【WOLF HOWL HARMONYインタビュー】ウルフらしく歌えるバラード「Marmalade」

11月21日にデジタルシングル「Marmalade」をリリースしたWOLF HOWL HARMONYにインタビューしました。

4人が熱心に研究を重ねてたどり着いた楽曲のお話や、12月26日に開催される『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』などについて伺いました。

“未完成感”のある「Marmalade」

──今回の新曲「Marmalade」との出会いにはどのようなストーリーがありましたか?

SUZUKI:曲との出会いとしては、デモ音源が出来上がっていて、タイアップになることも聞いていました。どんな楽曲なんだろうと思いながら聴いていたら「シュガハニ」(「Sugar Honey」)第二弾のような曲調でもあり、ウルフの歌声を生かせるなと思いました。

──今回はINIMIチームとの制作でしたよね。

RYOJI:そうなんです。MONJOEさんとLOARさんとは初めてご一緒したのですが、同世代なので、フィーリング合うの早かったよね?

GHEE:早かったね。僕たちの言葉に寄り添ってくれるような制作でした。

RYOJI:「アイディアとかどんどん言って」と言ってくださったので、どんどん言ったら「めっちゃいいね!」って(笑)、すごく受け入れてくださって。レコーディングの時に「僕の引き出しってこういうのしかないんです、だからこういう別の引き出しが今日は出せたらいいなと思ってます」とお伝えしました。自分が持っているものがありつつも、せっかくセッションできるんだったら、いろんな方のアイディアを聞いて取り入れたかったので、今回はそれができたなと感じています。

──どんなアイディアをいただけましたか?

RYOJI:僕の1Aのパートは、どちらかというと歌よりもメロディのラップに近くて、少しオートチューンがかかっているので、男らしさというか、自分の等身大のキャラクターを大事にしたいんですとお話しました。それは声色というところになるんですけど、僕はlowの成分が多いので、そういう特徴や倍音とか滑舌とか。嘘をつけない感情を無骨に出したいということをお伝えして。「じゃあこういう歌い方でやってみて」とディレクションでアドバイスしてくださいました。今回はまずめちゃくちゃ大げさにやって、そこから取り除いて何度か録っていくという方法でした。

──最終的にどの辺りのテイクを採用したんですか?

RYOJI:結局一番最初のテイクですね(笑)!

HIROTO:あるあるなんですよね。

RYOJI:何だろうなぁと探りながら繰り返してみるんですけど、僕はいつも4テイクくらいで終わらせることが多いです。僕の場合は準備期間の方が長いので。家でコソ練してて。

──コソコソやらなくていいんですよ(笑)。

RYOJI:イメージとかニュアンスとかある程度、宅RECしてみて、自分の声を聴いてみるのはマストでやっています。コソ練ノートに書いてある(笑)、声の成分の感じとかを歌詞の間に細かく入れていって、それを見て歌うと意識がそこに向くので。それをやる前と後とでは全然違います。本番のレコーディングでは整えた方が良いんですけど、意外と新鮮なものが良かったりもするので、変に味付けしすぎないように。マイルールとしてやっています。

HIROTO:声質に関しては、僕のパートはサビに繋がる大事な部分で、自分の味を上手く出さないといけないという中で、いつものハイトーンを出す時の堅い声だと曲に馴染まなくて。なのでブレッシーさを意識して練習しました。歌詞の中には柔らかい言葉があったりするので、僕が一番僕らしく歌える部分だと思って、歌詞は重視しましたね。語尾も僕のパートはキー的にトーンが下がっちゃうんですけど、あえて口角を上げて、明るく聴かせられるように歌うことを意識しました。

GHEE:僕はラップを中心に、いつもより長尺で歌っているんですけど、プリプロから本番のレコーディングまでの間に自分で試行錯誤して、宅RECで何回も録って、200テイクくらい録る日もありました。自分の声を研究して、素直で言葉が立つ、かつブレッシーなけだるさを意識して挑みました。

SUZUKI:宅RECはするメンバーとしないメンバーがいるかな?

HIROTO:僕は外ですね。自分の声質的に家の中が合わなくて。風呂場とかが合うんですよね、僕の場合。声が低く聞こえるというか、外の開けた場所で歌った方が当たりが良いし、僕は外で練習します。

SUZUKI:外っていうのは、外?

HIROTO:ガチ外です! さすがに近所迷惑になるので住宅街とかは避けますけど。

SUZUKI:僕は、バラードなのでより歌詞がしっかり聴こえるように、歌詞を聴いた時に情景が思い浮かぶように、感情まで見えてほしいなという想いがありました。言葉一つ一つの意味だとか、その言葉が持ってる感情がしっかり見えるようにというのを意識しながら、ニュアンスを意識して歌いました。

──出来上がりを聴いてみてどうでしたか?

SUZUKI:自分の中ではそういう想いがあっていろいろ組み立てていた部分があったんですけど、100%ガチガチで作り上げられたというよりは、未完成感があえて残っているテイクを最終的にはチョイスしました。聴いてみて、それが人間らしくていいなと思いましたし、さっきRYOJIが言っていた一発目のフレッシュさみたいなものって大事なのかなと思うし。その人間味によって温かさを感じるなと思いましたね。僕も早めの方のテイクを使いました。

求めてくださっていた声に応えられた

──ドラマ『仮面の忍者 赤影』とのタイアップという点ではいかがでしょうか? Xでもリアルタイムで投稿していらっしゃいますよね。

GHEE:はい、観ています! 先輩方がたくさん出ていらっしゃって、かっこいいなと思います。オープニングテーマのPSYCHIC FEVERさんとは、タイでの活動や『BATTLE OF TOKYO』で楽曲でコラボさせていただいたり、主演の(佐藤)大樹さんとは「Frozen Butterfly」で一度ご一緒させていただいたことがありました。またご縁をいただけて、アットホームな感じがして嬉しいです。ドラマの内容が楽しいので、「Marmalade」が流れてくるところも楽しみに観ています。

──急に流れたりしますよね。もうエンディング? と思ったらまだけっこう続いたりして。

RYOJI:終わりじゃないんだみたいな。

SUZUKI:たしかに(笑)。絶対最後に流れるわけじゃないというのはあらかじめ聞いていて、毎回流れる場所がちょっとずつ変わる可能性があるということでした。こんな感じになるんだ、と思いましたね。ストーリーに合わせて聴けるのが面白いですよね。

RYOJI:歌詞も最初は「電車」とか「携帯」とかの歌詞が入っていたんですけど『赤影』ってそういったテクノロジーがない時代なので、今回はそういう部分は無しにして、テクノロジーが一切入っていない歌詞になりました(笑)。時計も「心の時計」になっていたりとか。「アスファルト」がちょっと、ギリかなみたいなところありますけど。

一同:(笑)。

──そもそも「マーマレード」はどうなのでしょうか?

RYOJI:そうなんですよ、西洋のだからまぁ(笑)。「電車」は1Aに入ってたんですけど、「『赤影』だからないよね」っていうことで無くしまして。そういう実際のストーリーがあって、この歌詞に落ち着きました。

──ファンの方々からの「これがウルフのバラードだよね」というコメントもたくさん見かけたのですが、そもそもウルフのバラードって何だろう?と考えたりもして。

SUZUKI:たしかになぁ…ウルフのバラード。

RYOJI:ありましたね、そういったコメント。

──「Sugar Honey」などのイメージに近いのかなとも思いましたが。

RYOJI:僕もそういうことだと思いますね。バラードと言ってもミッドバラードとか、感じ方も人それぞれじゃないですか。これまではビートを生かした「BAKUON -爆音-」と「Bossa Bosa」の2曲が続いていたので、ファンの皆さんからは歌声を聴きたいというのもずっと聞いてたし、僕らも分かっていたので、とても良いタイミングで「Marmalade」に出会えて、本当に喜んでいただけるだろうなと思いました。

──2曲の実験的なリリースがあってこその待望の「Marmalade」だと感じたので、今年のリリース順も重要だったのかなと思いました。

GHEE:振り幅がありますよね。

HIROTO:ずっと求めてくださっていた声に応えられて率直に嬉しいですし、ミッドバラードの中でも、ウルフの色に変えられる曲調でもあるので、そこも楽しんで聴いていただきたいですね。

RYOJI:「これが聴きたかった!」というところにバチコン当てていきたいと思っています。

──映像の方はどうでしょうか?

SUZUKI:つい最近撮りました! MVでもいろんなところにロケで行って、いい景色の中で撮らせていただきました。あとは左右対称を今回もテーマとしていて、見ている景色が不思議に見える部分ももしかしたらあるのかなと思います。

GHEE:びしっと縦横が揃っています。

SUZUKI:水平、垂直に。僕らもまだ完成形を観れていないのですが、それぞれ撮影した場所も素敵だったので楽しみです。内容としても、過去の良い思いも苦しい思いも、出会いや別れも、いろんな苦い思い出がある中で未来に向かって進んでいく。その未来で笑い合えたらいいよねということを、MVの中でも表現しています。いろいろ考えながら観れるんじゃないかなと思います。

RYOJI:グリットを使って撮影したんです。不思議に撮れる技法も使っています。「Bossa Bosa」もそういう撮影方法だったんですけど、DJ DARUMAさんのこだわりで。

──先行で、公園で自撮りしている映像を出されていましたよね。

RYOJI:あれはグラグラです。

HIROTO:(笑)。

SUZUKI:SNS用として楽しんでください(笑)。

EXILEの継承とNEOの新しさ

──現在は『WOLF HOWL HARMONY LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~BAKUON DREAM~』の追加公演の真っ最中ですが、今年の下半期はずっとファンミーティングが続いていますよね。

HIROTO:そうですね、12月まで続きます。僕たちとしては初の単独での公演だったので、得るものが多かったですね。全国回ってみたいなと思いました。

GHEE:ライブハウスならではの近い距離でみんなとコミュニケーションを取れることが、自分たちにとってもいい経験ですし、これからどんどんステージを上げていきたいので、今経験しているライブハウスの近い距離感が、今後の自分たちの糧になっていくんじゃないかなと思います。日本もそうですけど、世界のまだ行っていない国にも、もっと視野と規模を広げたいなと強く思いましたね。

──『NEO EXILE SPECIAL LIVE 2025』の開催も12月26日に控えていますが、そちらの準備もされていますか?

SUZUKI:はい。NEO EXILE全体で集まって会議をしています。

GHEE:話が全然進みません(笑)。

SUZUKI:今のところ2回集まったけど、2回ともまとまってないです(笑)。進展はあるんですけど。どういう目的を持ってやるかとか、どういう見せ方をしたいかとか、最初の軸になる部分を決めるところが一番時間がかかりました。でもその話し合いは大事ですよね。また今度もう1回集まる予定なので、次でしっかり決めたいなと思っています。

──4グループでスケジュールを合わせるのも難しいですよね?

HIROTO:総勢27人ですもんね。1日では話し合いは終わらないですよね。

RYOJI:だから代表で集まったりして工夫しています。TJBB(THE JET BOY BANGERZ
)は10人いるし、ほぼDリーガーだからがっつりスケジュール埋まってるし(笑)。前回のライブは可能性がたくさんあって、全曲やったんですよね。だから今回はその壁もあって、それができない分「NEO EXILEってどんなもんなん?」という疑問に答えることを目指していますし、それは各チームそれぞれがすごく大事に思っていることです。名前にEXILEと付いているわけですから、継承という意味もあり、でもNEOという新しさ。お兄さん方がやっているJr. EXILEという括りでは、これまでのストーリーがあるかもしれないですが、僕らは新しいことをしていきたいので、期待を余裕で超えるくらいのものを届けたいと思っています。

──とても楽しみにしています! お時間が来てしまいました! 最後にどなたか代表して、今後のウルフさんの展望を教えてください。

SUZUKI:よし、ギーちゃんいけ!

GHEE:はい!まずは、日本のまだ行っていない場所でもライブをしてステージを上げて、もっとたくさんLOVEREDの輪を広げていきたいです。あと、今年も海外でパフォーマンスをして、その国の肌感も感じてきたんですけど、今後はワールドツアーをしたいです。自分はブラジルにもルーツがあるので、今年の9月くらいからポルトガル語でも発信し始めて、反応もたくさんいただけて、凱旋も僕の夢なので頑張りたいです。

HIROTO:国境関係なくワールドワイドに活動して、たくさんのLOVEREDに会いに行きたいですね!

撮影:小山恭史、インタビュー・執筆:長谷川チエ

リリース情報

WOLF HOWL HARMONY
DIGITAL SINGLE「Marmalade」


2025.11.21 Release

▼Streaming & Download
https://wolfhowlharmony.lnk.to/Marmalade_dlstr

▼Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=Yi-vJloQkWI

▼WOLF HOWL HARMONY 公式サイト
https://wolfhowlharmony.jp/

▼未公開カットはInstagramへ

ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。2017年より『Culture Cruise』を運営開始。 ライター・インタビュアーとしてカルチャーについて取材・執筆するほか、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。ライブレポートや取材のご相談はお問い合わせフォームからお願いします。