GENERATIONSがメンバープロデュース楽曲を6ヶ月連続で配信リリースする「PRODUCE 6IX COLORS」。今回は2月3日リリースの第1弾「True or Doubt」をプロデュースした中務裕太さんにインタビューしました。
「PRODUCE 6IX COLORS」
−−メンバーが順番にプロデュースしていくこのプロジェクトは、どのような経緯で始まったのでしょうか?
中務裕太(以下、中務):2024年の半ばくらいから、楽曲プロデュースをやりたいとずっと言っていました。いつもはメンバーみんなで話して、作家さんにお願いすることが多かったのですが、それぞれ好みも聴いている音楽も違うので、1人ずつ好きなことをやってみるのも面白いんじゃないかということで、この企画をやらせていただくことになりました。
−−そして中務さんが一番に選ばれたんですね。
中務:一番目に僕から配信するというのが、あえての裏切り感があっていいんじゃないかということで僕からになりました。楽曲はDa-iCEの(花村)想太くんに作っていただいて、耳に残るような楽曲に仕上がったと思います。
−−プロデュースといっても多岐にわたると思うのですが、具体的にはどんな作業を行なったのでしょうか?
中務:アイディアを出しつつ、0を1にするという作業をやりました。例えば振り付けはMacotoくんに作ってもらったのですが、僕からもこういう感じにしたいというのを全部伝えて。もどかしさを描いている楽曲なので、男らしい感じよりも、女性っぽいシルエットの動きが入っていたり。そういうのがやりたかったので、こういう振りにしてほしいというのはディレクションさせていただきました。
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−−「メンバー1人1人がGENERATIONSが輝くことを考え、それぞれのゴールを設定してプロジェクトを進行していく」というテーマですが、中務さんはどんなことをゴールに設定されましたか?
中務:ヒット曲の指標は「SNSで聴かれる」ということが大事なので、SNSでいろんな人が耳にする曲になればいいなと考えています。楽曲の中でもクリック音が入っていたり、送信音とか、身近なものを意識して作りました。
Da-iCE 花村想太さんとの制作
−−花村想太さんとはどのように連携していきましたか?
中務:LINEで「こういう感じがいいですよね」とかメッセージのやりとりをしました。想太くんは天才タイプで、一個投げればいろんなアイディアをくれるので、何度も細かくというよりは、1〜2回のやりとりで全部分かってくれるような方です。
−−Da-iCEとGENERATIONSの接点としては?
中務:Da-iCEは僕たちと同じ時期にデビューして、同じ景色を見てきたというか。当時はボーイズグループも少なかったので、その中でも意識していた仲間でした。想太くんは僕の2個上で年齢も近いので、番組で会った時も話すことが多くて、そういう流れもあって想太くんにお願いしたいなと思いました。
−−花村さんからのお返事はどうでしたか?
中務:「僕でいいんですか?」と言っていただいて。「ぜひヤバい曲作っちゃいましょう!」というお返事だったので、すごく嬉しかったですね。
−−ダンス&ボーカルの世界に長く身を置いている花村さんだからこその、グループパフォーマンスというものを理解していらっしゃる内容だと感じました。
中務:そうなんですよね。間奏パートだったりとか、パフォーマーのことも考えて作ってくれているなというのは聴いていてとても感じました。
−−特にお気に入りの部分はどこですか?
中務:サビが好きですね。「文字と距離感」とか秀逸な描き方だなと思いますし、「何してる?」「今から逢えない?」とか、普段送るような内容の言葉があるので、より共感を呼びやすくて、想太くんはそういうところも上手いなと思いますよね。日常にある言葉をそのまま描くのではなくて、詞の世界観として描いているのは、さすがヒット曲をあれだけ生み出している人だなと、歌詞を見た時に感じましたね。言葉の書き方が上手くてさすがだなと思いました。
−−レコーディングはどのように進めましたか?
中務:歌のことは全部ボーカルに任せているので、ボーカルが一番気持ちよく歌えるのがいいと思い、お任せしました。(片寄)涼太くんの時は行けなかったんですけど、(数原)龍友くんのレコーディングの現場には行かせていただいて、いつも速い人なので順調に進んで1時間くらいで終わりましたね。楽しみながら歌ってくれているのは感じました。普段RECに行くことはあまりないので、久々に現場に行けて楽しかったです。
−−改めておふたりの声が入った曲を聴いてどう思われましたか?
中務:まずデモ音源を想太くんが歌入れしていたので、めっちゃ歌上手いな、これでいいやんと思っちゃったんですよ(笑)。作品として仕上がっていたので。デモで終わらせるにはもったいないくらいの出来で、ぜひどこかで使ってほしいくらいです(笑)。でもボーカルが入るとまた違う毛色になって、やっぱり個性って出るんだなと思いましたし、想太くんは1人で歌っていたんですけど、2人で歌うと違う感じに聴こえて、歌う人でこんなに変わるんだなと思いました。GENERATIONSはGENERATIONSの良さがあるし、想太くんの良さもたくさんあるので、お互いの良さを改めて知れました。
−−映像はリリックビデオということで。
中務:監督を決めるところからディレクションさせていただきました。恋愛ソングなので、1人の男の子を主人公にして、頻繁に連絡するシーンを描いたりとか、楽曲とリンクする部分もたくさん出てきます。監督も一度お仕事をしたことがあって信頼できる方だったので、大まかに「こういう感じがいいです」と伝えて、細かい部分の撮り方は監督にお任せしたという感じですね。
−−ジャケットはどうでしょうか?
中務:メッセージアプリのジャケットを作りたかったので、緑色だったりとか、後ろに画面があったりとか。6個か7個くらいですかね、いろんなパターンがあったんですけど、シンプルなものにしたかったので、一番メッセージアプリを連想させる分かりやすいものにさせていただきました。
−−このあたりも中務さんがお一人で決めていったんですか?
中務:そうですね。それまでのアイディアはいろいろ出していただいて、最終的に決めるところは僕がやりましたね。
−−では他のメンバーさんが関わった部分というのはないんですね。
中務:まったくないですね。ボーカルがレコーディングをしてくれた以外は自分でやりました。
−−メンバーさんからの感想はどうでしたか?
中務:めちゃくちゃ意外って言われました。こういう感じでくると思ってなかった、ギャップがすごいって。バラエティ感が強いほうなので、ふざけた曲を作ってくるんじゃないかと冗談で言われていたんですけど(笑)、ちゃんとした恋愛ソングを作らせていただきました。いい意味で裏切れたなと思います。
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−−恋愛ソングにしようと思ったのはなぜですか?
中務:一番共感を呼びやすいというか。時代的にも、明るい曲というよりは、ちょっともどかしさを描くのがいいなと思っていたので。あとはGENERATIONSが今まで、明るい曲か悲しい曲という振り切ったものが多かったので、こういう中間のもどかしい感じを描くのは新しいんじゃないかと思ったので、このテーマにしました。
−−新しさでいうと、他にはどんなところがありますか?
中務:最近のGENERATIONSはイントロがある曲が多かったので、ずっと歌始まりの曲をやりたいと思っていました。GENERATIONSの曲会議の時に何回か案は出していたんですけど、なかなか形にならなくて、今回は自分のプロデュースでできるので、歌始まりで作りたいと想太くんにも伝えて、この形になりました。新鮮な感じでGENERATIONSの新しい引き出しになったと思います。涼太くんの優しい感じ、ささやく感じの歌い出しが流れた時に「おぉ!」と思ったので、涼太くんの歌い出しというのもすごく合っているなと思いましたね。
これからのGENERATIONSの武器に
−−「PRODUCE 6IX COLORS」の進行にあたって、メンバー間ではどのように話し合いましたか?
中務:僕らの今の課題は“ヒット曲”なので、ヒット曲を作るというのは今回のテーマとして作らせていただきました。他の楽曲も同時進行で、亜嵐くんまではもう聴きました。まったく別の感じの曲なのでリリースが楽しみですね。どの曲が一番ヒットするかというメンバー同士の密かな対決でもあるので(笑)。そこはみんな燃えてますね!
−−ヒットの捉え方もさまざまあると思うのですが、どこに照準を当てていますか?
中務:メンバーによって感覚が違うと思うので、僕はとにかくSNSでバズらせるというのを目標にして、そこに向けた作戦を考えています。TikTok用の振りを作ったりしました。
−−メンバープロデュースの中には「プロモーション」の部分も含まれているそうですが、どのように進めていますか?
中務:TikTokをたくさん使いたいなと思っています。TikTokerにメッセージを送って「コラボしたいです!」というのを自分からお願いしようかなと、今作戦を立てているところです。
−−プロデュースの難しさも体感されたのではないでしょうか?
中務:僕は時間がなかったので、期限に追われるのが大変でしたね(笑)。逆に後半のメンバーは、今年のGENERATIONSの活動が活発になる時期なので、それも大変そうだなとも思いますし。僕はこの時期に仕上がってよかったなと思います。
−−期限は短かったんですか?
中務:1ヶ月ちょっとくらいで曲を上げないといけなかったので、修正とかも急いでやってもらったりとか。想太くんが速かったので助けられましたね。元から作るのも速い方みたいで。歌入れも自分でやっているから速いですよね。アーティストとしても、ディレクターとしての一面でもすごいなと改めてリスペクトしました。
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−−今年はこの楽曲のパフォーマンスを観られるタイミングはたくさん訪れそうでしょうか?
中務:発表前に年末のライブで一度披露させていただいたんですけど、TVも何本か予定していたり、フェスも今年はいっぱい出たいねと話しているので、そういうところでも披露することになると思います。今年は盛りだくさんなので、「PRODUCE 6IX COLORS」の全員分の曲も聴けるんじゃないかなと思います(笑)。6人6色のカラーが出ると思いますし、GENERATIONSはとても個性の強いメンバーが集まったグループなので、1人1人の良さを知ってもらえる1年になりそうな予感がしています!
−−この後プロデュースする5人にはどんなことを期待されますか?
中務:僕はいろいろと自由にやれたので、好きなように自分のやりたいものを表現してほしいです。他のメンバーがやる時は「True or Doubt」が基準になると思いますが、やりやすいんじゃないかなと思います。一番最後はプレッシャーかもしれないですけど(笑)。6人全員がこのプロデュースを経験できることってないと思うので、これからのGENERATIONSの武器になるんじゃないかなと思います。すべて豪華な制作陣なので、他の作品も楽しみにしていただきたいです。
美術提供:Sho、撮影:小山恭史
インタビュー・文:長谷川チエ
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