【BALLISTIK BOYZインタビュー 後編】「このままではだめだと思った」タイでの活動を経て見えたもの

2023年5月31日に6thシングル「Ding Ding Dong」をリリースするBALLISTIK BOYZ。インタビュー後編は日髙竜太さん、加納嘉将さん、海沼流星さん、松井利樹さんの登場です。

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BALLISTIK BOYZインタビュー 後編

ーー前回のインタビューから、ちょうど1年でした。

海沼:そうでしたね。

日髙:お久しぶりです!

ーータイでの活動を終えて日本に帰国されてからもお忙しいと思いますが、タイを離れる時は名残惜しさもあったのではないでしょうか?

日髙:そうですね。文化とか食とかも含め、半年間本当に現地で暮らしてましたからね。

松井:うん。“暮らしてた”って感じです(笑)。

加納:これはプロジェクトが終わったから終了ということではなく、今後も継続していきますが、やはり帰る時は少し寂しい感じはしました。

楽曲制作の裏側について

ーーそんな暮らしの中で制作が始まった「Ding Ding Dong」など3曲ですが、レコーディングは日本で行なったとのことで、長期に渡る制作になりましたね。

加納:そうですね。今までで一番長かったかもしれないですね。

ーー「ラストダンスに BYE BYE」の時、歌割りをいろいろ試したと教えてくださいましたが、今回はどのように進めましたか?

日髙:「Ding Ding Dong」はわりとスムーズに、最初の割り振りどおりにいきましたね。

海沼:うん。ラップパートもそうでした。誰がここを歌うっていうのが最初からはっきりと決まっていて、それが上手くハマったなと思います。

ーー曲構成もアップダウンがあったり、歌詞も視点が変化したりと、クリエイティブな曲ですよね。

加納:そうですね。キャッチーさもありつつ、背中を押せるようなパワフルな曲調と歌詞で。世界観が分かれているMVもすごくいいものができましたし、ダンスもかっこいいので、映像もぜひ観てほしいです。

ーー「Lonely」では深堀さんのトラックを聴いて、どんな風に思いましたか?

松井:今までも一緒に制作することはあったんですけど、改めてこんなにいい曲を作ってくれて、それが作品になるということで、ただただリスペクトですね。

海沼:すごくいいトラックだなと思いましたし、そこに2人(松井さん、奥田さん)がいいリリックを書いてくれて。今までのBALLISTIK BOYZとは少し違う、かっこいい曲に仕上がったと思います。

ーーボーカルのオートチューンも効果的ですよね。

海沼:そうなんですよ。

日髙:ボーカルの僕らも、同じグループだからということではなく、純粋にかっこいい曲だなと思いましたね。

加納:うん。メンバーとして誇らしい気持ちになりましたし、普段から聴きたくなるような、かっこいい曲だと思います。

ーー深堀さんは、3人のラップやメロディの技術によっていい曲になったと話してくれましたが、メンバー内でリスペクトし合っているのが印象的です。リリックはどんな風に書かれたんですか?

松井:タイにいる時に書いたんですけど、日本で待ってくれているファンの皆さんへの想いを、遠距離恋愛に置き換えて書こうというコンセプトで書いています。

ーー「All About U」もそのようなアイディアが元になっているということで、物理的に離れた距離から作品が生まれているのが素敵ですよね。

タイでの活動を通して芽生えた“危機感”

ーータイで活動していて成長できたことや、今後のアーティスト活動に活かせそうだと思ったことはありましたか?

加納:「New School Breakin’」というリアリティーショーでは、タイのアーティストとコラボさせていただいてたくさんのことを学んだりしたので、とても刺激を受けましたし、生活面でもメンバー同士ずっと一緒にいたので、仲も深まりました。

ーー「New School Breakin’」は毎週楽しみに拝見していて、本当に貴重な経験をなさっているなと思いました。

海沼:なかなかできない経験ですよね。

松井:本当にずっと一緒に生活してましたからね。朝から夜まで。

ーー前回のインタビューの時、記事には書いていないのですが、松井さんは模索しながらスタイルを確立しているところだと打ち明けてくださったんですよね。でも今回の3曲を聴いて個人的に、勝手にですが、迷いが晴れたような気がしまして。

松井:ありがとうございます。そうですね、この1年で経験したことやタイでの活動を踏まえて、歌やラップの方向性が見えて自信がついたというか、スタイルを確立できたような気がします。

海沼:ダンス&ボーカルグループって、今世界中たくさんいるんですよね。自分たちはその中の一つで、何もしなかったら埋もれてしまうし、ダンスも上手くて歌も歌えてというグループはたくさんいるし、みんなどんどんスキルアップしてるじゃないですか? 自分たちだからできることをもっと探っていこうという思いが強まりました。そのために何ができるのか、7人集まって話し合いもしましたし。

ーー7人だけでですか?

海沼:そうですね。自然とみんなで集まって。

ーーそれができる団結力は、BALLISTIK BOYZさんの強みですよね。タイに行く前の会見の場で、日髙さんが「1秒も無駄にしない」とおっしゃっていたことがとても印象的で、もし帰国後にまた取材させていただけることがあったら、何を感じたのか、お聞きしたいと思っていました。

日髙:本当に行ってよかったと思うのと同時に、僕はこのままではだめだと思いました。タイでは用意してもらえるのが当たり前の環境ではなくて、もちろん今までも関わってはいましたけど、周りに任せてしまっている部分もあったので。そういった部分で危機感を覚えて、もっと自分たちからも積極的に動いていこうという気持ちになりましたし、そのことはすぐにスタッフさんにも伝えました。

ーースタッフさんはそれを聞いて、どんな反応だったのですか?

日髙:やろうという感じで真剣に向き合ってくれましたね。できることからいろいろやっていきたいです。

ーーそういった思いは、今回の作品にも反映することはできましたか?

日髙:そうですね、まずはここからと思えるような自信作になりました。でもまだまだこれからですね! さらに頑張っていきたいと思います。

編集後記

BALLISTIK BOYZへのインタビュー、後半は4名にお話を伺いました。

日髙さんが「危機感を覚えた」とお話してくれた時、1年前には見ることのなかった表情を確かに見た気がしました。そんな深い話も織り交ぜてくれる発言のセンスと、心をオープンにして打ち明けてくれる親しみやすさ、取材を受ける時の積極的な姿勢は、変わらず素晴らしいままだなと思います。

「よろしくお願いします」と笑顔で登場してくれた加納さん。話す言葉はいつも気持ちを正確に捉えていて、分かりやすく、優しく丁寧に伝えてくれます。ボーカルにおいても、この1年で特に磨かれたのはバランス感覚なのではないかと個人的には思っていますし、頼もしさと繊細さが感じられます。

海沼さんは、多くのダンス&ボーカルグループの中で、BALLISTIK BOYZはグループの良さをどう生かしていけるのか、現在の思いを包み隠さず話してくれました。自分が本当に思っていることしか話さない、誠実な方だということは前回にも感じたので、その言葉の数々に信頼を寄せることができました。

松井さんの「方向性が見えた」という言葉が聞けたことは、個人的にとても嬉しいことでした。前回の、模索しているというお話を記事に載せなかったのは、その後の言葉が聞けた時に出そうと思ったからなのですが、松井さんはこの1年で、スキルだけでなく気持ちも磨かれていたのだと思いました。

「Ding Ding Dong」はこの1曲に、グループとしての強みと、7人の個性がすべて詰まっているような楽曲です。

そして「All About U」「Lonely」までの3曲を通して聴いてみると、さらにその先のBALLISTIK BOYZの魅力に出会える作品だと感じました。

進化した7人の、次の一歩を楽しみにしています。

インタビュー・文 / 長谷川 チエ

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▼もう一度前編!

▼「ラストダンスに BYE BYE」インタビュー

ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!