2022年10月にインタビューさせていただいたSPiCYSOLの無期限活動休止と、ドラムのKAZUMAさんが脱退されるという発表を受けて、この運営者日記と、ライターの取材日記(Instagram)を更新します。
SPiCYSOLの曲を初めて聴いたのは2016年頃だったと記憶していますが、何よりも、聴いた時の気持ちを鮮明に覚えています。
「こんなに複雑な感情を、複雑に表現できるバンドがいるんだ」と思いました。
爽やかなようでくすんでいたり、明るいようで何かを滲ませるサウンドとボーカル。
最初に聴いた瞬間からずっと大好きで、ライブにもよく行っていました。ファンの人たちもすごく素敵で。
海っぽいグッズデザインにはいつも心をくすぐられて、グッズもたくさん持ってます(画像のTシャツも)。
“サンゴの日” の3月5日とか、“波の日”の7月3日には毎年ライブをしたり、海と音楽を近づけてくれるバンドでした。
その頃はこのCulture Cruiseも立ち上げたばかりで、SPiCYSOLさんにインタビューなんて無理だよなぁとか思いつつも、手帳のインタビューしたい人リストに、毎年毎年書き込んでいました。
“i” だけが小文字で、記事やSNSでもこのバンドのことをよく話題にしていたので、私のPCとスマートフォンのユーザー辞書には「すぱいしー」と入力すれば「SPiCYSOL」と変換されるように登録されています。
コロナ禍で不安だった時期に、3名のメンバーが茅ヶ崎を居住地に選んでくれて、茅ヶ崎に住んでいた私はすごく嬉しくて。
Culture Cruiseも少しずつインタビューの幅を広げていくことができてきた頃でした。
茅ヶ崎でのライブなども増えていき、10月に開催された茅ヶ崎のビーチでのイベントに出演されるということで、姉家族と観に行きました。砂浜で食べた、姉が作ってきてくれたお弁当がとてもおいしかった。
そこで何となく背中を押されたのと、アルバムリリースを控えていることもわかっていたので、今しかないという感じで翌日、インタビューのオファーをさせていただきました。
そして快くお引き受けいただき、取材することができました。
いろいろと抱えている思いもあったかもしれないのに、そこでの4人は笑顔で迎えてくれて、いい時間にしてくれて、本当に素敵な方々で。
4人それぞれが、違った優しさを持っていると思いました。だからあのような、優しさが複雑に混ざり合った曲ができるのだなぁと。
私の一方的な愛情を、スタッフさんも引かずに受け入れてくださって、一つ一つ丁寧に対応してくれました。
インタビューできたことももちろん嬉しいのですが、今までずっと聴いてきた曲たちが、こんなに素敵なチームによって世に出されていたということが分かって、それが何よりも嬉しかったのです。
アーティストにインタビューした作品(アルバムやシングルなど)は、何年経っても、自分にとってずっとずっと特別な作品になります。
イントロを聴いただけでインタビューの光景や、その日に向けて準備していた自分の姿が蘇ったりします。
SPiCYSOLの『SEASONS』も、すでにそんな作品になっていました。
活動休止前の最後のアルバムとなり、その思いはさらに強まることになった今日。
不安定な中で完璧なものをつくることは、想像以上に難しいはずですが、4人最後のクリスマスライブも、ポジティブで素晴らしかったです。
最後まで笑顔でいてくれて、本当にありがとうと伝えたいです。
SPiCYSOLは自由気ままなライフスタイルの中で生まれていく曲が素晴らしいので、最善を目指して針路を変えていくことも、SPiCYSOLらしさではないかなと思います。
バンドはバンドメンバーのものだし、メンバーが楽しんでこそ、存在できるものだと思いますし。だからバンドはかっこいいのです。
4人の才能が、これからも輝き続けることが一番大切です。そのために、時に形を変える選択があっても、何も不思議ではありません。
それはこれまでの作品を守ることにもなるのかなと、個人的には思っています。
今までの曲を今までと同じ気持ちで聴くことができたり、自分勝手に昔と比較せずに、むしろより大切に感じることができるはずです。
もし今の状況で『SEASONS』のインタビュー記事を書くとしたら、自分が最後に「Far Away」を選ぶ結末を書き換えるだろうかと、考えながら記事を読み直しました。
でも4人へのリスペクトの気持ちはまったく変わらずにあるので、やはり何も書き換えないだろうと思いました。
そして4人が選ばないことを選んでくれたおかげで、この先も大好きなSPiCYSOLの曲を、あれもこれもといろいろ聴くことができそうです!
▼今こそSPiCYSOLの素晴らしさを全人類に伝えたい!
ひとまず、ここまでたくさんの素敵な曲を残してくれて、ありがとうございました!
これからも4人を、これまで以上に応援し続けます。
またやろうかなっていう時が来たら、自由気ままにいつでも戻ってきてほしいです。
文 / 長谷川 チエ
▼取材させていただきありがとうございました!