GENERATIONSがメンバープロデュース楽曲を6ヶ月連続で配信リリースする『PRODUCE 6IX COLORS』。今回は第2弾として3月3日にリリースされた「気づいたことは」をプロデュースした片寄涼太さんにインタビューしました。
第1弾、中務裕太さんへのインタビューはこちら
蔦谷好位置さんとの制作
──『PRODUCE 6IX COLORS』の第1弾となった前作「True or Doubt」はどんな印象でしたか?
片寄涼太(以下、片寄):第1弾にふさわしい(中務)裕太くんのプロデュース楽曲だったなと思います。ダンサブルでGENERATIONSらしい色もありながら、花村(想太)くんに制作していただいたので、今までにやったことのないエッセンスが入っていて、すごく面白いなと感じたプロデュースでした。バタバタしていた時期だったので、裕太くんも含めて大変だったんじゃないかなとは思いましたね。トップバッターが一番時間がないという感じだったので。

──そして第2弾は片寄涼太さんプロデュースの「気づいたことは」ですが、2番手という順番的にはどうでしたか?
片寄:自由度高くできましたね。あまりかっこつけずに、自分らしくプロデュースできたかなと思います。
──楽曲のテーマなどは最初に決めていたのでしょうか?
片寄:J-POPバラードを作ることを目標にスタートしました。今回はプロデュース企画ということで、蔦谷好位置さんに手がけていただいて。蔦谷さんとはかなり前から交流があったのですが、お仕事でご一緒する機会がなかったので、初めてご一緒させていただくことになりました。
──蔦谷好位置さんとはこれまでどういった交流があったんですか?
片寄:8年か9年前くらいから、シンガーソングライターのさかいゆうくんを介してお食事に行かせていただきました。何度かそういう食事会があって、GENERATIONSのライブを観に来てくださったりしていて。でもお仕事としては合流できず、あれよあれよと時が過ぎてしまいました(笑)。今回はプロデュースとして楽曲制作に挑むということと、自分の中でJ-POPバラードを目指していたので、蔦谷さんと合致すると思って。お力をお借りできたらと思いました。
──その時の蔦谷さんのお返事はどのようなものでしたか?
片寄:こういう企画だからこそ、他のメンバープロデュース楽曲にも「絶対負けたくない!」っていう、ポジティブでやる気に満ちたコメントをいただいて、本当にありがたい限りでした。
──それはいつ頃のお話なのでしょうか?
片寄:去年の9月くらいから取りかかって、2ヶ月くらいで終わったんじゃないかな。あっという間でしたね。去年のうちに曲はもうできていました。
──片寄さんは実際にどんなプロデュースの工程を行なっていきましたか?
片寄:蔦谷さんの事務所のagehasprings(アゲハスプリングス)に作家さんがたくさんいらっしゃるので、今回の企画にあたって曲を準備していただきました。曲調の雰囲気が違うものを3パターンくらいリファレンスとして提出して、20曲くらいある中から7曲くらいに絞っていただいて。そこから蔦谷さんと一緒に3曲に絞って、少しブラッシュアップして2曲に絞って。そして最終的に1曲に決めて作詞に入りました。
──曲を絞った時は、何を基準にしましたか?
片寄:クオリティの高い曲が多くて、本当に絞るのがもったいないくらいいい曲がたくさんあったんですけど。今までのGENERATIONSがやってきた曲と比較して、今の自分たちのタイミングとしてやるべき曲というところに重きを置いていたかもしれないです。
──具体的に、今のGENERATIONSがやるべき曲というのはどういった曲だったのでしょうか?
片寄:10代の頃にデビューしているメンバーもいる中で、今は30歳前後の年齢になってきた頃で。そんな自分たちが大人になったステップとか、少しずつ大人の男性らしさを感じてもらいたいので、成熟した曲というのはイメージしていました。

──作詞はどのように進めていきましたか?
片寄:意見交換のラリーをしながら、遠隔でコライトしているような感覚でした。1週間〜10日間くらいやりとりをして仕上がったのかな。その時間がかなり濃かったですね。
──実際にプロデュースをやってみて、難しかった点はどんなところにありましたか?
片寄:デモの選択が一番難しかったですね。どの曲にも良さがあるし、自分の思考だけじゃなくて、これがGENERATIONSの曲としてリリースされた時の反応はどうなんだろうとかイメージすると、選り好みだけでは決められないところがあったので。
──反対に、楽しかったのはどんな点でしょうか?
片寄:蔦谷さんが「ギリギリまで意見交換しながらやろう」と最初の時点から言ってくださっていたんです。意見が言いやすい状況で、実際に自分の意見もすごく反映していただきながら、フレキシブルにやってくださったからこそ、楽しみながらできました。
──前回、中務さんにもお聞きしたんですけど、「メンバー1人1人がGENERATIONSが輝くことを考え、それぞれのゴールを設定してプロジェクトを進行していく」というテーマに対し、片寄さんはどこにゴールを設定されましたか?
片寄:J-POPバラードということもあって、GENERATIONSの代表曲の一つになるバラードにすることがゴールでした。感覚は世代によって違うだろうなと思っていて。自分たちとか、上の世代の方は「こういう曲ってあったよね」という懐かしさもあると思うんです。「温かい気持ちになるよね」って思いながら聴いてもらいたいですし、それを新しい世代の子たちが聴いて「新しいな、いい曲だな」という反応になればいいなと思っています。
──レコーディングについてはいかがでしょうか?
片寄:蔦谷さんがレコーディングスタジオを貸してくださって、制作していた時と同じようにポジティブにフレキシブルに、いろんな提案をしてくださいました。自分たちのフェイクも「いいねいいね!」ってディレクションしてくれたりして、いい空気感を作ってくださいました。
──提案というのは、例えばどんなことだったのでしょうか?
片寄:「もう少し力強く」とか、歌の引き出しの話ですよね。「感情的に歌ってみたらどうかな?」「こういうニュアンスをつけてみたらどうかな?」とか。いろいろ試してテイクを重ねていきました。レコーディングって、思っている以上に不安になりやすい作業ではあるんですよね。ブースの向こうから声が聞こえない瞬間があるだけでも気になってしまうものなので、そういうところを分かっていらっしゃるなと思いました。「すごくいいですね」と言ってくださるのが印象的でした。
──ご自身でプロデュースした曲を、ご自身の声で歌入れするという点ではいかがでしたか?
片寄:やっぱり思い入れも一段と深くなりますし、自分の想いやフレーズもたくさん盛り込んでくださったので、イメージが沸いている分、客観的になりづらい部分はありました。これから受け取ってくださる方のリアクションが、一番客観的なのかなと思っています。
メンバー一人ひとりの色をグループの曲に
──パフォーマンスのイメージは出来上がっていますか?
片寄:今制作している段階です。個人的には、6人が歌っているような演出にできたらいいなと思っていて、調整しながら作っているところです。皆さんに観ていただける機会も含めて、今後仕掛けていけたらなと思います。
──『PRODUCE 6IX COLORS』のプロデュースには「プロモーション」も含まれていますが、このあたりはどのように展開していくのでしょうか?
片寄:「皆さんにパフォーマンスをお見せする機会を作る」というところもそうですし、ミュージックビデオに紐づいてTikTokを利用した仕掛けもあります。いろいろとコラボしながら、この楽曲に紐づいていろいろなものが生まれていくようなプロモーションになればいいなと思っています。
──「目標はただ1つ!『売れること!』」という指標に関してはいかがでしょうか?
片寄:今はあまり文化としてないのかもしれないですけど、「カラオケに行って歌いたい」と思っていただけたら嬉しいなと思っています。あとは、「GENERATIONSといえばこの曲だよね」という一曲になってくれたらいいなとも思いますね。

──次回の第3弾は白濱亜嵐さんのプロデュース曲ですね。
片寄:亜嵐くんの曲はもう…本当に大変でした(笑)。レコーディングがめちゃくちゃ難しかったんです! エッジの効いた、スパイスの効いた曲になっているので、今回とは振り幅の違う楽曲に仕上がっています。こちらもまた楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。
──『PRODUCE 6IX COLORS』は、現在のGENERATIONSさんにとってどんな意味を持つプロジェクトになりそうですか?
片寄:今までいろんな楽曲に挑戦してきて、GENERATIONSはジャンルレスなアーティストグループになってきたと思います。ある種その集大成になるようなプロジェクトです。メンバー一人ひとりの色ですら、グループの曲にしてしまうというところを表現できる企画だと思うので、楽曲を通して、グループとしての幅とメンバーそれぞれのキャラクターも、理解していただけるような企画になると思います。
──この後プロデュースする4人にはどんなことを期待しますか?
片寄:自分たち自身も楽しめる企画になっているので、6ヶ月間一緒に楽しみたいです。6人6様のプロジェクトになりそうなので、もう間違いない企画になっているなと思います。(小森)隼の曲くらいまでは今の段階でもう見えているんですけど、(佐野)玲於の曲も何となく見えてきているし、(数原)龍友くんはどうするんだろうな(笑)? 締めくくりですしね、楽しい曲になるのかな。このあとのメンバーのことも、引き続きよろしくお願いします!
──ありがとうございます! こちらこそよろしくお願いします!
美術提供:團上祐志、撮影:小山恭史
インタビュー・文:長谷川チエ
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