3月12日に1st EP『tera』をリリースしたWOLF HOWL HARMONYがインタビューに登場。新曲の制作についてや、グループの今後についてお話を伺いました。
「音楽で世界中を踊らせたい」
──EP『tera』の制作について、初期段階での関わり方や共有したことがあれば教えてください。
RYOJI:年間を通してリリースするタイミングをざっくりと打ち合わせるんですけど、「この時期はこんな楽曲にしたいね」「ライブにはこういう曲が必要だよね」とか、現場で見てきたことを共有し合っています。そんな中で、メンバーのGHEEのブラジリアンのルーツが紡いでくれたものが音楽であって、そのGHEEがいるWOLF HOWL HARMONYだからこそ表現できるものと、「BAKUON -爆音-」の頃からバイレファンキというジャンルの音楽でアプローチもしてきました。そこから徐々にSNSをきっかけにブラジルの方が反応してくれて、GHEEもポルトガル語を話せるので交流をしていく中で、次はより本格的にそこにフォーカスして、時代のタイミングともマッチしてきた今回「Gachi Funk」(ガチファンキ)という曲を制作することになりました。
──ライブに必要な曲の話し合いでは、どういう曲が必要だということになったのでしょうか?
RYOJI:音楽で世界中を踊らせたいというのがまずありました。「Bossa Bosa」も「BAKUON -爆音-」もそうなんですけど、僕らの曲は音サビ、クイックサウンドが多くて、踊るパートがしっかり分けられているんです。1曲丸々体がのれる曲はまだないなと感じていて、でも一緒に踊りたいという気持ちが変わらずありました。海外での活動もさせていただくと、みんなノリノリになってくれて、もっともっとみんなを踊らせたい気持ちがあり、それがメンバー会議でも上がっていたので、DJ DARUMAさんに伝えてみようというところから「Gachi Funk」に至ります。

HIROTO:『tera』というコンセプトが僕たちの現在地を示していて、これまで活動してきた中で生まれる考えだったり、迷いだったりがこの作品の音楽になっているんじゃないかなと思います。「Gachi Funk」というアゲアゲな曲から、「Bossa Bosa」「Marmalade」があって「One minute」という爽やかな曲までの振り幅を、これからのWOLF HOWL HARMONYの可能性として感じてもらいたいですね。去年1stアルバムをリリースさせていただいて、次の2ndアルバムへと進んでいく中で、その間の作品として『tera』ができました。

SUZUKI:初のEPなので、自分たちの形をしっかり示せるように、今年一発目のリリースということで、“LDH PERFECT YEAR 2026”でもありますし、WOLF HOWL HARMONYとはっていうところと、自分たちの現在地をEPの形で表現したいと思いました。『tera』には大地という意味も含まれていて、人生や音楽の起伏もしっかりと表現できるように意識しました。

──GHEEさんは「Gachi Funk」の作詞にも関わっていらっしゃるそうですが、具体的にどんな風に進めていったのでしょうか?
GHEE:最初にみんなでデモ音源を聴いた後に、Chaki(Zulu)さんから1月くらいかな、「この日ギーちゃん空いてる?スタジオ来れる?」と聞かれて「空いてます!」ってスタジオに行って。「ポルトガル語を入れたいんだけど」という話から、セッションしながらリリックを組み立ててポルトガル語を考えたり、サビのフックはどうしようか、 盛り上げ曲にすることを前提に進めていたので、ガヤをどこにどう入れるかとか。最初はポルトガル語が多めだったんですけど、もう少し日本語とのバランスを取ることになりました。
──日本語も、リズムとして印象に残るフレーズが使われていますよね。
GHEE:バイレファンキというブラジリアンサウンドだからこそ、「ガチ」とか「わかんねーけど」とか日本語を入れていきました。外国の人がわかる日本語って「ありがとう」とか「かわいい」とかじゃないですか。そういう感じで日本の文化が世界に広まっていったらいいなというところで、自分のルーツであるブラジルのサウンドに日本語を乗せました。海外の人が聴いてくれたら、日本語を覚えてもらえて良さも伝わるし、日本には、僕たちが海外活動する中で生まれたサウンド感や新しいものを持ち込みたいと思いました。今まで聴いてこなかったジャンルにも新たに触れてもらえるきっかけに、僕たちもなりたいと思いますし。ブラジリアン以外にも、僕たちは普段からいろいろ触れてたくさんの曲を聴いているので、それを自分たちの色として音楽で表せるように、いろんな思いを歌詞に込めました。

──ではそのセッションには、メンバーではGHEEさんだけが参加されたんですね。
GHEE:そうです。LOARさんとChakiさんとその場で作りながら、何がいいかなとか話して。最初はポルトガル語を担当する予定だったんですけど、他にもいろんなアイディアが出てきて「もう少し他のところもやって」という感じで広がっていきました。
──セッションでの制作はどうでしたか?
GHEE:とても楽しかったですね。自分たちの曲に自分たちが携わるというのはすごく大事だと思っていますし、ステージに立っている僕たちにしかわからない感覚もあるので、それをセッションで直接「こっちの方が盛り上がりそう」とか「こっちの方がステージでやりやすい」とか、いろんな感覚や思いも入れられるのですごく良い制作ができて、良い楽曲が作れたなと思いました。
HIROTO:自然に体が動くような音楽を僕たちも目指していたので、今回それができたんじゃないかなと思います。実際にライブでパフォーマンスしても、皆さん自然にのってくれたり、声を出して歌ってくれたりするので、本当に自分たちがやりたかった、元々目指していた楽曲が作れたなと思います。
ボーカル面での工夫
──ボーカル面では、SUZUKIさんの入り方だったりとか、いつもと違う雰囲気を感じたのですが、工夫した部分などはあるでしょうか?
SUZUKI:僕が担当するパートは、いつもは歌の割合の方が多いんですけど、「Gachi Funk」では歌というよりは、ほとんどラップというくらいの感じで入っています。4人それぞれの良さが出るのがウルフにとっても一番良いバランスになると感じていたので、もうSUZUKIを120%出すぐらいの感じで、声もいつもよりエッジを立てましたね。メンバーとか友達から、僕の声を真似されることがあるんですけど、その真似されてる俺をやってるぐらいの(笑)。それくらい自分感を出して、その中でしっかり歌詞を立たせて、ニュアンスを細かく意識しました。なので今回のレコーディングは今までの中でもとても時間がかかり、個人でブースに入っていただけでも 3、4時間かかったかもしれないです。 いろいろ試しながらやったので遅くまでかかりました。
RYOJI:苦戦してるなと思いました。
SUZUKI:僕の最初のパートは英語詞がバーッて並んでいて、今回は特に世界に向けた発信というのをリアルにした楽曲で、これまでの海外での活動も経てさらにリアルに狙っていく楽曲でもあるので、制作陣に英語とポルトガル語のネイティブの方が入ってくださっていました。英語とポルトガル語の発音を、現地の方が聴いた時に違和感がないようにということを意識して「なるべくきれいに」とやっていたので、そこでも時間がかかってしまって、もっと頑張らないとなと思いました。
──時間をかければより良いものができる、というわけでもないのですか?
SUZUKI:早いに越したことはないんじゃないですかね。一発でOK出せるくらい。もちろん時間をかけた末に良くなるということの大切さ、それもありますけど、毎回それだとタイムパフォーマンスが悪くなってしまうと思うので。 向き合う時間もちゃんと作りながらも、早ければ他のことにも時間を使えますし。まだまだだと感じた部分を、もっと伸ばしたいと改めて思える機会にもなりました。
──苦戦してるなと思ったということは、RYOJIさんは早くできたということですか?
RYOJI:これは僕の場合なのでみんなバラバラですけど、僕は準備する方に時間をかけるので、レコーディングは発表の場だと思っていて(笑)。試す場じゃないというか、その前にひたすら自宅RECで、まずどうやったらこんな低い声出るんだろうってデモで聴いて。僕はプリプロで良いものが出ることが多いので、プリプロのテイクを録ることがけっこう多いんです。もう6回以上やっちゃうとあまり良いものが出なくて、これはもうタイプによって分かれます。何回も何回もやる人もいますし。僕はどちらかというと早く良いものを出したいタイプ。「早く出ろ!」ぐらいに(笑)。早く出すために準備するという感じです。とはいえ英語の発音とか、当日ディレクションで試してみてと言われたこととかは模索したりしますけど、今回は2時間しないくらいで終わりましたかね。自分的にはすごく納得のいくテイクで、これでお願いしますって感じでした。それが僕にとっての一番の理想です。自分がちゃんと納得して終われるというか。
──前回のインタビューでもコソ練ノート書いてますって言ってましたもんね。
RYOJI:今回もコソ練ノート持って行きましたよ。もう本当にあれがないとだめで。
──何が書いてあるんですか?
RYOJI:いやちょっとお見せできないです(笑)。
GHEE:お絵かきしてるかもしれないですし。
HIROTO:絵だけかもしれないです。
──絵で表現するパターンだってあるかもしれないですよね。
RYOJI:いや絶対ないです(笑)。なんか文字にこう、音の波形みたいなのを矢印で書いたりしてるんですよ。カラオケの記号みたいな感じで、上げるとか「ここで一気にチェスト」とか。文字の間に「チェ」って入れています。
SUZUKI:シンガーあるあるじゃないですか? たぶん自分にしかわからないような合図とか記号を入れてたりとか。RECしてる時の紙にもバンバン書いていきますし。周りが見てもわからないかもしれないですね。
RYOJI:そうそう。だから僕は時間かかったことが、最近はあまりなくて、自然とそういうスタイルになってきました。まだまだ自分の声を知る旅の途中ではありますけど。知っていく段階の、今はその道を歩いてます。 まだまだ見せられていない部分がたくさんあるので。どこに出すわけでもないのに練習してる曲があったりとか(笑)。
──「One minute」での爽やかなRYOJIさんは新鮮な感じがしました。
RYOJI:「One minute」はフレッシュというテーマが自分の中にもあったので、新鮮味はすごく意識しました。自分のイメージでいうと爽やかで泡が弾けるような、もっと行き過ぎるとちょっとペガサスかなみたいな。
HIROTO:行き過ぎてます(笑)!
RYOJI:ごめんなさい、行き過ぎちゃいました。初めて聴いた時に泡が弾けるような爽やかな感覚で、デモの最初の歌詞が、救いソングだったんですよ。あなたが笑っているだけで誰かの力になれる、という歌詞の世界観だったんです。ペガサスって自由の象徴という意味があるから、紫色のペガサスを連想してしまって、サビでこう一気に開放させて…何を言ってるんだこの人はって感じですよね(笑)。でも最終的には歌詞の世界観を変えて恋愛ソングになったので、そこで一気にペガサスはなくなりました。聴いてくださった方が、心の何かが弾けて動き出したいと思える衝動を駆り立てられたら、すごく嬉しいなと思ったので、レコーディングもそこはすごく意識しました。それこそ「Gachi Funk」よりも「One minute」の方が難しかったですね。
──どのように実践しましたか?
RYOJI:LOARさんと何度もやり取りしたのは「歌うというより音を当てていくんだよね」と言ってくださって。そこにすごく自分は納得して、元々そういう意識ではあったんですけど、言語化するとそういうことかって思って。そこからは、歌ってしまうと当てられない声量の衝突感が生まれて、マイクにちょっとぶつけたりするんですよ。普通に歌ったら苦しくないのに、ニュアンスをたくさん入れるから息が苦しくなるんです。でもそうやって表現できる方法があったりします。アタックもエッジもそうですし、普通のクリアな声ではなく、喉をグッと締めてより倍音を出したり。これだけでも息を使う量が全然違ったりしますね。
HIROTO:でもRYOJIくんがペガサスって言ってたの今でも覚えてるんですよね。タイの車の中で。
RYOJI:熱弁したよね! みんなにもその画像は共有させてもらいましたし、マネージャーさんにも送りました。
GHEE:もうね、タイの車の中で、これより長いのをだいぶ! でも言ってること僕らはわかるよ。サウンドのインスピレーションだよね? サウンド感を例えて、共有してくれたんだと思います…この記事一生ペガサスの話になるよ(笑)。
SUZUKI:「ペガサスとRYOJI」で30分くらい。
GHEE:しかもさ、完成版には反映されてないっていうね。
RYOJI:そうなの。だから本当にファーストインスピレーション。だからペガサスは忘れてください(笑)。
海外での経験を日本にも持ち込みたい
──「Gachi Funk」がGHEEさんメインの曲だとしたら、「One minute」はHIROTOさんの曲だとライブ配信でも仰っていましたよね。
RYOJI:歌い分けの段階で、HIROTOの声がすごく合うから、顔になるであろう高いところはHIROTOが担当した方がいいよねという話になりました。HIROTOのクリスタルボイスが生きてくる世界観だから、コレオもエッセンスとしてHIROTOの感じに合わせて、「Gachi Funk」との違いを見せるべく、メンバーで話し合いました。
──「Marmalade」と「One minute」はどちらもMONJOEさん、LOARさんが作詞・作曲を手掛けていますが、同時期に作られたということではなく「One minute」の方が後に制作されたんですか?
SUZUKI:そうです。「Marmalade」の時に、しっかりコミュニケーションを取っていたので、だいぶ分かり合うことができて、今回もスムーズに進められました。僕らのイメージを伝えたり、楽曲の世界観をこういうものにしたい、こういう表現をしたいというところを擦り合わせる段階の打ち合わせも、しっかりとディスカッションできました。なので今回のEPは、メンバーの気持ちや、ウルフが見せていきたいもの、表現したいものがより具体的になった作品です。「One minute」もその一つで、MONJOEさんとLOARさんは同世代でもあるので、感覚的な話もしやすくて、距離感も近く制作を進められたので、今後も一緒に制作していきたいと思わせてくれるクリエイターだなと思います。僕らのことを理解してくれていますし、何よりコミュニケーションを取りやすいってすごく大切ですよね。Chakiさんもそうですけど、たくさんコミュニケーションを取ってくださるので、表現する側として、自分たちの気持ちが入りやすいことはとても大事だなと感じました。
HIROTO:ウルフとしてこうなっていきたいから、こういう曲がほしいとか、僕らの根本を知ってくださっているので、そういうところも理解してもらえているのはすごく大きいなと思います。メンバーでも、スタッフさんを交えての会議を繰り返して意見を統一させていって、それをプロデューサーチームの方と一緒に考えたりしていますね。レコーディングもやりやすかったです。
──リリースのペースとしてはどうですか? 以前のインタビューでは、コンスタントに曲を出したいと仰っていましたが、思い描いている通りなのか、もっとリリースしたいと思っているのか。
RYOJI:今回のEPでも2曲新曲をリリースさせていただきますし、『tera』は現在地でしかなくて、未来にも期待してもらえるような作品です。1stアルバムがあって、EPがあったら、次にまたシングルなどがあった後に2ndアルバムが想像できてくると思うので、その一つ一つを大切にしていきたいです。もっともっと新曲を出して、WOLF HOWL HARMONYという音楽を表現していきたいなと思いますね。まだまだ今年も始まったばかりですし、たくさん楽しんでいただけると思います。日本中の皆さんにも、世界中の皆さんにもたくさん会いに行ける年にしたいですね。
──最後に、今後挑戦したい、力を入れていきたい曲のジャンルにはどんなものがありますか?
GHEE:今回はバイレファンキに挑戦したんですけど、南米の楽曲ジャンルだったり、ラテンアメリカの音楽も僕たちはよく聴くので、ラテン調の曲とか。タイにも頻繁に行かせてもらっているので、T-POPやタイの歌謡ものにも挑戦したいですし、シンガポールだったり…。今自分たちが行かせていただいている国から、もっともっと派生させていけるような、そして自分たちのルーツに沿ったような、リスペクトの気持ちで海外での経験を日本にも持ち込みたいです。日本からは日本の良さを世界に届けて、ワールドツアーだったり日本でもスタジアムに立つということだったり、そういった夢を一個一個叶えたいという野望があります。
HIROTO:みんなで話しているのは、ガッツリR&Bをやりたいねって言っているところです。意外とないですし、とっておいてるというか、何でなのでしょうかということで楽しみにしていてください。
SUZUKI:なかなか言えないことも多いですが(笑)。ただ、R&Bを歌いたいっていう気持ちはみんなあるんじゃないですかね。シンガーとしては。
RYOJI:それに加えて、ただR&Bがやりたい! というだけではなくて、僕たちの歌声と、もっと新しいもの、これを組み合わせたらより新しくなるんじゃないかという細かいところまで今考えているところです。話し合ってみたり研究してみたり。
──ウルフさんは本当に研究熱心ですね。
RYOJI:いろいろな方々に支えられているので、その方々に説明や説得をする力もすごく大事じゃないですか。思い描いていることをプレゼンする力とか。人を動かしていくというのはそういうことなので。 協力していただくには、まずは自分自身が細かくイメージすること、それを口にして伝えるということは大切にしています。
撮影:小山恭史、インタビュー・執筆:長谷川チエ
| ▼『tera』Streaming & Download https://wolfhowlharmony.lnk.to/tera_stldl ▼「Gachi Funk」Music Video https://youtu.be/N1jDNT6c3gc?si=CFZ03jOOQt0c6FlT ▼WOLF HOWL HARMONY公式サイト https://wolfhowlharmony.jp/ |
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