【KID PHENOMENONインタビュー】7つの武器で挑む3年目の覚悟とこの夏の青春「Sparkle Summer」

KID PHENOMENONが初登場。8月20日リリースの「Sparkle Summer」についてや、デビュー3年目の意気込みなどを伺いました。

今じゃないと表現できない楽曲

──新曲の「Sparkle Summer」はアルバム『PHENOMENON』以降初のシングルということですが、1月に1st アルバムをリリースしてみていかがでしたか?

夫松健介(以下、夫松):前回のアルバムでは、楽曲はもちろんビジュアルも自分たちの世界観を投影していて、パッケージもかわいいと言っていただいたり、KID PHENOMENONらしいアルバムができました。「雨上がりのDiary」は自分たちで歌詞を書かせていただいて、曲を聴いて涙したと言っていただけたくらい、自分たちの想いを込めた曲でした。曲の幅が広いなと思っていたら、今回の「Sparkle Summer」もまた全然違うジャンルの曲なので、本当に自分たちはいろいろな楽曲を表現しているなと実感しています。

山本光汰(以下、山本):今回の「Sparkle Summer」は3曲新曲ということで、テーマとしては一瞬の輝きというイメージが強い楽曲です。僕たちもオーディションで感じた青春の時間とか、今もそうなんですけど、青春というワードを聞くと若さを思い浮かべると思います。でも皆さんが今感じる楽しさとか思い出を青春という言葉に例えて、共感性を持ちながら、皆さんに夏を感じてほしいという思いで制作しました。

遠藤翼空(以下、遠藤):青春の甘ずっぱさは今の僕たちだから表現できる曲で、逆に今じゃないとだめな気がしていて。20歳前後の年齢で、これからたくさんのことを知っていく時だからこそ歌える楽曲だと思っています。今の若さが弾ける感じが伝わってくれると嬉しいなと思います。

──デモを聴いた時の印象はいかがでしたか?

佐藤峻乃介(以下、佐藤):季節に合わせた楽曲は初めてだったので、前作とは雰囲気がガラッと変わったさわやかな楽曲だなと思いました。聴いた時に情景が浮かびやすいというか、こうやってライブしているだろうなとか、こういうシチュエーションでこの楽曲を聴いてもらえるんだろうなというのが具体的に浮かびやすかったので、レコーディングする前からワクワクもありました。ファンの皆さんとライブとかで一緒に楽しめたらいいですね。

夫松:ライブで新しいテイスト、新しいボルテージの上げ方ができる楽曲が増えたなと思います。

──そこから歌入れした状態の曲を聴いてどう思われましたか?

鈴木瑠偉(以下、鈴木):光汰と翼空のボーカル2人がメインで歌っているんですけど、2人が歌うことで曲の良さがすごく出ましたよね。僕は2人の声が好きだし、2人の出すニュアンスが大好きなんです。それがこの1曲、約3分の中に詰まってて、2人のボーカルを聴けるのが嬉しくて楽しすぎて、逆に感極まって。この瞬間最高だなっていうまた違う感動があるなと思いました。

──瑠偉さんはおふたりのボーカルのどんなところがお好きなんですか?

鈴木:メロディごとに声色が変わって、楽しい中にも切なさとか、青春を思い浮かべるかのような気持ちの入り方だったりとか。ブリッジで曲のテンション感が落ちて、それまでのメロディと全然変わるんですけど、そこも聴いててすごく沁みるんです。そしてラスサビで盛り上がる2人の声で素敵なものに仕上がっていて、その緩急がすごく好きです。

山本:めちゃくちゃ光栄です(笑)。メンバーからそういう声が聞けるとやりがいを感じますね。

──ファルセット一つでもたくさんの変化があったり、「歌が上手いですね」だけでは言葉が足りなくて、もっと具体的に褒めたくなりますよね。

佐藤:ありがとうございます。そうなんです(笑)。

鈴木:表情まで見える声ですよね。

夫松:うちのボーカルはすごいんです!

──表現する上で、なにか細やかに意識されていることがあるのでしょうか?

遠藤:情報って視覚が一番わかりやすいと思うんですけど、楽曲はほとんど耳からの情報じゃないですか。耳からだけだと情景を想像するのがちょっと難しいと思うんです。それでもその情景を思い浮かべてもらえるような表現ができるようにしたいと思っていますし、少しの工夫だけで全然印象が違ったりするので、その研究は怠らないようにしています。

夫松:すごいですよね、真面目なんです。

──ラップのほうはどうでしょうか?

川口蒼真(以下、川口):短いパートでみんなの掛け合いがあるんですけど、そこでどれだけ自分を出せるか、レコーディングではディレクションしてくださった方も「他のメンバーと全然違う感じにしてほしい」「自分がやりたいようにやってみて」と言ってくださって。短くても、一瞬だけでも自分たちの色が出ていて、みんなの声が合わさるところはKID PHENOMENONの色が出ていてより自分たちを表現できた曲になったと思います。みんなで録ったパートは、5人で一緒にブースに入って同時に録りました。マイクを囲んで顔を見合わせながら、各々の青春を思い出しながら楽しく歌いました。

遠藤:その瞬間も青春ですよね。

──先日はリリースイベントで初めて披露されていましたよね。

岡尾琥珀(以下、岡尾):曲名のとおり夏っぽい感じというのは皆さんも予想していたかもしれないですけど、ただ楽しいだけではなく熱い曲でもあるので、パフォーマンスから熱さを伝えられたんじゃないかなと思います。今回サビはがっつり踊っているんですけど、バースは7人で固まっていたり遊んでいるような感じの構成もあるので、反応を見ているとファンの皆さんも好きそうなパートが多く楽しんでくださっていた印象を受けました。エモーショナルな楽曲なので、楽しみながらもエモく浸れるし、いろんな表情になってもらえる楽曲だと思います。

──2曲目の「Snakebite」も難しかったのではないでしょうか?

山本:そうですね。リリックをSHOKICHIさんが書いてくださっていて、デビュー曲と「雨上がりのDiary」以来なので、作詞でいうとデビュー曲ぶりにSHOKICHIさんに携わっていただいて、改めて初心を思い出しました。SHOKICHIさんのキャラクター性だったりバイブスがこの楽曲にはたくさん入っていて、自分としてもSHOKICHIさんのディレクションを受けながら、この楽曲の意味とか表現する上での世界観もお聞きしつつ、一つ一つ丁寧にレコーディングしました。SHOKICHIさんはどちらかというとフィーリングというか、1回やってみて自分で感じてほしいというタイプのディレクションなので、自分なりにけっこう考えました。難しいところもあったんですけど、いい曲に仕上がったんじゃないかと思います。

夫松:3曲目の「Lemonade」も夏っぽい疾走感と、青春、アオハル!という感じの曲で、みんなで一緒に歌えそうな曲なので、披露して皆さんの反応を見るのが楽しみです。

「来年につながるような努力を」

──今回は8月23日のデビュー日に近い日にリリースとなりますが、デビューからの2年間で印象的だった出来事は何ですか?

佐藤:今パッと浮かんだのは…クリスマス会!

夫松:そこー(笑)? やったけど。

遠藤:かわいい。

川口:プレゼント交換したよね。

佐藤:みんなでピザを頼んでチキンを買って、着れる人はサンタさんの格好をして、みんなでクリスマス会をしたんですよ。

──配信とかでもなく、プライベートでということですか?

佐藤:はい、そうなんです。プレゼント交換もして、いやかわいすぎるだろと思って。年頃の男の子たちがここまでできるのって、なんか素敵だなと思いました。

岡尾:去年も一昨年もやりました。

夫松:去年がちょうどシングルのリリースタイミングと一緒で、オンライントーク会があったんです。その帰り道でピザを買いまして、大きいのを3枚買ったんですけど、2分半でなくなって7人でラーメンを食べに行きました(笑)。

佐藤:ここ半年くらいかな、最近感じるのが、みんな見た目が大人っぽくなったなと思って。

夫松:あっありがとうございます。

佐藤:健介はあんまり変わってないけど(笑)。母からデビューした頃の写真が送られてきたんですけど、みんな顔つきが変わって、大人っぽくなれたのかなという感じが少しありますよね…やっぱりクリスマスパーティーがすごく楽しかったです。

夫松:なんでやねん(笑)。みんなでグループ会議したのは去年の年末やっけ? 僕も一瞬ネガティブモードだった時期があって。グループとしても改めてどうやって頑張っていくべきかというのを話した時に、結束力が増したというか。自分たちのスタイルをもっと貫いていこう、そのために自分たちで動けることは動いていこうということになって、自分たちから発信していくようになったのもあるのかなと思っています。会議はちょこちょこやってはいるんですけど、みんなでしゃべった後のいくぞ!っていう熱いのが好きなんです。最近もファンミーティングが始まるので、それに向けてこの活動とどう向き合っていくのかを話して、今はもう結束力ががっちゃんこ時期ですね!

──3年目はどんなことに挑戦していきたいですか?

夫松:クリスマス会の規模を大きくする?

佐藤:ピザが足りなくならないようにしたいです(笑)。

川口:KID PHENOMENONの魅力を多くの方に知ってもらうこともそうですけど、7色で1つになるグループになりたいです。もちろん今もそれぞれの個性は強いんですけど、1人1人の武器を…刀とか斧とか。最強の1人が7人いるという風になれば、7人の時は最強ですし、1人欠けても大丈夫…いやだめだ(笑)!

夫松:7人じゃないとだめやから!今それを話してるところや(笑)。

川口:最強の1人が7人、7種の色を持てるようになりたいです。

岡尾:デビュー前からずっと、たくさんの方に知っていただきたいと言い続けているんですけど、3年目はその大きなきっかけになるものを作りたいなと思います。みんなもっと上にいきたいと思っているので。チャンスが来た時にいつでも応えられるように。チャンスを掴めるように準備をして、3年目こそそれを掴みたいと思います!

鈴木:この夏もいろんなイベントにたくさん出演させていただいたり、ツアーも続きます。3年目に突入するこの夏を乗り越えて、来年につながるような努力をし続けます。必ず多くの人の目につけるような1年になるように、今本当に一致団結している状態です。この7人誰1人も欠けずに突き抜けて、そして誰も届かないような存在になれるように、それを何十年先も続けられるように、頑張りたいと思っています。

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ

KID PHENOMENON
5th Single 「Sparkle Summer」


2025年8月20日(水)リリース

▼Streaming & Download
https://KIDPHENOMENON.lnk.to/SparkleSummer

▼ご購入はこちら
https://kidphenomenon.lnk.to/20250820_5thSingle_PKG

▼KID PHENOMENON 公式サイト
https://www.kidphenomenon.jp/

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。