PSYCHIC FEVERインタビュー前編「夢物語だった目標がチャンスに」夢への現在地

2024年11月4日に「TALK TO ME NICE feat. TAMP」をリリース、2025年2月にはUSツアーを行うPSYCHIC FEVERを取材しました。7人全員では初登場! 前編・後編に渡ってお届けします。

「TALK TO ME NICE feat. TAMP」

ーー今回の新曲「TALK TO ME NICE feat. TAMP」は『HEAT』ツアーで披露されていましたが、全公演でパフォーマンスされたんですか?

中西椋雅(以下、中西):そうです、初日からバンコク公演まですべての公演で披露しました。

ーーツアーで披露することは、制作時から視野に入れていたのでしょうか?

中西:今回もタイのプロデューサーのNINOさんに手がけていただいたのですが、曲自体はかなり前に出来上がっていたんです。『HEAT』ツアーはオープニングからアンコールまで、徐々に温めていきたいという思いがありまして、この楽曲もビルドアップしていく感じが表現されていて、熱量を高めていける曲調なので、リリース日も決まっていなかったんですけど、あえて入れるのが面白いんじゃないかということで。改めてツアーでもキーになった曲だったなと思います。

:レコーディングもタイで録りました。

ーーNINOさんがディレクションも担当してくれたのでしょうか?

半田龍臣(以下、半田):そうですね、NINOさんには「To The Top feat. DVI」から「FIRE feat. SPRITE」「BEE-PO」も制作していただいているので4度目なんですよね。一緒に制作させていただいて、毎回勉強になります。

ーー特にどういうところが勉強になりますか?

半田:NINOさんの楽曲は英語の歌詞が多めなので、英語での歌い方のアプローチの仕方も教えてくださったりして、新しい発見もできます。日本でのレコーディングとはまた違うので楽しいですし、新鮮な気持ちで毎回取り組めています。

WEESA:NINOさんとのレコーディングは毎回いろんな挑戦をさせていただけるので、僕も学ぶことが多いですね。デモに忠実にというよりは、自分のスタイルを大事にしてくれて「こういう風にやってみたら?」と歌い方にもアイディアをくださって、いつもその場で組み立ててくれるので勉強になります。

ーー今回フィーチャーされているTAMPさんも、これまで制作には何度か携わってくれていますよね。

中西:そうなんです。僕らの楽曲でもリリックやメロディを制作してくれています。何かとお会いすることが多くて、今までも一緒にレコーディングに入ってくださったりしていました。すでにコミュニケーションが出来上がった状態からスタートできたので、それも良かった点かなと思います。

ーーTAMPさんのボーカルの印象はどうですか?

渡邉廉(以下、渡邉):空間ごとガラッと雰囲気を変える声質がきれいで、爽やかでとろけるようなボーカルですよね。耳に直結して入ってきます。

半田:直結(笑)?

渡邉:じかに伝わるんですよ。TAMPくんまでの激しいパートがなかったかのような、まったく違う雰囲気になります。僕たちのパートも含めて、楽しめる部分がたくさんある楽曲になっています。

ーーレコーディングにはTAMPさんも一緒に入られたんですか?

JIMMY:レコーディングの時はまだTAMPくんがリリックを書いていたので、僕らが先に録りました。僕らも1日かかっていたので、TAMPくんのパートは仮で歌入れしてくれて、後で完成させたんですけど、バッチリなバースで返してくれました。

中西:NINOさんが作る楽曲は英語にタイ語が混ざるようなスタイルが多くて、今回は少しだけ日本語も入っていますが、僕たちにはない発想やセンスをすごく持っているので、信頼して制作できます。

ーーPSYCHIC FEVERさんの楽曲では英語をはじめ、日本語以外の楽曲も珍しくなくなってきましたが、やはり海外の方の反応は日本語詞の時と違うものなのでしょうか?

小波津志(以下、小波津):海外のファンの方はライブでも一緒に歌ってくださることが多いんですけど、英語の楽曲だとそれがより多くなるので、パフォーマンスしていても相槌をし合っているような感覚になります。英語の楽曲も増えてきたので、パフォーマンスも楽しみです。

JIMMY:MVも今回は新しい監督さんと一緒に作らせていただきました。曲のテーマ感にバッチリ合っていて、衣装も今日と同じなんですけど、黒をベースにしていて。汗をかきながら、汚れながらの屋外ロケでした。アグレッシブで挑戦的で、最近のPSYCHICの中では、より強さを出したMVになっています。

志さんのお誕生日祝い

ーーこの記事が公開されるのが、志さんのお誕生日の頃になります。

一同:おめでとう!

小波津:ありがとうございます!

渡邉:最高の誕生日にしたいね…。

中西:怖いな、目が笑ってない(笑)。

半田:いつも大事な役割を担ってくれてありがとうございます。これからも僕たちの先頭にいてください。

:逆に怖い(笑)。

WEESA:おめでとう。

小波津:ありがとう。毎年メンバーの誕生日には全員集まって誕生日会をするんですけど。

:今年はやらないよ(笑)?

中西:忙しいからね。

半田:こればっかりはしょうがない。

小波津:いつもはもっと素直なんですよ? 今のはちょっとネタみたいな感じで…。

中西:みんな志の誕プレ買った?

WEESA:俺買いました。え、買いました?

中西:買った買った。

半田:買いました?

渡邉:まだ買ってない。

JIMMY:セールが来るのを待ってる(笑)。

中西:いっぱい買えるからね。誕プレを持って、みんなでホームパーティーをするのが恒例行事なんです。

小波津:大丈夫ですか? こんな内容で。

ーー最高です。逆になにかありますか?

WEESA:ないです大丈夫です。

小波津:あれよ(笑)!

ーー先日、もう何周目かというくらいの『New School Breakin’』を見直したんですけど、パタヤの海辺でみんなでご飯を食べている回がありますよね。そこでBALLISTIK BOYZの日髙竜太さんが、夢が叶うところに向けて、今は何%まできているのかという話をしていて、志さんが答えていたんですけど、覚えていらっしゃいますか?

小波津:7%? 5%だったかな…。

中西:言いそう言いそう(笑)。

ーーまさに7%と言いかけて5%と答えていらっしゃったんですけど、現在はどれくらい進んだのか、ぜひお聞きしたいと思いました。

:深いですね! ちょうど2年前くらいですね。

小波津:今年は「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」で多くの皆さんに知っていただけて、いろんな夢も見させていただきましたし、USツアーも決まったので、10%!

渡邉:おー! いいね。

中西:人生長いですからね!

小波津:ここからが厳しいんですけどね。数字が大きくなればなるほど難しくなると思いますけど、まずは10%を与えてもいいんじゃないかなと思いました。

ーーありがとうございます。この流れで今年を振り返りたいのですが、印象的だった出来事をお一人ずつ聞かせてください。

:やっぱり「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」ですかね。『99.9 Psychic Radio』というEPにはかっこいい楽曲がたくさん入っていて、海外の皆さんにも聴いていただきました。よく「手応えはありますか?」と聞いてくださるのですが、手応えって自分だけの力では得られないですし、正直なかなか感じられなかったんです。自信はすごくあったんですけど。でも今年は「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」を突破口として、東南アジアを飛び出した瞬間だったり、行ったこともない国に行けたり、アーティスト人生の中でも手応えを感じられた年だったなと思います。それが同時に自信にもなって、新たなスタートという原点回帰にもなりました。それこそ『New School Breakin’』の頃に思い描いていたような、夢物語だった目標も少しずつ皆さんのおかげでチャンスをいただけて、自分たちのフィールドが広がった機会も多かったですし、本当に嬉しかったです。まだまだこれからですね!

ーー「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」はもちろん自信作だったとは思いますが、リリース当初はこんなに広まるとは思っていなかったでしょうか?

渡邉:はい、まさかここまでとはまったく思っていなかったです(笑)。

小波津:すごくかっこいいなとは思っていましたけどね。

ーーJP THE WAVYさんとは、当時どのようなやりとりをされていたんですか?

:WAVYさんとは楽曲制作だけではなくて、人として本当にいろんな話をしていました。「こうやったらかっこいいよね」「こうありたいよね」とか。とてもたくさんトライした楽曲だったので、WAVYさんと一緒に、皆さんの反応がどうなるのかを待っていました。毎日LINEしていましたし。

ーーWAVYさんはどのように反応されていましたか?

:「バズってない? やばいぞ」って。

小波津:言ってましたね! グループLINEで。

:僕たちも皆さんのリアクションを共有し合ったりして、家族LINEみたいな感じでみんなで一緒になって、ずーっと喜んでいました。


後編では引き続き2024年の出来事を振り返ります。

後編はこちら

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!