BALLISTIK BOYZ「本当の自分たちを見てもらいたい」アルバム『Back & Forth』インタビュー前編

BALLISTIK BOYZ

2024年2月21日に3rdアルバム『Back & Forth』をリリースするBALLISTIK BOYZにインタビューしました。前編は今回も深堀未来さん、奥田力也さん、砂田将宏さんの登場です!

3rdアルバム『Back & Forth』

ーー約2年3ヶ月ぶりのアルバムリリースですね。どんな作品に仕上がりましたか?

奥田:自分たちで作詞・作曲をしている曲があったり、一つではなくいろんなジャンルの音楽が収録されていたり、僕たちの強みを感じていただける作品になったと思います。見た目だけではなく、僕たちのいちアーティストとしてのかっこよさや、リアルな音楽性というものを感じ取ってもらえると嬉しいです。

砂田:リード曲の「In My Head」は以前のシングルのデモに入ってたんです。その時からずっと好きで、いつかできないかなと思っていたので、このタイミングで決まって嬉しかったです。

ーー元々はシングル候補だったんですね。

砂田:はい。この曲を聴いて、テーマは自分たちで失恋ソングにしようと決めました。何かに例えたり遠回しな言い方よりかは、ストレートに伝える歌詞にしようということで、メンバーの未来・力也・利樹が作詞してくれました。とてもいい曲です。

深堀:でも僕らが代表して書いただけで、みんなで話し合いを重ねて制作しました。できた歌詞をすぐにメンバーに当てて、メンバーからも「ここはこういう言い方の方がいいんじゃない?」と意見をもらって、何回も繰り返しやりとりしながら完成しました。

ーー今作の中で一番早くリリースされたのが「ラストダンスに BYE BYE」で、1年9ヶ月ほど前ですが、BALLISTIK BOYZさんに初めてインタビューしたのがこの曲でした。

砂田:んー!そうか、そうでしたね。もう友達ですね、完全に。

ーー認定していただけるんですか?

砂田:もちろん! 逆にいいですか(笑)?

ーーもちろんです! 当時のインタビューでは、7人全員がこの曲が好きだと答えてくれたのですが、パフォーマンスを重ねてきて、楽曲の印象は変化しましたか?

砂田:変わらず好きですね。この曲で手応えを感じた一番の思い出は『D.U.N.K. Showcase』で、僕らのファンではない方々の反応がリアルでした。いい曲だなって浸ってるというか。そこで手応えがあったので、それは曲の力なのかなと感じます。

「N.E.X.T.」の制作

ーー今作の最後に収録されている「N.E.X.T.」もメンバーさんで作られた楽曲ですが、制作はどんな風に始まったのですか?

深堀:元々タイで半年間活動していた際に、日本で待っていてくれたファンの皆さんや、タイで応援してくれている皆さんに、改めて感謝の気持ちというのを感じたので、曲として表したいと思いました。僕がその時たまたま作っていたバラードの1曲を、メンバーのみんなも「いいじゃん」って言ってくれて、『N.E.X.T.』ツアーも控えていたのでそこからメンバーで話して制作しました。聴いた人がポジティブに、前向きになるような曲になったらいいなと思って、あの歌詞になりました。

ーーでは最初から「N.E.X.T.」という曲のゴールがあって作っていたわけではなかったんですね。

深堀:最初はライブでやるかどうかも分からなかったですし、リリースするとも決まっていない中で作っていました。タイでの活動は7人の絆がより深まった期間だったので、その期間で作ろうと決めて制作した曲です。

ーー奥田さんは「N.E.X.T.」の制作とどんな風に向き合いましたか?

奥田:日頃ファンの皆さんには、いいところを見てもらいたいと思っているのですが、実際はしんどかったり悲しかったりすることもあります。いろんな経験を経て、そういう等身大の姿も伝えないと本当の自分たちを見てもらえないと思ったので、楽曲を通して今の思いを伝えようと制作しました。もっともっとたくさんの方々に聴いて共感してもらえたら嬉しいです。

ーー砂田さんにとってはどんな曲ですか?

砂田:メンバーがゼロから作った曲を、グループとして歌ってリリースするというのが初めてだったので、大きな挑戦ができた作品だと思います。やりたいからできるというものではないし、今までの積み重ねや、周りの皆さんのおかげでできたことだと思うので、大切な曲です。未来ともサシで飲みながら話してたのですが、未来がこの楽曲を作ってくれた時に、僕は未来に今後も楽曲担当として曲作ってほしいな、任せられるなと思ったので、今後のBALLISTIK BOYZにとって大きなターニングポイントになる作品だと思います。

深堀:嬉しいですね。自分が作曲を担当して、みんなの意見をより具体的に作品に落とし込むことができれば、それはグループにとっていいことだと思うので、やってみてよかったですし、今後も挑戦していきたいです。

ーー「N.E.X.T.」のリリックビデオを拝見したのですが、深堀さんはメンバーさんのレコーディングにも立ち会っていらっしゃいますよね。全員のレコーディングに立ち会ったんですか?

深堀:そうですね。それも僕にとっては初めての経験で、最初は僕がデモを全部歌って、メンバーに覚えてもらったんですけど、デモ通りというよりかは、メンバーそれぞれのよさが出ればいいなと思ってました。初めてだったので、これをみんなが歌った時にどうなるんだろうってワクワクしていましたし、みんなもすごく真剣に向き合ってくれたのでありがたかったです。

点と点が線でつながったタイでの活動

ーーこのアルバムはタイで過ごした期間を象徴するような作品だと感じます。年月も経過した今、タイでの活動はどんな時間でしたか?

砂田:正直めちゃくちゃ大変で、当時は何が正解か分からない中で、とにかくチャレンジしてトライアンドエラーを繰り返して、という感じでした。時が経って、結果につながってきて、当時作った点と点が線でつながったように感じます。

奥田:しんどかった時期もありましたし、想像と違ったこともありましたが、そういう経験をしたからこそ「N.E.X.T.」という曲ができたのだと思います。その期間、いいことばかりで悔しい経験をしてなかったら、今みたいに自分たちで作詞・作曲したいという思いがここまで強くなっていなかったと思っています。未来が曲を作ってくれて、僕も作詞に参加させていただいて、自分たちで曲を制作できたということがタイでの大きな経験の一つだと思うので、内容の濃い期間だったと感じます。

ーー「想像と違った」というのは、具体的にはどんなことだったのでしょうか?

奥田:ライブだったりとか、イベントも、自分たちが想像していたような場所ではなくて、実際行ってみたらバスターミナルで、そこで踊ったりということもありました。そういった日本では経験できないようなことがたくさんあったので、想像と違うことはありましたが、でも逆にその経験がなかったら今みたいな音楽への向き合い方はできていなかったと思うので、今の僕たちのスタイルがあるのはその期間があったからこそだと思っています。

深堀:行く前から分かっていたことではあったのですが、世界に挑戦することの厳しさを再確認させられた経験でした。いろんな壁に当たることによって、メンバーひとりひとりが成長したと思いますし、それをしっかりと肌で感じながら、いい意味での焦りを生めた期間だったのかなと思います。それこそ力也が言った楽曲制作もそうですし、SNSの使い方だったり、ライブの作り方もそうですし、活動していく上で、今まで周りの方に任せていたことを、自分たち発信で考えられるようにはなったのかと思います。

ーー深堀さんにとっては楽曲制作においても、刺激を受けることが多かったのではないでしょうか?

深堀:「Drop Dead feat. TRINITY」でコラボさせてもらった、BOTCASHさんとの出会いがあって、そこからすごく刺激を受けました。普段やっていなかった音楽をやらせてもらって、直接プロデューサーさんと話す機会を初めて与えてもらって、趣味でずっとやっていたものの、作品を出そうとはまだ思ってなかったんですけど、空いた時間を勉強に使えたので、成長することができたと思います。だからこそメンバーも認めてくれたんだと思っています。

ーー今後も深堀さんの制作を期待していて良いでしょうか?

深堀:そうですね。いっぱい作って、準備万端の状態でいたいなと思います。


後編ではさらにアルバムについて掘り下げながら、『HIGHER EX』ツアーについてもお聞きしています。

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ

BALLISTIK BOYZ 公式サイト

▼後編はこちら

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!