【MA55IVE THE RAMPAGEインタビュー】コラボで魅せる新たな融合と進化、アルバム『EMPIRE CODE』

2nd アルバム『EMPIRE CODE』をリリースしたMA55IVE THE RAMPAGEにインタビュー。ソロ曲の本人解説や他メンバーの感想など、楽曲ごとにお聞きしました。

グループの差別化や進化を求めたプロジェクト

──今回のアルバムは今年始動した『MA55IVE UNION Project』があって、そこから浮上したのでしょうか?

YAMASHO:同時期ではあるのですが、アルバムの話が先にあって、どういう内容にするかというところで『MA55IVE UNION Project』を立ち上げました。グループの差別化や進化を求めてプロジェクトを立ち上げて、『EMPIRE CODE』を作るという作業でした。

神谷健太:時間もない中で何とかできあがったね。今回はコラボレーションなので、各々作り方も違って本当に勉強させていただきました。

──例えばどういったことがありますか?

神谷:レコーディングのディレクションもしていただいたので、歌い方とか、普段自分たちが書かないような歌詞とか、言葉にするのってなかなか難しくて手探りの状態でした。でも例えばAK-69さんは「ここはもっとこう言った方がいいよ」と親身になって教えていただいたり。個人ではそれぞれ自分の色を最大限に出していて「適当にやっちゃって feat. DOBERMAN INFINTY」は歌詞も共作で考えたり、いろいろなことが詰め込まれていて、いい経験をさせてもらえました。

──ではタイトルトラックの「EMPIRE CODE (Produced by AK-69)」から曲順どおりに、制作にまつわるお話を聞かせてください。

神谷:AK-69さんとは『MA55IVE UNION Project』を始めるきっかけとなった番組『MA55IVE BASE』をやらせていただいたのが大きかったです。番組のフィナーレとしてフェス(『MA55IVE BASE presents UNLIMITED 01』)をやった時にも出ていただいたり、その場の会話で「ライブに出てよ」とオファーをいただいたり。このアルバムのことは決まっていたので、AK-69さんに1曲目を作ってもらおうというお話になりました。最近は上を目指す系の曲をやっていなかったので、ダメ元でオファーさせていただいて、快く受けてくださいました。

浦川翔平:「EMPIRE CODE (Produced by AK-69)」は6月頃、AK-69さんがとても忙しい時に作ってくださったんですよね。レコーディングは少し構えて行ったんですけど、普段自分がやらないような後ろめにリズムを取る手法をたくさん教えてくださって。歌い方もブレスを多めにするなど、AK-69さんのエッセンスを自分に落とし込んでディレクションしてくださいました。気さくに声をかけてくださって、キウイ食べてたりプライベートな部分も見れました(笑)。兄貴的な存在で、この制作期間で近くなれましたね。

──続いて2曲目の「BREAK IT OUT feat. SPRITE」ですが、実は前回の取材の時に、SPRITEさんとのコラボのことを翔平さんが匂わせてくれていました。

YAMASHO:海外のアーティストとコラボもしたいですね。

浦川:やりたいというか、やる?

──もう決まっているんですね?

一同:えぇっとー…

──急に誰とも目が合わない(笑)。

【インタビュー】MA55IVE THE RAMPAGE「LDHやTHE RAMPAGEで得たエンタメを新しい形に」

──その場では私は聞き取れていなかったんですけど、記事を作る時に後日録音を聞いたら「炭酸飲料の…」って翔平さんがヒントを出してくれていたんですよ。その時に、SPRITEさんだ!って分かったんですけどどこにも言っていく所がなくて、一人で消化して終わりました(笑)。

鈴木昂秀:あー言ってた言ってた! それめっちゃ覚えてる。

L:あのしらじらしかったやつだ(笑)。

浦川:もう決まってたんですね、あの時には。

鈴木:タイでお世話になっているF.HEROさんに、SPRITEさんとMA55IVEにコラボのお話を持ち掛けていただきました。実現できて嬉しいですね。

──ソロ曲についてはご本人の解説と、他に2名ほどメンバーさんのご感想も聞けたらと思います!まず「分かんだろ?feat. P-CHO, YAMASHO」ですが、DOBERMAN INFINTYのP-CHOさんとのコラボですね。

YAMASHO:これも番組主催のイベントで、最後にいろんなアーティストとコラボをするブロックを作っていた時に、「これだ!」って思いついて。アルバムの1曲をここでやったらめっちゃ盛り上がるやろうなと思って、P-CHOさんにオファーしました。そのイベントで初披露したので、かなり温めててやっとリリースできます。時間は経ちましたけど、いい曲ができました。

L:YAMASHOの言葉って巧みにいろんなワードが出てくるので、今回も新しいフレーズが散りばめられていてひたすら叩き込まれています。突き刺さるような言葉の強さがありますよね。ソロ曲だとそれがたくさん聴けて、YAMASHOのラップが好きな人はたまらないんじゃないでしょうか。P-CHOさんとの相性もとても良くて、YAMASHOらしさ全開の曲だなと思います。

神谷:YAMASHO節が出るのってけっこうダークサイド寄りなところがあるので、そこが一番出ていると思いました。ライブでも映えるなとも思います。音を取らないでがむしゃらにラップを捲くし立てるような、感情が爆発するような。やりたいことが詰め込まれていて、YAMASHOの真骨頂が感じられる曲だと思います。

このまま世界に広げていきたい

──4曲目「BEAT JUNCTION feat. SWAY」についてはいかがでしょうか?

神谷:SWAYさんが僕らの番組に出てくださった時に、やりましょうという話になって、番組のフェスで初披露しようという話にもなりました。交差点みたいにクロスしている、“音の交差点”という意味でBEAT JUNCTIONと表現しています。同じ音でバースを回すマイクリレーは久しぶりにやったので、面白い曲になりました。

──5曲目「Changer feat. PKCZ」は、この曲をサンプリングした「Times feat. MA55IVE THE RAMPAGE」でPKCZ®︎さん側にもインタビューしまして、「MA55IVEはツアー前で忙しい時期だった、ていうかずっとツアーだよね」とお話されていました。

神谷:ツアー中じゃない時があまりないですね(笑)。その場で(白濱)亜嵐さんがサンプリングし始めて、ほとんどRECと同時でした。

浦川:最速サンプリングですね。

L:1日で2曲とも録りましたね。BBY NABEさんから事前に、MA55IVEが言いたいフレーズをくださいということだったので送って、自分たちの思いもしっかり入っている曲です。僕は昂秀のパートとかエモくて好きですね。

──6曲目は「Universe feat. SKRYU, TAKAHIDE」です。

鈴木:SKRYUさんにはいろんなわがままを聞いていただいて、制作した楽曲です。自分でもSKRYUさんとはマッチしているなと感じました。元々デモを作って送らせていただいていたのですが、レコーディングの時にSKRYUさんのパートは全部その場で書いてくれて、熱いなと思って嬉しかったですね。ラップだけではなくて歌もお上手なので、いろいろな声が聴けて新鮮でしたし、めちゃくちゃ楽しかったです。

YAMASHO:めっちゃいい曲ですよね。昂秀の好きな2STEPとジャジーなエッセンスがMIXしていて、SKRYUさんの軽快なラップが音にすごくマッチします。SKRYUさんの作り出すグルーヴが特徴的で、昂秀のビートときれいにマッチしているなと思いました。

浦川:SKRYUさんはMA55IVEの曲だと「ガーベラ」が好きだと聞いていたので、鈴木さんの好きな2STEP系にどういう感じで温かさを乗せていくのかなと思ったら、歌詞は背中を押す感じで。歌も気持ちが良いんですけどパキッとSKRYUさんが入ってくるんですね。そこにフィーチャリング感があって。譜割りとかフロウとか言葉選びにSKRYUさん節が出ていて何度でも聴きたくなりますし、ノリが良いんですけど歌詞もしっかり聴き込んでしまうような。人それぞれいろんな聴き方ができる楽曲だなと思います。

──7曲目は「Feel the vibe feat. May J., JAY’ED, KENTA」です。

神谷:すごく勉強になりました。歌詞も3人で考えたのですが、けっこう時間がかかって苦しみました。平成を思わせるようなビートで、僕も平成の曲が好きなので、他のみんなのソロ曲とはちょっと違う毛色で、それもアルバム的には面白いかなと思います。

鈴木:3人のコラボを聴いてても全然違和感がなくて、May J.さんやJAY’EDさんと一緒に歌えていて「えっ?」って驚きました。平成を感じさせる楽曲でもあって、今の自分たちが聴いていて気持ちが良い曲っていうのはこういうことなんだなと思いました。ドライブしながらゆったりと聴ける曲になりましたよね。

L:僕も2000年代のR&Bが大好きなのですんなりと入ってきて、ありがとうという気持ちでしたね。シンガーとしての健太の真骨頂が感じられて、健太のやりたいことが詰め込まれてて…本人はどこまでできたかわからないですけど(笑)、僕にはそう感じられたので聴いていて気持ちが良かったですね。

神谷:皆さんの反応が良ければ嬉しいですね。

──8曲目は「Time 2 Get Up feat. WISE, SHOHEI」です。

浦川:わたくしが提案したのは“懐かしみ”で、最初はJ-POPだったんですけれども、The Black Eyed PeasやNELLYなど、U.S.の2000年代の楽曲もリファレンスでたくさん出しました。TERIYAKI BOYZのWISEさんが以前からずっと一緒に制作しているAILIさんにトラックメイクをしていただいて、懐かしいエッセンスを入れつつ新しさも加えて。テーマ的には「慌ただしい日々の中にホリデーができたね」という感じで「現実逃避してどこかへ行こう」とハイウェイを2人で走りながら、夏を感じる言葉を散りばめて、SEにもひぐらしの鳴き声や花火を入れたり車の音入れたり。楽しみポイントを散りばめながら生活させていただきました…あ、制作(笑)。

神谷:レコーディングの時、僕は上の階のスタジオで歌詞を書いていたんです。煮詰まっていたので、ちょっと挨拶に行くかって。May J.さんとJAY’EDさんもWISEさんと親交があったみたいなので。それでガチャってドアを開けたらめっちゃ雰囲気良くて、翔平がノリノリで、WISEさんも「めっちゃいいね〜」ってディレクションしてて(笑)。ビートもそっち系なんだ? と思って。

──そこで初めて聴いたんですね?

神谷:お互いに隠していたわけでもないんですけど、できてからのお楽しみという感じだったので。楽しんで制作していたのが楽曲にも出てて、こちらも元気をもらえました。

鈴木:2000年代の雰囲気も感じられて、おふたりならではのコラボですよね。その中にもチルっぽい要素も入ってて、ドライブで聴きたくなるような。翔平さんがlowなチル感で歌っているのって今までのMA55IVEにはなかったので新しくて、めっちゃ合うなーって思いましたね。最高です!

──9曲目は「NASTY feat. ELLY/CB, LIKIYA」ですが、どんな経緯でご兄弟でのコラボが決まったんですか?

L:元々、MA55IVEとコラボしたいねっていう話はしていたんです。MA55IVEと兄貴とでやる予定だったんですけど、ソロ曲を出すプロジェクトが始まったので「じゃあ2人でやろうか」という話になりました。お互いに好きなことや好きな曲は似ているので方向はすんなり決まって、その中でもどういう曲にしようかとなった時に、僕らのルーツであるクラブビートで踊れる楽曲、かつちょっとセクシーさもある楽曲を一緒にやれたらなというので、今回は「NASTY」という、セクシーを飛び越えたくらいの楽曲をNASTYに作らせていただきました(笑)。

YAMASHO:本当に2人にしか歌えない「NASTY」だと思いますね(笑)。エロいんじゃなくてセクシーな曲やし、季節を選ばずに聴けるのが良いのと、全部に好きがあふれていて嘘がないというか。リリックも歌い方もトラックも、全部がリアルで。踊ってほしいなと思います。

神谷:歌声が似ているようで似つかない、どっちにも光るものがあって長所があって、僕らには出せない素敵な歌声です。ELLYさんはオートチューンの使い方もめっちゃ上手くて、LIKIYAさんはお兄さん以上に倍音が出るし。MA55IVEでも十分出てるんですけど、兄弟だからELLYさんが分かっていてディレクションできているのか、より深く倍音の良いところが出ているなと思います。おふたりが昔から聴いている洋楽やR&Bに近いからこそ、おふたりならではの楽曲が出来上がったなと思いました。

──そして「適当にやっちゃって feat. DOBERMAN INFINTY」は先行配信されましたね。“ヤバタージ”がついに歌詞入りしたと話題になっていましたが。

浦川:後半の方にちょこっと出てきましたね。ちょっと自分を出しすぎかなとも思ったんですけど、パーティー系だったのでいいかなと思って。

YAMASHO・鈴木:いいと思う!

L:パーティー感をやらせたら誰もドーベルさんに勝てないですよね。僕らの関係性を映し出してて、いい意味で先輩・後輩感が出ていてハマりが良かったです。

──そして前回インタビューした「REEEMINDER! feat. feat. Crystal Kay」で締め括られます。『MA55IVE UNION Project』については、今後の展望はあるのでしょうか? 前回はやりながらやりたいことを見つけていくとお話されていましたが、今回の制作ではやりたいことは見つかりましたか?

YAMASHO:今回はコラボでしたけど、自分たち5人でも曲は作っていきたいので、また別のやり方もありそうだなと思っています。みんなで話し合いながら決めていきたいですね。終わらせる必要もないですし、かといってやり続ける必要もないと思うので、これだ!っていうのが見つかったらやりたいです。

L:こうしてコラボレーションアルバムを出すことによって、今後さらにコラボしやすくなったと思います。僕たちを応援してくれているファンの方々も、急に誰かとコラボしてもびっくりしない感じになってきている気がして。海外のいろんな方とももっとコラボしたいですし、今回はタイのSPRITEさんでしたけど、違う国のアーティストともやりたいです。

鈴木:このままどんどん世界に広げていきたいですね!

撮影:小山恭史、インタビュー・文:長谷川チエ


MA55IVE THE RAMPAGE
2nd Album『EMPIRE CODE』


2025/9/10(水)リリース

▼Streaming & Download
https://ma55ive.lnk.to/EMPIRE-CODE

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https://ma55ive.lnk.to/EMPIRECODE

▼MA55IVE THE RAMPAGE 公式サイト
https://m.tribe-m.jp/Artist/index/352

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ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。