【GENERATIONS 6ヶ月連続リリースインタビュー】白濱亜嵐が友人・Shintaro Yasudaと制作した「今のGENERATIONSだからできた曲」

GENERATIONSがメンバープロデュース楽曲を6ヶ月連続で配信リリースする『PRODUCE 6IX COLORS』。今回は第3弾として4月7日にリリースされた「Two Steps Back」をプロデュースした白濱亜嵐さんにインタビューしました。2024年のPKCZ®インタビュー以来、2度目の登場です!

第1弾:中務裕太さんインタビュー
第2弾:片寄涼太さんインタビュー

友達同士のコミュニティからできた曲

──これまでリリースされた2作品はどんな印象ですか?

白濱亜嵐(以下、白濱):(中務)裕太くんの「True or Doubt」は、Da-iCEの花村想太くんが書いてくれたJ-POPのストレートな曲で、(片寄)涼太の「気づいたことは」は、バラードでLDHっぽさもすごくあって王道のいい曲だなと思います。その2曲の流れがあるからこそ、今回の「Two Steps Back」は裏切り感があって、いいバランスでリリースできているんじゃないかなと思います。

──「Two Steps Back」の制作にあたって、最初にテーマは決めていましたか?

白濱:歌詞の世界観としては、大人の恋愛を描きたいというのがあって、曲はUSチャートに載ってもおかしくないような曲というのがテーマにありました。今までJ-POPシーンに合わせたものだったり、ファンの方に気に入っていただけるような曲というのを目指してきて、もちろんそれは間違っていなかったです。メンバーもそれぞれHIPHOPが好きだったりアメリカのカルチャーが好きだったりして、僕も元々ダンスを始めたきっかけはそれが軸にあったので、好きなジャンルというものを1回やってみようかなと思いました。

──そこからどのように進展していったのでしょうか?

白濱:最初はいろんな案があって、僕の時も王道のJ-POPをやろうという案もあったんです。日本の作家さんとかミュージシャンの方に声をかけようかなと考えたりもしたんですけど、それって他のメンバーでもできるなと思って。それで考えてて、「そうだ、俺Shintaroと仲良いわ」と思ったんですよね。プライベートでしか会ったことがなくて、本当に友達という感じだったんですけど連絡して「こういう曲をGENERATIONSでやりたいんだよね」っていうことを話して、そこからは速かったです。座組み、トップライナー、作詞の世界観も僕が伝えて、Shintaroが仲の良い友達周りでアメリカの作詞家さんとか繋げてくれて、すごくスムーズでしたね。

──完成した曲を聴いてみてどう思われましたか?

白濱:世界基準のトラックだと思うんですよ。だからファンの方はびっくりするだろうなということと、なにかきっかけがあったら再生もすごく回る曲になるんじゃないかなと思います。それがGENERATIONSでできたというのがすごく良いと思いましたし、今のGENERATIONSだから表現できる曲だなと思いますね。もちろん自分だけの力じゃないですけど、グランドデザインを描いたとおりにいきました。妥協することは一切なかったです。

──Shintaro Yasudaさんとはどういったお知り合いだったんですか?

白濱:飲み友(笑)? 友達とご飯に行った時にラッパーの子とかもいて、その中にたまたま日本に来ているLA在住のミュージシャンとしていたのがShintaroでした。その時は本当にご飯を食べただけだったのかな。

──オファーした時のお返事はどのような感じでしたか?

白濱:すぐに「やろう!」って言ってくれましたよ。「それめっちゃ面白いね」って乗ってくれて。あれだけのアーティストに楽曲提供している売れっ子なので、正規のルートでお願いしていたらこんな雰囲気ではなかっただろうなと思いますし、横のつながりで作品が作れたという過程が一番嬉しかったですね。友達同士でコミュニティができて、音楽を作っていくのがアメリカっぽいですよね。

──友達同士だからこそ生まれたノリや空気感も、制作には影響があったでしょうか?

白濱:そうですね、一緒にスタジオも入りましたし。Shintaroがたまたま日本に来ていたタイミングがあって、デモを持ってきてくれたので一緒にやりました。音楽ソフトも同じだったかな? 僕が触れるやつをShintaroも使っていたのでスムーズでしたね。2〜3ヶ月くらいで、余裕を持って作れました。どちらかというとボーカルが大変そうでした。

──前回のインタビューで片寄涼太さんも「亜嵐くんの曲はもう…本当に大変でレコーディングがめちゃくちゃ難しかった」とおっしゃっていました。

白濱:それはそうですよね(笑)。練習のプリプロに立ち会ったんですけど、ディレクションをしてくれた外国の方と涼太がめっちゃ英語の発音の練習してて、この場にいたら僕もやらされそうだなと思ったので帰りました(笑)。本当に頑張ってくれたと思います!

──ボーカルおふたりの声を聴いてどう思われましたか?

白濱:元々GENERATIONSがシングルを出した時に英語版も入れていたんですよ。だからずっと英語の曲をやっていたので、その経験が活きたと思いました。デビューしたのが僕だと19歳くらいだったんですけど、すごく成長できる時期だから、その頃に英語の曲をやれていたのは大きかったなと思います。大人になっていきなり英語詞の曲をやるよりもやりやすかったと思いますね。

──Shintaroさんとコラボしてみて、クリエイティブ面で刺激を受けたことはありますか?

白濱:僕も曲を作るので、すごいなと思ったのは音数が少ないことでした。これでいいんだ、これくらい音が少なくてもちゃんと埋まって作れるんだっていうクリエイティブ力というか。僕はダンスミュージックだからというのもあって、とにかく音を積んで積んで、隙間をなくしていくやり方なので。隙間の余裕感…すごいなと思ったけど自分ではできないだろうなとも思います(笑)。

──「Two Steps Back」の作曲のポイントはどこでしょうか?

白濱:今回はループトラックで、ひたすら同じコード感と同じリズムが繰り返し流れていて、トップラインでバースだったりサビを作っていくという洋楽ならではの構成になっています。日本の曲ってAメロ、Bメロ、サビがきてっていうコード感とストーリーがあるじゃないですか?

──ループだと別の部分でストーリーを作る必要がありますよね。

白濱:そうそう。今回の場合はメロディでストーリーを作っていて、普段とは真逆の作り方ができたので、ループトラックで歌の構成を作るというのがいいですよね。

──映像面ではどんなアイディアがあったのでしょうか?

白濱:アニメにしたいというのがまずあって、今回はHIPHOPプラスY2K感のある曲だったので、それをそのままやってもあまり面白くないかなと思って。Nuiさんに描いていただいて、画数ももう少し少ない予定だったんですけどさらに描いてくださって、クオリティの高いものができました。アニメにしたかった理由は、元々80年代のシティポップも好きなので、シティポップのリバイバルがきて、日本の昔のアニメっぽい表現のミュージックビデオもYouTubeに流れているのをよく観ていたので、この曲でそういうテイストの映像を合わせたらハマるんじゃないかなと思ったのでやってみました。

音質は海外のフロア仕様に

──現在のGENERATIONSにとって、新たな試みになったのはどんな点でしょうか?

白濱:こういう表現ができるんだというのを、世の中に伝えるきっかけになったと思います。今までは英語の曲をやっていたり、GENERATIONSで海外のレーベルから出したこともあるんですけど、広まりづらいというか、なかなか思ったようにいかないこともあったんですけど、今回の『PRODUCE 6IX COLORS』は一つひとつフィーチャーされる企画になっているので、それはすごくいいきっかけだなと思います。

──『PRODUCE 6IX COLORS』のプロデュースには「プロモーション」も含まれていますが、どのように展開していくのでしょうか?

白濱:うーん…DJに配ろうかなって(笑)。フロアでかかって映える曲じゃないかなと思うので、僕もDJをやっているから僕にある伝手で。今後この曲をたまたま聴いた人が「これGENERATIONSなんだ?」と思ってもらえることが、そもそもプロモーションになると思っています。この曲ができた時点で、僕の中では成功していました。

──フロアで聴いてみたいですね!

白濱:そうですよね! 音の鳴りとかニュアンス、音質とかも海外っぽくフロア仕様になっているので。最終調整のマスタリングも、PKCZ®とか僕のソロでやっているイギリスのエンジニアチームに、海外と同じ鳴りにしてほしいとお願いしたりしていて。今までのGENERATIONSではやっていなかったようなことをやってみました。

──普段から制作や、DJとしてのソロ活動もやっていらっしゃる亜嵐さんにとって、ご自身のグループのプロデュースをするというのはどのような感覚ですか?

白濱:グループって大きいからやりやすいなと思います。協力してくれる人も多いですし、GENERATIONSはやりやすいなと思いました。ソロでもいろいろと活動させていただいて、どちらもやれているからこそ分かることがありますね。ソロの場合は自分で売り込みますから、グループだとやれることも広がるなと思います。

──次回、第4弾は小森隼さんのプロデュース曲ですね。

白濱:僕の曲のフル英語の後に、こんなに日本語入ってくるの? っていう感じで(笑)、英語でハードルを上げて、日本語が次の作品でスッと入ってきます。曲調も全然違うので、面白いですね。メッセージ性がすごくあっていい曲です。

──この後のメンバー3人にはどんなことを期待されますか?

白濱:それぞれの強みを生かしてもらいたいです。この『PRODUCE 6IX COLORS』は横のつながりが見える企画なので、メンバーそれぞれの色が出ています。自分にしかないつながりというものを存分に見せて、いい曲を作ってほしいなと思います!

美術提供:山本亜由夢(MAKI Gallery)
撮影:小山恭史
インタビュー:長谷川チエ


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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。