【インタビュー】MA55IVE THE RAMPAGE「LDHやTHE RAMPAGEで得たエンタメを新しい形に」

4月30日に「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」をリリースしたMA55IVE THE RAMPAGEが初登場! 新たなプロジェクトや全員参加のご飯会についてなど、お話を伺いました。

『MA55IVE UNION Project』第1弾

──今回のリリースは4曲収録のシングルということで、聴きごたえのある作品ですね。

LIKIYA:今回初めてサンプリングでCrystal Kayさんをフィーチャーさせていただきつつ、タイアップのある楽曲も2曲入っていて、MA55IVEの活動が有意義になりつつも作品にしっかり落とし込めているところに、いい形ができているなという感覚があります。今までHIPHOP色の強い楽曲が多かったんですけど、こうして新たな色を出せたことが良かったと思っています。

浦川翔平(以下、浦川):肩の力を抜いて聴けるような楽曲が揃いました。「MY PRIDE」もこれまでMA55IVEがやってきたような、HIPHOPがベースの真骨頂という部分もあるんですけど、後ろに少し下がって歌っていたり、全体的にライトな感じで流し聴きできるような楽曲が並んでいます。昨年のクリスマスに配信した「イルミネーション」は季節外れではあるんですけど、季節曲はずっと制作したくて、今回入れることができました。1曲1曲にいろんな表情があるので、「私ってこういう曲好きなんだな」と好きな楽曲を見つけて聴き比べしていただけると嬉しいです。

──Crystal Kayさんとは番組での共演もされていますが、具体的にはどのような流れでコラボすることになったのでしょうか?

神谷健太(以下、神谷):『MA55IVE UNION Project』というプロジェクトとしてフィーチャリングとかをやっていこうというタイミングだったのですが、制作で入っていただいているChaki(Zulu)さんのアイディアで、第1弾はレギュラー番組でも一緒に歌ったりしたCrystal Kayさんがいいんじゃないかというお話になり、「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」ができるきっかけになりました。

山本彰吾(以下、山本):番組で各アーティストとコラボしてパフォーマンスをするという企画があったので、Crystal Kayさんと何かやりたいねという話になって、僕らもマイクを持って何かできるかなって。

──原曲のm-flo loves Crystal Kayの「REEEWIND!」にはどんなイメージを持っていましたか?

鈴木昂秀(以下、鈴木):原曲はその時代を彩ったおしゃれな曲だなと思います。今では出せないものがあって、ずるいなって。原曲ありきの作品なので、改めてその素晴らしさを感じました。

LIKIYA:僕はCrystal Kayさんの曲はデビューから聴いているので、「REEEWIND!」が出た時もずっと聴いていましたし、20年くらい前だったと思いますけどガッツリ聴いていた世代です。その曲を令和の時代にできるというのは不思議なことでもあって、嬉しい瞬間でもありました。

──原曲はノリがよくてm-floさんらしさもある楽曲ですが、それをサンプリングしてメロウな曲に変化させるために、どう落とし込んでいきましたか?

LIKIYA:楽曲自体はChaki Zuluさんがプロデュースしてくださって、藤田織也くんも制作やレコーディングのディレクションをしてくれて、メロウに収まりましたけど、歌ものっぽい曲なので歌にはちょっと苦戦して…今回は難しかったですね。普段はラップが主となっているので、言い回しとかフロウも難しかったですし、僕は声が高い方ではないので、この低い声のままどうやって優しく表現していくか、どういうテンションとキーでいくのがいいのかと探りながらレコーディングしました。

浦川:自分も織也くんにディレクションしていただいて、今回はプリフックとかも歌ものでメロウな感じだったので「もうちょっとブレスを多めに、包み込むような感じで」とか、「手を差し伸べるような感じで」といろんなディレクションをしていただきました。あと、「歌詞をはっきり発音しないでください」とも言われました。〈離れないで please 離れないで〉の「れ」を「え」にするとか。歌詞をはっきりというよりは、音として聴かせるような感じでレコーディングしました。いつもはハキハキとやるので苦戦しましたけど、ディレクションをしていただいたおかげで、曲に馴染むアプローチになったと思います。

神谷:僕は原曲を聴いて練習していました。サビは僕が歌わせていただいているんですけど、こういうメロウな曲の時ってベタっとなるので、リズムに合わせて歌っちゃだめというか。バラードで陥りやすいんですけど、リズムを刻む歌い方にしないといけなくて。そこに沼ってしまったんですけど、Crystal Kayさんがすごすぎました。その短い間にビブラート置くんだ、とか、歌い方もすぐに修正してきたり。それを僕は全部手書きでメモして、レコーディングはめっちゃ勉強になりましたし、すごく楽しかったです。

──今作ではMA55IVEさんのどんな特徴を出せたと思いますか?

鈴木:歌もあまりやったことがなかったですけど、聴いたことのない声質でアプローチできたんじゃないかと思うので、面白い作品になったと思います。

山本:ちょっと大人なよさが見えたんじゃないですかね。落ち着きとチルな部分が、今までとは少し違うところだと思います。僕は普段鼻にかけて歌う方なんですよ。でも今回はお腹から声を出して歌ったりとか。歌を歌うのは苦手なので、それを藤田織也くんに聴かれるのすらも嫌でした(笑)。

浦川:織也くんご本人がね、上手すぎるんですよ。

山本:酔っ払ったら誰よりも歌うんですけどね。

鈴木:そこで出ちゃうんですよね、抑えてるものが。

山本:スタジオでは恥ずかしくなっちゃうんで、あんまり分からないように歌ったりしました(笑)。

音楽性の幅を広げていきたい

──今作が第1弾となった『MA55IVE UNION Project』は、今後どのように展開していくプロジェクトになるのでしょうか?

神谷:コラボをたくさんすることも決定していますし、このプロジェクトを立ち上げたからにはいろいろやります。全部が全部違う曲調とスタイルなので、今後は今回のシングル以上に散らかってきます(笑)。いい意味で。

──現段階ではどれくらい先までプランがあるんですか?

浦川:終わりは決めていないですね。

LIKIYA:フジテレビさんでやらせていただいている『MA55IVE BASE』という番組が起点となって『MA55IVE BASE presents UNLIMITED 01』のイベントを初めて開催させていただいて、そこが僕らの一つのユニオンの始まりでもあると思ってます。今後イベントもずっとやっていきたいという気持ちもありますし、どんどんMA55IVEの音楽性も幅を広げていきたいので、融合させていきたいなと思います。

浦川:10-FEETさんがやっている『京都大作戦』だったり、西川(貴教)さんがやっている『イナズマロックフェス』みたいに、MA55IVEがやるイベントの輪を広げていきたいです。今はZeppですけど、規模感もこれからどんどん大きくしていって、いろんな人が関わっていくと…いいですよね?

一同:へぇ〜。

──急にどうしたんだろう?

浦川:そういうモードだ? そういう時間来てるんだ? 14時16分(笑)。

──今回のシングルのパッケージには、『MA55IVE THE RAMPAGE 1st LIVE TOUR 2024 “M5V” at Zepp Haneda』のライブとドキュメンタリー映像が付いているバージョンもあるということで。

神谷:東京公演のライブ映像なんですけど、新しい監督さんや撮影隊に撮っていただいて、観ていて面白かったです。「こんな技法使ってくるんだ!」とか(笑)。僕らのライブって会場の熱だったり一体感があって、観に来ていただいている方々も楽しんでくれているのがステージ上からもめっちゃ分かるんです。その会場の雰囲気とか熱とかも伝わる映像になっているので、自信作です。

──THE RAMPAGEさんのライブともまた違いますし、その雰囲気を感じてもらいたいですね。

神谷:絶対に観てください! ファンじゃない方ほど観てほしいです。魅力伝わりまくります!

──健太さんの思うMA55IVEさんの魅力とはどんなところだと思いますか?

神谷:16人の時はパフォーマーなのでダンスで表現しているんですけど、MA55IVEだと声を出して、もちろんダンスもやりますし、一人ひとりがやりたいもの、やりたい音楽を作っているので。自分たちがやりたいと言うからには自信を持ってやっています。自分たちでゼロから作った曲もあるのでフィルターもかかってない、曇りもない。自分たちがやりたい活動をするという匂いもするんですけど、LDHとかTHE RAMPAGEで得たエンターテインメントというものがそこに必ず乗っかってきているので、LDHにはなかなかない新しい形かなと思います。

──THE RAMPAGEさんに対してMA55IVEさんでの活動というのは、どんな位置付けとして捉えていますか?

LIKIYA:ご褒美です!

鈴木:ご褒美タイムです。MA55IVEはTHE RAMPAGEとはまた違う楽しみ方で楽しんでいて、終わった後にみんなでご飯に行ってお酒を飲むっていうのが1セットです。

浦川:そこも入る(笑)? 男気じゃんけん会ね。

鈴木:16人だとお店的にも全員では行きづらいので、何組かに分かれたりするんですけど、MA55IVEの場合は5人全員で行くご飯会が楽しみです。そして男気じゃんけんでお会計をします(笑)。

今後グループでやりたいこと

──5人組の利点というのも感じることはありますか?

LIKIYA:機動力を出しやすいというところじゃないですかね。意見交換してすぐにスタッフさんに伝えることができるので、物事が早く進むイメージがあります。僕たちの意見があって、それを具現化できていることも多いです。THE RAMPAGEの場合はプロデューサーのHIROさんをはじめ、どういう形を作ってこうしていきたい、じゃあそのためにどうしようかという話になりますけど、MA55IVEは自分たちの意見を通しやすい状態で物事が進むので、そこが利点なのかなと思います。

浦川:MA55IVEだとご飯の時とかに、日常的に話し合ったりしていますね。ミーティングを入れるというよりは、普段から話しています。

──ご飯会はどれくらいの頻度で行くんですか?

浦川:ライブの度に。ライブがあれば、飯がある(笑)。行かない時があまりないくらいです。「あれ? 今日、この後どんな感じ?」とか誰かが言い始めて(笑)。

LIKIYA:スタッフさんも一緒に行くので、そこでミーティングができちゃう。

山本:たぶんスタッフさんもご褒美タイムだと思ってると思う(笑)。

──ご飯を食べながらの方がアイディアが浮かんだりとか、気軽に提案しやすいのもありますよね。

鈴木:たしかにそうですね。「こんな人とコラボしたい」とか、言いやすいですね。

──今後、MA55IVE THE RAMPAGEとしてやりたいことはありますか?

LIKIYA:海外でライブしたいです。

一同:いいですね!

山本:海外のアーティストとコラボもしたいですね。

浦川:やりたいというか、やる?

──もう決まっているんですね?

一同:えぇっとー…

──急に誰とも目が合わない(笑)。

山本:生バンドライブもやりたいですね!

浦川:違う畑に乗り込むのもありかなと。自分らはHIPHOPやっていますけど、ロックフェスとかミクスチャーとか、バンドとか。新しい畑を開拓できたらいいと思います。

鈴木:やってみてから、またやりたいことを探します!

──今後の展開も楽しみにしています!

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ

MA55IVE THE RAMPAGE 公式サイト


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。