LDH所属の7人組グループ、KID PHENOMENONが『KID PHENOMENON LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~』追加公演を現在開催中。
本稿では、12月1日、東京「ステラボール」にて行われた公演の模様をレポートする。
※本記事はネタバレを含みますのでご注意ください(記事下にセットリスト掲載)。
7人で表現する個性
約半年間にわたって行われてきた今回のファンミーティングツアーの中でも、最大規模となる東京・追加公演。開演前から、この日を待ち焦がれていたファン、SPINEL KIDSたちの笑顔が溢れていた。
18時定刻。場内が暗転すると、テイラージャケットを身に纏った7人が登場。DT(ダンストラック)で幕を開け、早速目に飛び込んできたのは先導する鈴木瑠偉の鮮烈なクランプ。
気迫に満ちたオープニング曲「Unstoppable」、表現力の高さが光る「存在証明」で、序盤からKID PHENOMENONの存在を知らしめた。
そこから「Cinderella」へと繋がり、夫松健介の満面の笑みにつられてこちらも自然と笑顔になる。
さまざまな表情とパフォーマンスで魅了する岡尾琥珀のソロDTで空気が一変し、「Purple Dawn」ではライトに照らされた7人が幻想的に浮かび上がる。広い音域を自在に操る山本光汰のボーカルは音の波を泳ぐようだった。サビ前で大胆にカットインする佐藤峻乃介のソロDTも斬新さをもたらした。
最初のMCでは1人ずつ自己紹介をしていく。 今回のファンミーティングはFC会員のみが申し込めるイベントだが、同行者は非会員でも参加できる。そのため、この日初めてKID PHENOMENONのライブに来たという観客もいるようだった。
夫松は「『D7SCOVER』(Discover)とは“発見する、見つける”という意味で、会場に来てくださっているSPINEL KIDSの皆さんには、僕たちの魅力を見つけていただきたい。そして初めてお会いする方には、KID PHENOMENONとはどういうグループなのかを見つけていただきたいという意味を込めています。本公演では一人ひとりの個性を見せていきましたが、追加公演ではその個性を7人で表現することにチャレンジして、その表現技法を自分たちで見つけるという意味を込めています」と趣旨を説明。
さらに、DTで使用されているトラックの制作を佐藤自身が手がけたことも明かされた。
佐藤は「キッズ時代、毎年ステラボールにて行われるEXPGの発表会に何年も出ていたので、こうしてKIDとして帰って来られたのがめちゃくちゃ嬉しいです。どうやったら皆さんが楽しんでくれるかなと考えながら、本公演からさらにブラッシュアップさせて、僕もたくさんトラックを作らせていただきました。いろんなアレンジを作って持って来ているので、皆さん悔いのないように最後まで楽しんでください!」と挨拶した。
ところどころにカットインするDT演出は、短いソロパートから7人のパフォーマンスへと繋がる構成で、まさに7人で表現する個性。ライブにメリハリを与える役割を担った。

12月3日リリースの最新曲「Black Flame」では7人のダンスで魅了し、最新のKID PHENOMENONを見せつけた。続く「OMW」では山本のソロアレンジパートで高速ラップが炸裂。不意を衝くように夫松と川口蒼真のDTパートへと展開、「Trendsetter」まで一気に流れ込む。気迫と情熱で畳みかけるように圧倒し、7人がそれぞれの個性を爆発させて次々と空間を支配していった。
ここで遠藤のみが残りソロアレンジパートへ。1分20秒ほどの短いステージも、一瞬で独壇場に塗り替えた。
そして山本が登場し、無音の中ボーカル2人による頭サビのアカペラで始まった「Show U Light」。大サビ前での山本のささやくような「SPINEL KIDS大好き!」という言葉を受け、夫松が「光汰大好き!」と叫ぶと会場は多幸感に包まれた。

続いて「僕たちと一緒に“右左”できますか!」(遠藤)の呼びかけから「Snakebite」へ。今夏リリースのこの楽曲が、すでにおなじみのようにセットリスト入りしているのも、SPINEL KIDSのノリの良さによるところが大きいと感じさせる。
MCでは『LDH PERFECT YEAR 2026』への意気込みを語る。修行がしたいと言い続ける遠藤。川口は、GENERATIONSの中務裕太からもらったタンクトップを着てパーフェクトボディを目指すと宣言した。
そして「Lemonade」から、デビュー曲「Wheelie」、「Sparkle Summer」まで会場が一体となって声をあげ、12月の東京が真夏のような空気になった。
その勢いのまま「Underrated」ではメンバーもSPINEL KIDSもぶんぶんにタオルを回し、より一体感を増していく。
「Ace In The Hole」で盛り上がりは最高潮に達し、頭サビのアカペラからラップで魅了した「Party Over There」までを駆け抜けた。

そして、最年長・最年少コンビの夫松、鈴木による影アナから、ファンミーティングパートがスタート。
「キドフェノバチります」ではフリースタイルMCバトルが繰り広げられる。SPINEL KIDSからの応募により選ばれた「冬の過ごし方は?」というお題について、佐藤が進行役を務め、赤コーナー(遠藤、川口、鈴木)「こたつでぬくぬく」VS青コーナー(夫松、岡尾、山本)「外へ出てアクティブ」の対決。歓声の大きさでジャッジされ、勝者は青コーナーとなり、輪になってはしゃぐ青コーナー陣。
「キドフェノ答えます”出張版”」は、SPINEL KIDSからの質問に答えるFC企画の出張版。「冠番組を持てるとしたらどんな企画をやってみたい?」というSPINEL KIDSからの質問に、遠藤は「真顔チャレンジをやりたい」と回答して真顔を披露。
「プレゼントコーナー」では、抽選に当たった2名にその場でお名前を聞いて書き込み、全員のサイン入りTシャツが贈られた。
KID PHENOMENON流
EXILE TRIBEの継承
続いてはボーカル・遠藤と山本によるEXILEカバー。曲は『CL(LDHのデジタルコンテンツ配信サービス)』内の企画『KEY MUSIC』でも披露した「O’ver」。
遠藤は「『D7SCOVER』本公演では、新たな自分たちを見つけることをテーマに掲げてきました。この追加公演では、その見つけてきたものをさらにブラッシュアップして皆様に伝えていくというテーマを掲げています。EXILEさんの楽曲を通して、自分たちを皆様にもっと伝えていきたいと思っています」と丁寧に曲紹介をした。

2003年リリースの名曲が鮮やかによみがえり、KID PHENOMENON流EXILE TRIBEの継承を目の当たりにした。
再び全員がステージに登場。夫松は「ぜひ2人に拍手を送っていただけたらと思います」と讃え「続いての曲は、リリースしてからこの『D7SCOVER』のためにとっておいた楽曲です。本公演で初めてこの曲を披露した時、皆さんの表情を見ていると、涙してくださっている方がいらっしゃったり、微笑んで見てくださる方がいらっしゃったり、本当に普段から僕たちのことを強く想ってくださっているんだなと伝わってきました。これまで一緒に歩んだ道のりを想像しながら聴いていただけると嬉しいです」と「雨上がりのDiary」へ繋ぐ。
弧を描くように立つ7人、お互いの気持ちを打ち明け、それを受け取り合うようなパフォーマンスは会場を愛で満たしていった。
余韻を保ったままのMCで夫松は「『D7SCOVER』追加公演を作るにあたって、本公演から進化した姿を届けるために、まずは自分たちからどういったメッセージを届けたらいいんだろう、皆さんに伝えたい想いって何だろうと悩むことが多い日々でした。そんな中リリースイベントやSNS上でたくさん温かいメッセージをいただいて、皆さんと一緒にこれからも歩んでいきたいという想いや、諦めなければ可能性は広がることを伝えたいという想いが強くなり、このライブを完成させることができました」と語る。
さらに「皆さんにも夢があると思いますし、夢を探している途中の方もいらっしゃると思います。簡単に叶うものではないと分かっていても、その夢が遠く感じてしまった時に、諦めそうになることがあると思います。自分たちもそういう経験がたくさんあって、でもそんな中で『iCONZ』第二章でアーティストの道を歩むことができて、皆さんのおかげでたくさんの夢を見ることができて、ちょっとずつでも前に進んでいたら夢って叶うんだなと改めて実感できました。僕たちだけでは叶えられない夢がたくさんあるので、SPINEL KIDSの皆さんには本当に感謝しています。だからこそ僕たちはこの夢の素晴らしさを伝えて、皆さんとこういった景色や空間を共にしていきたいと思っています。一緒にもっともっと素敵な夢をたくさん見て、皆さんの夢も叶えて、お互いにこんな日があったねといつか笑い合える日が来ることを願っています」と感謝を伝えた。

「ONE DAY」ではリラックスして肩を組むメンバーの姿が、会場に温かい空気を吹き込んだ。
「皆さんが想像するその未来に向かって一緒に進んでいくために、この楽曲とともに進化する僕たちを楽しんでください!」(夫松)、ラストは『iCONZ』でグループ名とともに生まれた楽曲「C’mon」。
KID PHENOMENONとSPINEL KIDS、最後はファンミーティングらしくみんなの笑顔で締めくくられた。

7月の本公演から駆け抜けてきた『KID PHENOMENON LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~』。
グループの新たな魅力と可能性、そして7人の光る個性を発見する時間となった。
『D7SCOVER』はこの後も続いていく。このツアーが彼らにとっても、抱えきれないほどの宝物を見つける旅のような時間になってほしいと強く願った。
取材・執筆:長谷川チエ
『KID PHENOMENON LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~D7SCOVER~』東京・追加公演セットリスト
01. Unstoppable
02. 存在証明
03. Cinderella
04. Purple Dawn
05. Black Flame
06. OMW
07. Trendsetter
08. Show U Light
09. Snakebite
10. Lemonade
11. Wheelie
12. Sparkle Summer
13. Underrated
14. Ace In The Hole
15. Party Over There
– ファンミーティングパート –
16. O’ver(EXILEカバー)
17. 雨上がりのDiary
18. ONE DAY
19. C’mon
▼KID PHENOMENON公式サイト
https://www.kidphenomenon.jp/
▼”Black Flame” Streaming & Download
https://kidphenomenon.lnk.to/BlackFlame_DGTA
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