスが決まった時から、モチベーションとかそこに向けたスピード感というのは目に見えるほど変わったと思います。
佐藤峻乃介:初めてのアメリカで大きな挑戦でしたし、海外でのライブ経験も少なかったので不安もありつつ、一発でもかましてやろうという気持ちで挑んだので、振り返ってみれば濃いパッケージだったなと思います。そこで経験したことや実際に感じたことももちろんアルバムに投影されていて、特に「BLUE」という楽曲は自分たちで作詞をして、7人が実際に思ったことや得られたこと、約3年間で感じたことなど率直な思いが歌詞に込められています。

──「BLUE」はSHOKICHIさんと作詞をされたということですが、どのように連携を取って完成に向かったのでしょうか。
遠藤翼空:SHOKICHIさんから、自分たちで歌詞を書いてみないかということでお話をいただきました。最初はリリックのない状態のトラックをいただいて、それぞれでパート分けをして歌詞を書いてみようということになり、そこから何回も何回も、作っては壊し作っては壊しを繰り返しました。内容もそれぞれが思うことを赤裸々に書いていたり、悔しかった思いだったり、隠していた思いも曲に込めて、SHOKICHIさんにも見ていただいて最終的に完成しました。自分たちとしてもこのアルバムに入れることができて良かったと思っています。制作が間に合っていなかったら入っていなかった楽曲なので、何とか仕上げることができました。
──スケジュールはギリギリだったんですね。

遠藤:そうですね。アメリカから帰ってきた後に、そのエッセンスも加えてほしいと伝えられていたので、時間が短くて夜通し、朝日を見るまでスタジオにこもってみんなで制作しました。実際に制作した期間でいうと計2日、1回作って、置いてみてまた作り始めたりもしたので、置いた期間も含めると2週間くらいですかね。作っている期間中もパフォーマンスをして、その経験を経て考え方が変わったりもしたので、その変化も含めて「BLUE」を制作しました。僕たちのリアルが込められています。
──前作でいうと「雨上がりのDiary」もメンバーさんが作詞をされていて、アルバムの中の位置付けとして近いものがあると思うのですが、この曲からの変化としてはどうでしょうか?
山本光汰:「雨上がりのDiary」を経て、改めて今の自分たちだから書けるリリックだったと思います。その時と同じようにSHOKICHIさんにも一緒に作っていただいて、曲への理解度とか全体の流れもそうですし、言いたいことをより可視化することができました。未完成なものを、作っては崩して作っては崩してと自分たちだけでやっていたんですけど、その空気感を味わいながら、スタジオにみんなでこもって制作したので、また新たに気持ちが一つになったというか。各々がバースを蹴っていって、サビでしっかりと集約させるような歌詞とか、未完成でもみんなで作るという空気感とか時間が、この楽曲に投影されているなと思います。

遠藤:デビュー当時とかそれ以前から振り返って、これから高く飛んでいくための「BLUE」というか。どちらかというとネガティブな意味合いというよりは、この先に進んでいくためのポジティブな楽曲で、「雨上がりのDiary」とまったく違うわけではないですけど、イコールでもないという感じです。
──サビの出だしのインパクトのある部分に《大嫌いだった自分を睨んで》というフレーズを持ってきたところに覚悟を感じました。
岡尾琥珀:すごいですよね、翼空が書きました。
遠藤:なかなか最初から大嫌いなんて言うことはないですよね。でも何が伝えられるきっかけになるんだろうと考えた時に、自分は最初にパンチのある言葉を置かないと聴いてもらえないだろうなと思ったので、そこから力強い言葉にしよう、全体がこういう内容だったら、“大嫌いだった自分を壊す”という意味合いでいこうと最初にこのワードを置きました。
山本:インパクトがありますよね。その大嫌いの後の《吐き出したら 胸に滲むBlue 余計なざわめきさえ 消えていくのかな》というところが僕のリリックになっていて、ポジティブに持っていく展開にしたので、パッと聴いた時の内容は人生観とか暗い印象かもしれないんですけど、いろんな捉え方ができる楽曲だなと思います。
川口蒼真:自分たちが本当に思っていることを綴っているので、そういう意味では言葉にするのは難しかったですけど、思っていることはポンポン出てきました。活動する中で思っていることはそれぞれあると思うので、それを実際に書き出して曲にできるというのは、苦戦はしましたけど嬉しかったです。

──そういう感情は日々出てくるものですか? それとも書く作業と向き合った時に衝動的に出てきますか?
岡尾:書く時に向き合うと出てくるものでもありますが、日々の蓄積じゃないですかね。急にパッとは出てこないものなので、改めて向き合う時間もありました。ただ僕たちが思うことをそのまま書くのは簡単ですけど、自己満足で作るものでもないと思っているので。聴いている人にいかに伝わるかという部分では、言葉選びや表現の仕方を変えるのが難しくて、SHOKICHIさんにもご相談させていただきました。自分たちの思いも乗せつつ、聴いてくださる方に共感してもらったり、僕たちが背中を押すことができて曲の力になると思うので、そこのバランスは難しかったですね。

──SHOKICHIさんにはどんな風に相談されたんですか?
岡尾:楽曲として出していくためのバランスの部分をご相談させていただきました。「言葉選びとか気にせず、みんなが思うようにただそのまま書いて、俺がそれをブラッシュアップするから」と言ってくださったので、僕たちの本当の思いを書くことができましたし、それを尊重しながら調整もしていただきました。
『KIDS00’s』を象徴する「KIDS」
──前回のインタビューが「Sparkle Summer」のリリースで、ちょうどそれ以降のシングルが収録されていますが、カップリングの「Snakebite」など、この短期間でもライブを通して曲として育っているなと感じます。
遠藤:そうですね!《自由に 右左右左》とか、最初は正直、どうすればいいんだろうって思っていたんですけど(笑)。でもそれがライブの中でいい味になってくれました。ファンの方も一緒にノリやすいですし、歌詞に沿って振り付けされているので、視覚的にも面白くて、今では必要不可欠な曲になっていますね。サウンドもファンクなので言葉が分からなくても、海外でもノリやすいのかなと思います。
──アルバムのリード曲「KIDS」はどんな曲でしょうか?
夫松:サウンド感は90年代、00年代HIPHOPのテイストも入れつつ『KIDS00’s』を象徴する曲になっています。アルバムの中での最新シングルの「Mirror」は、聴いてくださる皆さんに寄り添うような内容だったんですけど、「KIDS」は前を向いて歩んでいく自分たちの意志も強く表現されています。でもそれだけでなく、聴いてくださる皆さんの背中も押すような、モチベーションを上げてくれるワードばかりが並んでいるので、勇気づけられる楽曲になっているのかなと思います。《点滅しない俺らのGreen light》とか、とんでもなく強気で。止まりそうもない、というか一生進んでますみたいな(笑)。
山本:『KIDS00’s』は2000年代を生きてきた僕たちという象徴でもあるので、ある種自分たちの名刺代わりにもなりますし、「KIDS」というタイトルに自分たちらしさもあるのかなと思います。
──アルバム制作で自分自身の新たな一面や成長を感じた部分はありますか?
鈴木:「KIDS」は何かを抱えているような、内に込めているようなラップの仕方を工夫してみました。前回のアルバムでは素の声を活かすようにレコーディングをしたので、今回はテンション感を落としたりメロウなラップの仕方があったりと、バランスを取ってレコーディングをするというところでは、新たな一面を見せることができて少し成長できたかなと思います。
──アルバム全体を通して、峻乃介さんのボーカル寄りの表現も印象に残りました。
佐藤:前作と比べるとパートは増えたなと思っていて、楽曲の担当するパート的にも特に最近の曲はそれが多いので、表現の幅を広げることができてすごく嬉しいです。いろんな声色にも挑戦したいですし、楽曲の面白味を増すために、しっかり自分を見せていけたらと思っています。
──そして7月からは『KID PHENOMENON LIVE TOUR 2026 “KIDS00’s”』が始まりますが、内容はもう詰められていますか?
岡尾:はい、詰め詰めでやっています!
佐藤:毎日リハーサルしています。
川口:単独ツアーとしては初めてになるので気合いも入っていますし、アルバムが年代感を感じるものになっているので、その分僕たちもそのカルチャーを大事に、年代を意識したものになっています。全体を通して気を抜くところがなくて、隅々まで楽しんでいただけるかなと思います。今回も新しいことに挑戦していますし、ラップやダンスはもちろんですけど、そこじゃない部分、ラップでも歌でもダンスでもない部分に挑戦したりもしています。
岡尾:どこ(笑)?
鈴木:ライブが始まった瞬間から新しいことをやろうとしています。
──7月31日にも、TOKYO DREAM PARK SGCホール有明で単独ライブが行われますよね。
夫松:そうなんですよ!『KIDS00’s』がこれからの自分たちのスタートというところも含めて、しかも初めてホールでライブをさせていただくので、一つの集大成にもなるのかなと感じています。盛り込めるものは全部盛り込みたいですし、ライブハウス規模では伝えきれないものも、ホールだからこそ伝えられるメッセージを届けられるんじゃないかと思います。あとファンの皆さんは、見たかったあのパフォーマンスが見れるんじゃないかなと。
岡尾:これ以上は…言わない方が良さそうですね(笑)。
遠藤:期待を煽らせてください! とっても楽しみにしていてほしいです。
インタビュー・執筆:長谷川チエ
<リリース情報>

| KID PHENOMENON 2nd Album『KIDS00’s』 2026年6月17日リリース ▼Streaming&Download https://KIDPHENOMENON.lnk.to/KIDS00sWN ▼パッケージ購入はこちら https://KIDPHENOMENON.lnk.to/KIDS00s_PKG ▼KID PHENOMENON 公式サイト https://www.kidphenomenon.jp |





