I Don’t Like Mondays.がCulture Cruiseにやってきた!アルバム『FUTURE』インタビュー

I Don’t Like Mondays. インタビュー

ついに、I Don’t Like Mondays.がCulture Cruiseに初登場!NEWアルバム『FUTURE』オフィシャルインタビューのインタビュアーとして長谷川が執筆を担当させていただいたため、今回はそちらの記事に盛り込まれなかった部分を、Culture Cruiseで“番外編”としてまとめさせていただきました。

IDLMs. × Culture Cruise

ーー今日はよろしくお願いします。SHUKIさん(Dr.)とはご挨拶させていただいていましたが、YUさん(Vo.)、CHOJIさん(Gt.)、KENJIさん(Ba.)とは初めましてです!いつも記事を書かせていただいてまして。

KENJI:もちろん存じ上げております。すごく丁寧に書いていただいて、ありがとうございます。

ーーとんでもないです!こちらこそ本当にありがとうございます!SHUKIさん、風邪引かれたのですか?

SHUKI(マスク姿):3人順番に風邪引きまして。

ーーYUさん以外の3人ですか?

YU:そうです。俺が一番か弱そうなのにね(笑)

KENJI:YUにはうつらないでほしい。一番影響するから。

ーー声に響きますもんね。SHUKIさんおだいじにしてください。

アルバム『FUTURE』について

ーー全体を通してすんなり聴ける流れだったのが印象的でした。前半部分にシングル曲がずらっと並ぶ配置になっていますが、意味があるのでしょうか?

YU:結果的にこうなっただけで、前半にシングルを固めようとか、一切思っていなくて。すでにあるシングル曲も先に配信されただけで、全曲がシングル曲のような感覚で作ったので、スムーズに聴けることを優先しました。イメージとしては、「TRY FOR YOU」が本編最後。アンコールで「0:01(Interlude)」から「FIRE」までという感じです。

ーー自主的なアンコール設定ですね。

YU:そうそう、アンコール設定(笑)

ーー曲のストックがけっこうあるとおっしゃっていましたが、『FUTURE』の曲はストックを使ったのですか?それとも新たに作った曲が多いのでしょうか?

KENJI:「FANCY GIRL」くらいかな?ストック曲は。

YU:「TRY FOR YOU」も元からあったじゃん(笑)。「CALL ME」もバージョンは違うけど元々はストック曲です。

SHUKI:「AITAI」と「PLEASE」以外はストックじゃない?

KENJI:そうだそうだ!全然ストックだったわ(笑)。

CHOJI:ストックで足りない部分を新たな曲で補いましたね。

ーー1年くらい前からできていた曲も多かったようですね。

KENJI:その頃はずっと曲作ってました。「UP TO U」とか、やっと出せたなという感じです。

ーー以前ライブで一度披露されてから時が経ちましたもんね。ところで「UP TO U」って、最初と最後だけが大文字ではなかったでしたっけ?(「Up to U」)

YU:あーそうそう!これは、シングルで出した時はそうだったんですけど、アルバムでは全曲のタイトルが大文字になっています。

KENJI:『TOKYO』の時もそうだったよね?『FASHION』は違ったかな?

SHUKI:うん、『FASHION』は違ったね。

ーー全然気付かなかったです。

YU:完全に僕らの自己満足です(笑)。どっちの表記にしてくれとか、そんなにこだわりはないですけどね。一応、今回もアルバムでは大文字で統一させるようにしています。

「UP TO U」

ーー以前録音したものと比較して違いはありましたか?

YU:歌は断然良くなっていましたね。聴き比べたら全然違って、少し成長していた喜びがありました。

SHUKI:アルバムを通してマスタリングし直しているので、シングルの時とも微妙に音が違っているんです。すべてリマスタリングしているので、厳密に言えば全曲違うんですよね。

ーー普通に聴いていたら気付かないくらいのレベルですよね?

YU:気付かないと思いますね。良いスピーカーで聴き比べたら分かるかもしれない。でも気のせいかも?というくらいです(笑)。

KENJI:あ、でもね「UP TO U」は分かるかもしれない。配信(シングル)の方で聴くとLOWに引っ張られるというか、低音の強いスピーカーで聴くとこもって回っているように聴こえるんですね。
その低音のモヤっとしたところがアルバムの方では抜けて、スッキリと改善されていて、今朝ちょうど聴いて感動していたところです(笑)

「ZERO GRAVITY」

ーー個人的に印象深いのは、大阪でTHREE1989さんと2マンライブをされた時にリリースが初めて発表されて、「今夜からFRIDAY LOVERs(IDLMs.のファンクラブ)限定でShort ver.が聴けます」とアナウンスされていましたよね。「DO YA?」とはまったく違うテイストだったので、心斎橋のど真ん中で泣きそうになったのが忘れられないです。

KENJI:それはどういう感情で泣きそうになったんですか?

YU:悔し涙(笑)?

ーー(笑)「DO YA?」のテイストは引きずらないだろうと思ってはいたけど、ここまで違うジャンルで来たかぁという驚きとか嬉しさとか、ライブ直後に聴いたのもあって、いろいろな感情で。

KENJI:嬉しいですね。最大限のギャップを引き出せたね。

YU:「ZERO GRAVITY」を次に出すことが決まっていたから、「DO YA?」を躊躇なく出せたというのもありましたね。

「AITAI」

CHOJI:ギターは一つ一つのフレーズを、いろいろな人間が弾くような気持ちで表現したつもりです。

KENJI:CHOJIの頭の中が俺には分かんないよー(笑)いろんなキャラクターがいるってことだよね?

SHUKI:多重人格ってこと?

CHOJI:そうだね。

YU:違うでしょ?人には真面目な部分も不真面目な部分も全員あるってことでしょ?

CHOJI:そうそう。

KENJI:え?そっちなんだ、そういうことだったの?

CHOJI:なんかさ、ふざけとるやん?「AITAI」の俺のギター。

YU:分かる分かる。そういうサウンドだし、歌詞もそうだしね。明るくはないけど踊れるサウンドだよね。

SHUKI:歌入れしてからかなりアジャストもした曲だよね。

KENJI:音遊びみたいなことができた曲だと思っています。

「TRY FOR YOU」

YU:コーラス代表KENJI!(笑)今回コーラスワーク上手くいったね。特に「TRY FOR YOU」は感動する!マイクの位置とかも変えながら4人で録ったんですよ。

ーー位置まで変えるんですね!大合唱しているような壮大さがありますよね。

KENJI:100人くらいで歌っているようなね。「CALL ME」「TRY FOR YOU」はハゲそうになるくらいめちゃくちゃ考えて(笑)。

YU:ライブでみんなで歌ったら感動するだろうな。CHOJIのギターもザ!って感じだしね。

CHOJI:ほんとにありがとうございます(笑)ギターソロは毎回議論になるから。

KENJI:入れるか入れないか。「なくていいよ」もあるし、その逆も。

ーー個人的には大好きなので入れてほしいです!毎回楽しみにしてるんで。

CHOJI:その一声は嬉しい!(笑)

KENJI:推してあげてください(笑)

YU:この曲もけっこう気に入ってますね。

「FIRE」

ーードラムの打ち込みか生音かって、すぐに分かることもありますけど、曲によっては判断できない部分もありますよね?

SHUKI:うん、分からないと思う。

KENJI:音の粒が揃っている、ボリュームがまったく一緒、だとか。でもわざと違うようにも機械でできるし(笑)

YU:特に分からないのは、打ち込みに生音を重ねるやつ(笑)。あと、打ち込みだと空気がないよね。マイクを置いてドラムを録るけど、その空気感がないのが打ち込み。

SHUKI:「UP TO U」の時に、打ち込みで生っぽくするのをやりたくて、打ち込みの音をスピーカーから出して空気感を含ませるような音を作れないですか?って話をしていたんですけど、「やっぱできません」って言われて(笑)だったらアナログで攻めて、デジタルでできることをわざわざアナログでやろう、ということになりました。自分でも何言ってるのか分かんないけど(笑)

YU:料理と一緒だよね。仕込みの詳しいことは(食べる人には)伝わらないけど、結果美味しいかどうかっていうところで。

曲作りについて

ーーいつもどんな風に曲作りされているのか、お聞きしてみたいと思っていました。話し合いからスタートする感じですか?

YU:そうですね、まずはどの方向性の曲にするか?という話し合いから始まります。“The IDLMs.”という感じか、横ノリ系にするかとか。

KENJI:音作りは、まずはリズム隊ですね。SHUKIがドラムを打ち込んで。

CHOJI:その後コード進行を鍵盤かギターで入れますね。

KENJI:それだけでメロディができることもあるけど、最近はもうちょっとトラックに味付けをすることが多いです。
そしてサビをひたすらループで流して、思い浮かんだ人から(手を挙げる仕草)ってやる(笑)。

YU:それで、「このやり方ダメなんだってばー」って毎回なる(笑)。

KENJI:そう。毎回そうなって、サビができたらA(メロ)→B(メロ)という感じでメロを完成させる。そこからアレンジし始める、みたいな流れかな。それで録り始めるんだけど、PCでは良かったけど実際にやってみると不要な部分とかが見えてくるから「じゃあこれなしにしよう」「足りないから加えて付けてみよう」の繰り返しです。

YU:知の集結!「じゃあ始めようか」って作り始めるよりは、曲は常に作ってますね。

KENJI:『FUTURE』は3年ぶりのリリースですけど、かなりストックすることができたのは良かったかもしれません。

YU:しっかり曲を吟味することもできたしね。

ーーこの3年、待った甲斐がありました!ありがとうございました。

編集後記

この後、写真撮影にも快く応じてくださり、本当に素敵な4人でした。

私がうだうだ言うことにも笑ってくれたり、そうそう!と同意して的確な言葉で表現してくれるYUさん。

この日もYUさんが中心となって、インタビューにもたくさんの言葉で答えてくれて、とても頼もしかったです。

『FUTURE』の「AITAI」や「0:01」を、「表記的にかわいい」とおっしゃっていたのがYUさんらしくて印象的でした。そのセンスは、IDLMs.が持つスタイリッシュな個性の中心的役割として、引き立っているようにも感じました。

他のメンバーに話を振ってくれたり、「そうですね」などと、ずっと私の言葉を静かに聞いてうなずいてケアしてくれる心優しいCHOJIさん。

時に鋭利でかっこいいギターソロを聴かせてくれるCHOJIさんは、お会いするととてもソフトで穏やかな方。

曲の捉え方は創造性にあふれていて、他のメンバーも「分からない」と言うほどのオリジナリティを放っていますが、もっとお話をお伺いしたいと思うほど興味深い部分でした。

その感覚があるからこそ、素晴らしいギターのフレーズが生まれているのだと、今回のインタビューでも感じ取ることができました。

重いドアを開けられない人にすぐ気付いたり、笑顔で場の空気を盛り上げてくれた、気遣いの行き届いたKENJIさん。

インタビュー時、全員に一番好きな曲を挙げてもらったのですが、悩みながらもKENJIさんがセレクトしたのは「TRY FOR YOU」でした。

ベースラインが特徴的な「FANCY GIRL」を選ぶかとも思いましたが、みんなで合唱できるという理由を挙げ「TRY FOR YOU」を選んだことが、ベーシストとしての人間性を映し出している気もしました。

「FANCY GIRL」を聴いた時、いつもKENJIさんがどれだけ引き算をして、YUさんの歌を引き立たせているかを改めて実感し、感極まりました。

取材当日、風邪でつらかったとは思いますが、ここぞという時に説得力のある言葉で表現してくれるのは、頼れるリーダーのSHUKIさん。最後の写真撮影まで嫌な顔一つせず対応してくれました。

IDLMs.が生み出す創造性を、論理的に言葉で伝えようとしてくれる姿がとても印象的でした。

しかもスマートに分かりやすくお話してくれて、SHUKIさんの豊富な音楽的知識や経験が、このバンドをしっかりと支えていることを実感しました。

4人のクリエイティブセンスと才能には驚かされることばかりで、私自身とても刺激を受けました。

過去や現在を引き連れた『FUTURE』

I Don’t Like Mondays.が満を持して3年ぶりにリリースするアルバムは、『FUTURE』というタイトルながら、「過去や現在の音」も体感できます。

SHUKIさんが「『Back to the Future』をタイトルにしたいね、と話していたくらい『時代』がキーワードとなっている」と語ってくれたように、過去や現在までも引き連れた“レトロフューチャー”であることが分かります。

一つのキーワードに、複数の意味や多ジャンルの複合的音楽が混ざり合っているのがIDLMs.らしいし、聴けば納得させられる音が『FUTURE』には詰まっています。

さらに、同時パッケージ化されているドキュメンタリー映像やMVを観ると、『FUTURE』やIDLMs.の世界観がより理解度を増します。

これまでも、アルバムの充実度が非常に高いものだったI Don’t Like Mondays.ですが、『FUTURE』は今までにないほど、コンセプチュアルでまとまりのある仕上がりだと感じました。

アルバム全体を通して聴くととても聴きやすいのですが、楽曲一つ一つに注目すると、クオリティの高さが引き立ちます。 一曲ごとにじっくり聴いてみたり、時にはBGMとして。どんなシーンでも日常を彩ってくれそうです。

そして、私が個人的に注目しているのは、「TRY FOR YOU」と「PLEASE」です!どちらもIDLMs.のライブに新しい風を吹かせてくれそうな予感がします。

特に、「TRY FOR YOU」についてKENJIさんが語っていたことが印象的でした。

KENJIさんは、「Oasisの『Don’t Look Back in Anger』が大好きで、あの曲のようにみんなで合唱できる曲が作りたかった」と話してくれました。

私もこの曲大好きなのですが、ライブでとても盛り上がるOasisのキラーチューンです。

YUさんも「君のために今僕は何ができるだろう?」という内容の『TRY FOR YOU』を、大勢で歌う姿が見たい」とおっしゃっていたように、この曲もライブで愛される曲になるといいなと思います。

『FUTURE』の楽曲がこれからどう育っていくのか、見届けるのが楽しみです。

いつかIDLMs.がCulture Cruiseに登場してくれることを夢見て頑張ってきた長谷川は感無量でした。Culture Cruiseの夢を叶えてくれて、ありがとうIDLMs.!!!

インタビュー・文 / 長谷川 チエ

●リリース情報

I Don’t Like Mondays. / FUTURE

2019/08/21 Release

・RZCD-86906  CD 2,800円(税抜き)
・RZCD-86904/B  CD+DVD 4,800円(税抜き)
・RZCD-86905/B  CD+Blu-ray 5,800円(税抜き)

CD購入
https://avex.lnk.to/0821_IDLMs_AL
音楽配信
https://avex.lnk.to/idlms

<収録内容>
◆CD
1. FUTURE (Introduction)
2. DIAMOND
3. DO YA?
4. UP TO U
5. ZERO GRAVITY
6. LEMONADE
7. AITAI
8. A GIRL IN THE CITY
9. PLEASE
10. CALL ME
11. TONIGHT<Future ver>
12. TRY FOR YOU
13. 0:01 (Interlude)
14. FANCY GIRL
15. FIRE<Future ver>
◆DVD&Blu-ray
1. DIAMOND
2. DO YA?
3. ZERO GRAVITY
4. DOCUMENTARY : I Don’t Like Mondays.

●IDLMs. INFORMATION

HP https://idlms.com/
MUSIC https://avex.lnk.to/idlms
Facebook https://www.facebook.com/rockidlms/
Instagram https://www.instagram.com/idlms.official/
Twitter https://twitter.com/IDLMs_OFFICIAL

↓『FUTURE』収録の「Do Ya?」レビューはこちら!

ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!