【PKCZ®︎インタビュー】3年間の活動を1つの形にした「フルーツバスケットみたいなアルバム」

PKCZ®︎がCulture Cruiseに初登場! 今回はEXILE MAKIDAIさん、DJ DARUMAさん、白濱亜嵐さんに、7年ぶりのリリースとなるアルバムや、単独ツアーについてお話を伺いました。

『Put Your Hearts Up, Everybody Jump Up』

ーー今回のアルバムは2021年のシングルも収録されていて、亜嵐さんが加入されて以降の3年間の活動が集約された作品になっていますね。

白濱亜嵐(以下、白濱):そうですね。第2章と言っていいんですかね、スタイルは変わって、「PLAY THAT(feat. 登坂広臣, Crystal Kay, CRAZYBOY)」も歌い直しています。

EXILE MAKIDAI(以下、MAKIDAI):亜嵐加入後の楽曲を中心にした、めっちゃ濃いアルバムですね。めざせアルバム! というよりは、その時に必要なシングルをリリースして、ライブやイベントだったり、昨年の感謝祭を経て、ライブで盛り上がる曲をプラスしてアルバムになったという制作でした。

白濱:今までのPKCZ®︎とは、違うまとまり方のスタイルのアルバムですよね。

DJ DARUMA(以下、DARUMA):聴きごたえはめっちゃありますよね。3年間の活動が一つの形にちゃんとなっているなっていう印象でした。きちんとライブ映えもする曲が多いなという感じです。

白濱:曲調が全部おもしろくて、フルーツバスケットみたいなアルバムです。

ーーいい例えです!

DARUMA:出ました。

白濱:お見舞いでよく持っていくやつ(笑)。次のアルバムタイトルにできそう。

MAKIDAI:今言った言葉が形になるという意味では“Put Your Hearts Up”という言葉自体が、去年のライブツアー中にできたんです。「“Put Your Hands Up”はあるけど、ハート(指ハート)を掲げるHearts Upってよくない?」ってライブのMCでみんなで話してて。「じゃあそれ曲にしたらよくない?」って。偶然の産物を具現化するというのは、PKCZ®︎ではあるあるかもしれないね。

白濱:「煩悩解放運動」もそうですもんね。

ーーどんなタイミングを迎えたらその言葉が出てくるのでしょうか(笑)?

DARUMA:トップラインがすでにあったんですよね。それに合う言葉ないかなって言っていたら亜嵐が「煩悩解放運動」って。「それウケる!」みたいな。

白濱:韻も踏んでてちょうどよくて。まともなこと何も考えてない証拠ですよね。

DARUMA:まともじゃなさそうなことを、一生懸命考える(笑)!

ーー思いつくのがすごいです。

白濱:僕けっこう、気になったワードはiPhoneにすぐメモるようにしているんですよ。別軸ですけど、BiSHさんの曲を作らせていただいた時に、「脱・既成概念」っていうぶっ飛んだ内容だったんですけど、それこそPKCZ®︎バイブスというか、PKCZ®︎で学んだことを活かしたりとか。ワードから始まることも多いですよね。

MAKIDAI:「脱・既成概念」も強いね。「煩悩解放運動」と通ずるものを感じる。

白濱:日本語っていっぱい種類あるからおもしろいですよね。

MAKIDAI:「PLAY THAT’24(ALAN ver.)」もどうしようかといろいろなタイトルが出て、最終的にめちゃシンプルな、分かりやすーいところに落ち着いたね(笑)。

PKCZ®︎って1人で歌うべきじゃない曲がいっぱいある

ーーアルバムを作ろうという話はいつ頃から出ましたか?

MAKIDAI:今年ツアーをやるから、だったらアルバムを出すのがいいよねっていう話になったのが1年前くらいです。ガチガチに「何曲で出そう」と決めてもそのままいかないこともあるし、どちらかというと流れを丁寧に、みんなで通ってきた道をアルバムにした。そっちの方が強いですね。その根底にあるのは、感謝祭でその場に集まった人がみんな楽しめるというコンセプトですかね。

DARUMA:曲数を数えてみたら、アルバムにできるじゃんという話になったという方が正しいかもしれないですね。デジタル配信なので、アルバムという概念も果たして何ぞや感もあるんですけど、せっかくなのでプレイリスト的にまとめようという感じですかね。

ーー表題曲の「Put Your Hearts Up, Everybody Jump Up」は、一足早く先行配信されましたね。

DARUMA:リスニングとしても楽しんでいただきたいんですけど、フロアでどういう反応になるか、次のライブが楽しみですね。

MAKIDAI:うん。PKCZ®︎のライブは、みんなが参加できるポイントをいかに作って、そこに向けてどういう波を作って盛り上げるかというのがあって。王道なんですけど、前回のツアーのDJソロコーナーでDARUMAさんがやっていた、みんなでしゃがんで一気に飛ぼう、みたいなメソッドを曲にして。楽曲聴いてあの歌詞がこう、というよりは、ライブで「こういうことか!」っていうのがわかると思います。

白濱:ラップも楽しかったです。僕も「Gekkabijin」とか「HARD LUCK MADNESS」では自分でラップを書いたりもしていたんですけど、人に作っていただいて教えてもらうのは自分にない引き出しなので、すごく勉強になりました。

MAKIDAI:CHOちゃん(P-CHOさん)もベタ褒めだったよ。「やばいなぁ、ラッパーやなぁ」って(笑)。

白濱:CHOさんのラップがめっちゃ好きで、DOBERMAN INFINITYのアルバムとか聴いていたので、インスパイアされてやりやすかったです。

ーーMAKIDAIさんは、亜嵐さんのラップを聴いてみてどうでしたか?

MAKIDAI:最初はこのBPM、派手なトラックで韻もベタ踏みで、分かりやすくいこうというスタートだったんですけど、もうちょっとトリッキーでもいいかもねということでアジャストしたんです。その時の亜嵐の対応が早くて、全然違和感なく、何の心配もなくというか。CHOちゃんだったり、普段一緒に録ってくれているLucas(Valentine)くんもいて、みんなで亜嵐の成長速度の速さに驚いて。全然偉そうな意味じゃないんですけど、「そんなすぐできちゃうものなんだ」って思いましたね。それはもちろん、たくさん努力しているからだと思いますけど。あとはガヤでDARUMAと自分も、ライブでも合いの手を入れられるようにバイブスを注入して、参加型楽曲になっています。

アイディアの種をいっぱい集めて、蒔く方向を選ぶ

ーー新曲についても伺いたいのですが「So Tight」、この曲すごくいいですね。

白濱:ありがとうございます! これは一番最後に仕上がった曲ですね。

DARUMA:これREC大変だったよね!

白濱:「GLAMOROUS」も歌うパートが多いので、僕の中ではけっこう大変だったんですよ。でも「So Tight」は、レベチでやばかったですね。360度包まれているような空間の曲の作り方になっているので、ハモリを重ねるのが多くてめちゃくちゃ歌いました。5〜6時間ぶっ通しだった。

DARUMA:しかも予備日が取れなくて時間もなくて。「行くしかねぇ!」みたいな(笑)。

白濱:でもすっごく勉強になりましたし、鍛えられました。このアルバムを録っていて気づいたんですけど、PKCZ®︎って1人で歌うべきじゃない曲がいっぱいあるんですよ(笑)。

DARUMA:ライブ仕様なのに、いざライブになったら超やべぇみたいな。

白濱:作ったかたも、5〜6人組で歌いまわす前提で作ったんじゃないかって。歌も被ってるし。でも、だからこそ間が埋まっていてめっちゃ盛り上がる曲になるんですよね。グループ用に作った曲って間が埋まるので。でも楽しいです。「So Tight」は特にそういう曲で、これはDARUMAさんが入れようって言っていましたよね?

DARUMA:「So Tight」は「煩悩解放運動」と同じタイミングで作っているんですよ。FUJI ROCKでJOMMYがかけてるんですよね。その時はまだトップラインがJAYʼEDくんバージョンで。「この曲やっぱりいいよね」っていう話をしていたんですけど、ずっとそのままになっていたんです。それで、僕もすごく好きな曲なので、アルバムを作るんだったらあの曲完成させたいなというのがあって。めちゃスケジュールがない中、亜嵐が頑張ってくれました。

白濱:歌詞も面白くて、恋愛と思いきやスニーカーの歌っていう。僕も靴集めたりするので、気持ち分かります。PKCZ®︎のリリックって一筋縄ではいかないところがあるので、いろんな受け取り方ができるワードですね。

ーー先ほどおっしゃっていた、勉強になったというのはどういう部分ですか?

白濱:JAYʼEDさんにディレクションに入っていただくと、JAYʼEDさんってすごく上手なので、たまにJAYʼEDさんにしかできない歌い方を指示していただくことがあって、僕の声帯ではそれは…。

ーー無理なんですけど?

白濱:無理なんですけど! って(笑)。でも聴くだけで勉強になるんですよね。本当に先生のようで、レコーディングが一番勉強になります。

ーー亜嵐さんはEXILEやGENERATIONSなどの活動とも並行されていて、PKCZ®︎の時は切り替わったりするものですか?

白濱:特にないですね。1個のことをずっとできない性格で、GENEが忙しくなると、PKCZ®︎の活動がたまにあると気が楽になったり、俳優業をやっている時は、グループに戻ると楽しかったり、逆もあったりするんですけど。多岐にやることによって、すべてが息抜きになるという感覚がすごくありますね。

ーー相乗効果になっているんですね。

白濱:そうなんですよ。1つのことをやり続けてスペシャリストになるって相当難しいですし。

DARUMA:心のバランス的にもね。

白濱:そうですね。僕めちゃくちゃ散歩したりサウナ行ったりするんですよ。1人の時間を作って。そこで浮かんだヒントを、メモって振り分けたりするんですよね。これはソロに使えるとかPKCZ®︎に使えるとかGENEに使えるとか。アイディアの種をいっぱい集めて、蒔く方向を選んでいくっていう。

ーーそのメモのフォルダは別々になっているんですか? それとも最初は1つで、後で適したところからピックアップするのか。

白濱:フォルダごとに分けていますね。メモはよくするようにしています。

ーー他での活動がPKCZ®︎さんの活動に影響を与えることって、例えばどんなことがありますか?

白濱:ライブのセットリストとか。流れを組むのは、グループで培ってきた感覚がすごい活きるなと思いますね。間を埋めるところと、意図して間を作るところとか。楽曲制作は通ずる部分があるので、逆にGENEに活きてきたりもします。

音を浴びに行ける『PKCZ®感謝祭2024』

ーーもうすぐ感謝祭も始まりますが、どんな内容になりそうでしょうか?

白濱:もう死ぬほど疲れると思います(笑)。お客さんも僕らも。フィットネスみたいに汗だくになると思いますね。4つ打ちでアップテンポな曲がPKCZ®︎のスタイルであり強みでもあるので、間違いなくスーパー熱い空間になると思います。EXILE TRIBEのライブだと、後半とかに盛り上げゾーンがありますけど、PKCZ®︎はずっと盛り上げゾーンなので(笑)。あと、僕らはクラブとかライブハウスでやるので、LDHの中でもお酒飲みながら音を浴びに行けるライブになるかなと思いますね。

DARUMA:お客さんもビール片手に持っていて、うらやましいなとか思いますよね。いいなーって(笑)。ただ僕はライブで演者側の場合は、怖くてお酒飲めないですけど(笑)。段取り間違えたら最悪だから。

MAKIDAI:音楽の中にいるとそれだけでハイになっていけるし、やっぱり楽しいなってなりますよね。DJスタイルで歌唱があってお客さんも参加できて、楽曲もPKCZ®︎だけじゃなくて海外の曲だったりLDHの楽曲もあります。それをブースから出すので、アルバムを聴かないで来ても楽しめるかもしれないですね。

DARUMA:楽しみたいという気持ちがあれば、それで十分です。きっと楽しめると思います。

MAKIDAI:舟に乗ってくれればね。

白濱:インバウンドのお客さんも来てくれないかなと思いますけどね。

DARUMA:迷い込んでもらって(笑)。

白濱:でも、クラブイベントとかアフターパーティーとかをやれるLove Dream Happinessすごいですよね(笑)。ちゃんとナイトライフを提供してるLDHのユニットって貴重だと思います。

MAKIDAI:DARUMAさんだったり、クルーのJOMMYがいろんなところで関わってくれて、クラブカルチャーの脈略を牽引しているところがあるので、やりやすいのかもしれないですね。

白濱:僕も、20歳になって人生で初めてクラブに連れていってもらったのはDARUMAさんなので。

MAKIDAI:戦慄のデビューだよね(笑)。

ーー感謝祭の後はまたアイディアが出てきそうですね。今後やりたいことはありますか?

MAKIDAI:まずはライブツアーの感謝祭を2024年バージョンで。さっきも話にあがった、やっていく中で生まれた発想がその先の曲になるというのは今回もきっとあるので、これを集中して丁寧にやるというのが間違いないことですね。あとは亜嵐の「夏曲をやってみたい」というアイディアだったり、カバーとか、元々あった盛り上がる曲をライブに活きるようにリニューアルしたり。イベントもできたらいいなと思います。

DARUMA:まずはライブを楽しんで。この間も「ライブセット作るの大変だー」と思いながら会議室のドアをガラッと開けたんですけど、いざやり始めたらすごく楽しくて。だからライブは続けたいのと、続ける以上は作品を出していくことになるので、もうひと規模大きい会場がベースになったら最高だなと、個人的には思っていますね。Zeppクラスをコンスタントにやっていけるようにしたいです。やりたい演出の希望が少しずつ叶えられるようになってくるので、僕らが頑張ってぴけし隊の人数を増やして、ライブ規模が上がっていったら嬉しいなと思っています。

編集後記

今回はPKCZ®︎の制作部屋にて、初インタビューをさせていただきました。

最初に「どうぞどうぞ!」と明るく招き入れてくださったのは亜嵐さん。

「いつもお世話になっております」と優しくて礼儀正しいMAKIDAIさん。

「時間は気にしないでくださいね」「机も動かして大丈夫ですよ」と気遣いにあふれるDARUMAさん。

話を振ると、誰からともなくテンポよく会話を繰り広げてくれて、PKCZ®︎のチームワークの良さを実感しました。

“フルーツバスケットのような”このアルバムも、PKCZ®︎らしさを保っているのはそんなチームワークの良さがエッセンスになっているのかもしれません。

偶然の産物を見つけるためには丁寧な制作やパフォーマンスがあってこそで、そこに気付ける好奇心と、クリエイティビティに満ちたユニット、そしてアルバムだと感じました。

感謝祭でどんなアイディアの種が生まれ、どんな花を咲かせるのか、楽しみにしています。

インタビュー・文 / 長谷川 チエ


PKCZ®1st Digital Album
『Put Your Hearts Up, Everybody Jump Up』

配信リンクはこちら

<ミュージックカード>

2024年6月1日(土)発売
・XNLD-10225
・価格:税込2,530円(税抜2,300円)
・収録曲:全11曲(共通楽曲)

『PKCZ®感謝祭2024〜Put Your Hearts Up, Everybody Jump Up〜』

6/20(木) 東京 Spotify O-EAST
6/27(木) 大阪 GORILLA HALL OSAKA
7/14(日) 福岡 UNITEDLAB
7/15(月・祝) 広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
8/1(木) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
8/2(金) 名古屋 DIAMOND HALL

詳細はこちら

PKCZ®オフィシャルサイト:https://www.pkcz.jp




ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!