誰でも貯金できるようになるこの世でたった一つの方法

ライターの長谷川@Hase_Chieです。「そろそろ将来のために貯金しなきゃ」と思いつつも、つい先延ばしにしがちな「お金を貯める」という行為。今回は、意志が激弱でも毎月貯金できるようになるたった一つの方法をお教えします。

 




人間は貯金なんてできる生き物じゃない

そもそも人間が貯金をするなんて、行動経済学的に見ると無理な話なのです。

貯金をすることによって、今月自由に使えるお金が減ってしまう(利益から得る満足感よりも、損失による苦痛の方が大きく感じる)→損失回避

未来よりも目先の利益を優先する(夏休みの宿題を最終日まで残すやつ)→現在志向バイアス

人間にはこれらの心理が働くので無理!そうは言っても、貯金ゼロってわけにもいかないし、老後とまでは言わずとも交通事故に遭って働けなくなることだってあるかもしれません。

転ばぬ先の杖はやっぱり必要かも。それで少しでも経済的不安から解放されるなら、少額でも貯金するべきなのです。

誰でも貯金できるたった一つの方法

毎月入ってくるお給料についつい頼って、「来月からにしよう」「ボーナス入ったらにしよう」と先送りにしてしまうのが、貯金を始められない根本的な理由。

最低でも3ヶ月くらいは今と同じレベルで生活できるお金をプールしておけば良い、とはよく言われていることです。

なぜ3ヶ月かというのは、雇用保険に加入していた場合、自己都合で退職した際の給付までの待機期間が3ヶ月間であることが大きな理由。

あとは、何かあっても3ヶ月あれば立て直せそう、という根拠のない予測。こんな感じでしょうか。まぁ適度にケセラセラも大切です。

ということで、まず目標にすべきなのは3ヶ月分の家賃と生活費を貯めること。そのために取る方法は「天引き預金」。もうこれしかありません人間には。




財形貯蓄や銀行の貯蓄口座を用意する

お勤め先に財形貯蓄制度がある場合は、金利面で優遇されている場合が多いのでそちらを利用してください。設定した金額を引いた分が口座に振り込まれるようになります。

使途を決める必要のない一般財形貯蓄や、住宅の取得などに使用するための住宅財形貯蓄(税金面で優遇される)などがあるので、会社に確認すると良いでしょう。

それ以外の方は、銀行の窓口に行けば喜んで貯蓄用の口座を開設してくれます。

「毎月何日にこの金額が引き落とされるようにします」とその場で設定すれば、あとはそれを自動的に繰り返すだけ。中でもネット銀行はネット上で申し込みできますし、利息も高めなのでおすすめです。

銀行にもよりますが、1000円くらいから引き落とせるようになっているので、無理のない範囲で設定しましょう。

これだけで、毎月ドルコスト平均法を利用できるしくみが完成します。ちなみに私はこの方法を証券会社で設定していて、投資商品を毎月少しずつ買い増しています。

金利の変動によって、利息が低い月は少なく買う、高い月は多めに買い増すことができるのです。

最初は少額にして、徐々に金額を上げていく方法でもOK。とにかく大切なのは、いくら貯金するかということよりも、つべこべ言わずに今から始めてしまうこと。

たとえ5000円でも、毎月定額を早いうちから貯めていく。その方が複利効果の恩恵も受けられるので、後々差がついてきます。若いうちから保険に加入した方が保険料が安く済むのと同じことですね。

収入と支出は比例するという残念なお知らせ

もう少し手取りが増えたら貯金を始めよう! なんて考えは叶いませんので諦めてください。

収入が増えたら支出も比例して増えるパーキンソンの法則というものがあるからです。手元にお金がある以上、どうしても使いたくなるのは人間のサガです。

臨時収入が入ると、いつもはドリップコーヒーにするところをカフェモカにしちゃったり、ボーナスが入ると、エスプレッソ追加のダークモカフラペチーノとかにしちゃうのです。

これが食事や洋服、化粧品などを購入する際にも同じ行動が見られ、そのチリが積もっていきます。

これがパーキンソンの法則の怖いところです。だからこそ、ストレスを最小限に抑えて貯金する方法はひとつだけ。

あらかじめ天引きにして、最初からないものと認識すること

まずは少額でもOKです。そして月末に余ったらさらに貯金しよう、という考えでも良いのです。とにかく今からスタートしてみましょう!

文 / 長谷川 チエ(@Hase_Chie


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!