【音楽対談】オーディション番組をどう思いますか?INIの曲を編集長に解説してもらいました

Culture Cruiseの音楽対談

編集部の葉山です。今回は、恒例の編集長に逆インタビュー企画をやっていたら、予想以上にじっくり語ってくれたので、音楽対談記事にしました。後半ではINIの曲についても話しています。会話形式のレビューとしてお楽しみください!


オーディション番組観てますか?

葉山:チエさん! 今回はですね、前回SNSでのテーマ募集で採用できなかったものをテーマにしました。「Q. 最近のオーディション番組は観てますか?」という質問でした。

長谷川:ありがとうございます! 最近だとNiziU、JO1、INI、BE:FIRST、Kep1er、&TEAM、今やってる「iCON Z」とか。あとなんだっけ…とりあえず今言ったグループはたぶん全回観てます。はやみーは?

葉山:すご! 私NiziUをちょっと観たくらいかな。仕事というか、勉強として観る感じですか?

長谷川:その意識は強いですね。でも感情移入してだいたい泣いてるけども。

葉山:チエさんっぽい。実際勉強になってるって思いますか?

長谷川:渋谷のタワレコ1階を見ると思う(笑)。人気がすごいから。まじで音楽産業ここで動いてるなって思うよ。ダンスボーカル界以外にも波及してますよね。

葉山:そうなんだ〜。今みたいなオーディション番組って、いつから始まったんですかね?

長谷川:どうだろう、過程を放送するのはASAYANとか? CHEMISTRYとか、モーニング娘。のルーツもASAYANだし。自覚を持って毎週観てたのは、三代目 J SOUL BROTHERSの今市さん、登坂さんが選ばれたVBA2くらいからかなぁ。

葉山:なるほど。でもオーディション番組って、選ばれなかった人のことも放送するのが私的には辛くなっちゃうんですよね。

長谷川:わかるよ。それがショーになることには違和感があるよね。

葉山:終わったあとの活動もずっと続きますし。

長谷川:結成時点ですでに知名度があるから、新人でも気が抜けないし、ピークアウトするようにも見えやすいから、人気をさらに伸ばすのは本当に難しいことだと思う。

葉山:まさにそこなんですよ。受かった方も大変っていう。

長谷川:オーディションでの姿はだんだんリスナーの記憶から離れて、プロのアーティストとして評価されるフェーズに入りますよね。でもそうなってこそ真価が試されるわけだし、実際に実力もメンタルもある方々が残っている印象はあります。

葉山:勝ち抜いてるわけですから、そうですよね。

長谷川:夢や希望を与えるって相当な努力の裏付けが必要で、それほどの舞台を経験して初めて人に届くっていう、伝え方のハードルも上がってる気もするよね。NiziUみたいなポップな感じも素敵だし、そこにもやっぱり裏付けがあるんだなって思う。

葉山:バックボーンを感じ取ってもらうってことですかね。たまに受からなかった方のことがよぎったりしませんか?

長谷川:そういう方々も発信力を身につけたり、次に活かそうとか、きっと何か進んでるはずですよね。ゼロに戻ることはないし。受からなかったというか「適した人がいた」結果なのかなって。

葉山:考え方ですかね。

長谷川:世の中に出てるものはみんな試行錯誤の末だと思うんですよ。選ばれた方々だってそれを重ねて、やっと実を結んだのが今回のオーディションなだけで、さらなる試行錯誤を繰り返してると思うので。

葉山:結果はどうあれ、将来につながっていけばプラスに転じることはできるのか。

長谷川:オーディションへの応募は一つの試行だと思うので、何十年かかったって成功に変えられるし、行動力のある人はきっと生涯そういう人であり続けるんじゃないでしょうか。

葉山:素敵な話ですね。

長谷川:そういう方々が出てるから番組として魅力があるし、私はどちらかというと、企画とか結果というよりは、人に吸い寄せられて観てるほうが強いのかもしれないです。

INIの注目曲

葉山:さっきたくさんグループ名あげてくれましたけど、チエさんの注目してるグループとか最近の活動とかありますか?

長谷川:みんな応援はしてますけど、INIが『M』っていうEPをリリースして、その中でも「STRIDE」と「Mirror」という曲が特に印象に残ってます。

長谷川:この映像観てまずすごいと思ったのは、全員に視線が流れる構成になってるんだよね。11人がみんな輝いてて素敵すぎるじゃん! あと、たまにニコってしてくれるのが「あ、今笑った!」ってなる。

葉山:最後の情報はわかんないですけど、とんでもなく箱推しなチエさんは推せます(笑)

長谷川:INIはクールで攻めた感じの曲が多かったけど、デビューして1年で定着してきた頃に、素顔が見えるような、ファンに向けて歌う感じ。リード曲ではないけど、ライブでもスタンダードになるような曲だから、すごく大事なんだよ。

葉山:そっか、意味のある曲なんだ。聴きやすいし、それぞれのキャラクターも伝わります。

長谷川:INIのいいところが出てる感じするよね。テンポ的にもしっかり踊りつつ、柔らかい雰囲気出すのって難しいですよね。でも建設的なコレオで、自己主張ではなくて、作品を良くすることに全力なのが伝わるし。こういうグループは一時的なバズを生むよりも、ずっと愛してもらえるだろうなって思う。

葉山:たしかにセンターっていう概念がないですし、自然体でいいですね。もう1曲はどうですか?

長谷川:「Mirror」は鏡の中の自分に話しかけるところから、自分と向き合っていく曲だと思うんだけど、こういう歌詞で歌えるのも、アーティストになるプロセスを見せてきたグループならではですよね。

葉山:いい歌詞ですね。まさにさっき言ってた努力の裏付け。

長谷川:こういった語感のバラードって、アジアの言語特有ですけど、やっぱり今の筆頭はK-POPなんですよね。その中で日本のボーカルグループも、こういう表現力を身につけてきたんだなぁって思いました。

葉山:どんなところがですか?

長谷川:たぶん綿密にディレクションなさってて、発音とかも工夫してると思うんですよ。上手く歌うよりも伝わり方のテイストにこだわってる感じがして。でも上手いんですけどね。

葉山:そういう聴き方もあるのかー。リスナーって忙しいですね。

長谷川:普通に再生するだけだよ(笑)少なくともこの2曲は、完璧かどうかより、やっぱりこれもプロセスというか。これから育つところも含めて「愛され力」みたいなものが詰まった曲、そしてグループだと思いましたね。偉そうに語っちゃってすみません。

葉山:いえ!鋭い分析おもしろかったです。INIに興味がわいたので、いつかレビューも読んでみたいです!


今回は音楽対談という形でお送りしました。対談というより、チエさんに解説してもらう形でしたが、いかがだったでしょうか。オーディションには、愛され力も重要なんだなーと思いました。以上、編集部の葉山でした!