『Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡』開催

2024年に結成25周年・メジャーデビュー20年目に突入するPerfume。25周年の皮切りとなる、TOKYO NODE主催の体験型エキシビション『Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡』がスタートしました。

『Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡』

さまざまな先端技術や舞台演出で時代を先取りしてきた、Perfumeのライブステージ。そのステージが成立する前提には、制御されたテクノロジー演出と体の動きを完全に一致させることができる、メンバーらの身体性の高さがあります。

本展は、彼女たちの驚異的な「身体性」とその舞台を支えるクリエイターたちの「テクノロジー」のそれぞれが研鑽を重ねて生まれる“奇跡の同期(シンクロ) ”をテーマに、Perfumeが作り上げてきたライブステージの軌跡を再現し、それをPerfume視点で体験することのできるエキシビションです。

およそ1,500平米の広大なギャラリーには12の展示体験があり、Perfumeが重ねてきた過去から現在、未来に至るまでの展示を通して、訪れた方のクリエイティビティを刺激します。

ギャラリー内では、音が立体的に聞こえる音声技術「バイノーラル録音」を用いて、Perfumeと一緒に巡っているような体験ができる「VOICEツアー」が登場。

25年ともに過ごしてきたからこその彼女たちの会話のシンクロを、まるで自分も加わっているような臨場感で体験できます。

展示作品と見どころ

Chapter 1:We are Perfume

3,600球の球体とレーザーで浮かび上がる、巨大な光の“ Aポーズ ”。

2010年・東京ドームライブからPerfumeのステージ演出に携わる真鍋大度とクリエイティブ・コレクティブ、Rhizomatiksが作る新作インスタレーション。

真鍋大度による音楽が流れる天高12メートルのこのギャラリーでは、天井から吊るされた3,600球を超えるピンポン玉一つ一つに対し精密な位置調整を施したレーザー光線を照射し、Perfumeのポーズの代名詞ともなった“ Aポーズ ”の3Dシルエットを浮かび上がらせます。

Chapter 2:軌跡と奇跡

身体とテクノロジーの “奇跡の同期(シンクロ)”を、60メートルのギャラリーに再現。過去のライブステージの演出を、自分の身体で、“Perfume視点”で体験する。

歌詞と身体表現の同期|Reframe

Perfumeの過去の楽曲の歌詞と、身体表現である振り付けを解析し、さまざまな手法を用いて可視化したオーディオ&ビジュアルインスタレーションです。

鑑賞者の正面にある幅7m、高さ5mの巨大スクリーンに投影される映像を通してPerfumeの振り付けのバリエーションや歴史、創造性を視覚に捉えることができます。

3人の同期:FUSION|inspired by「FUTURE-EXPERIMENT VOL.01 距離をなくせ。」(2018)

過去のライブで採取されたボリュメトリックビデオデータ(被写体の周囲に張り巡らせたカメラから撮影した映像を、平面でなく立体3Dデータとして構築し、自由視点での鑑賞が楽しめる映像技術)を用いて投影しています。

従来1画面・1方向からしか見ることのできないはずのパフォーマンスを多角的に鑑賞できます。

身体表現と演出の同期:無限未来|inspired by『Perfume × TECHNOLOGY』presents “Reframe”(2018)

人間や物質の位置と動きを捉えるモーションキャプチャという技術を用いて、小型マーカーを手にした観客を9台のレーザーから放たれる無数の光線がリアルタイムで追従する、インタラクティブなインスタレーション。

2018年のライブ「Reframe」の同曲で披露された レーザー光線を操る体験を、観客はPerfumeのメンバー視点で体験することができます(最大5名まで同時に体験が可能)。

Perfumeがライブで実際に披露した光線の軌跡が再現されるショーパートでは、3人の複雑かつ繊細な動きのシンクロも鑑賞することができます。

 身体表現と演出の同期:STORY|inspired by Perfume LIVE SXSW(2015)

アメリカ・テキサス州オースティンで行われるテクノロジーと音楽の国際見本市「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」。

2015年にPerfumeがSXSWで披露したSTORYは、ARと映像合成技術により実際のライブ映像とCGの仮想空間をシームレスに行き来するという、全く新しいパフォーマンスでした。

虎ノ門ヒルズの街並みから始まるこの作品では、Kinect(キネクト)という機器とカメラ4台を用いてステージ上に立つ体験者の動きを捉え、そのデータを3次元のボリュメトリックビデオデータに変換し、SXSWの演出の世界を体験できるインスタレーションです。

さらに体験者のデータだけでなく、SXSWで実際に使用されたPerfumeのボリュメトリックビデオデータや3D映像も合成されていきます。

 身体表現と演出の同期:マカロニ|inspired by Perfume LIVE 2021 polygon wave(2021)

スタンドマイクの前に立つ体験者のシルエットを機械学習し、LEDのステージにバーチャルな「影」を映し出します。

自身の動きに合わせて変化するバーチャルな影を体験者が楽しんでいると、いつの間にかその影がPerfumeのメンバーの影に変形し踊り出していく、ユニークなインスタレーションです。

2021年のライブで当時披露された演出は、事前に収録した3人の影を投影し、メンバーがそれに合わせて踊るというものでしたが、本展では体験者の影をリアルに生成する、さらに一歩進んだ演出に挑戦しています。

軌跡と奇跡:ポリリズム|tribute to Perfume(2007-)

「ポリリズム」の過去のライブ映像およそ24種を、3方向・270度のシアター空間の中で投影する没入型インスタレーション。

中央には、ライブで実際に使用した200足を超えるハイヒールが展示されています。

edge|25th Anniv. Year Special Live Edition

Chapter 2の空間(FUSION – マカロニ)は、およそ25分おきに1回、別々の展示をしていたギャラリーの空間全体が“同期”し25周年のスペシャル映像が投影されます。

メンバーによるカウントダウンから始まる演出は、彼女たちが“勝負曲のひとつ”とも称する楽曲「edge」をテーマに、25年のさまざまな映像がフラッシュバックする、さながらライブに参加しているような空間体験です。

Chapter 3:IMA IMA IMA

この秋発売される新アルバムの収録曲が、世界で唯一の先行公開。

2024年10月30日(水)にリリースされるPerfumeのコンセプトアルバム『ネビュラロマンス 前篇』収録曲で、本展のテーマソングでもある「IMA IMA IMA(いま・いま・いま)」が流れる『架空のテレビ局の歌番組スタジオ』がテーマのギャラリー。

レトロ・フューチャーを感じさせる巨大なステージと、その周りを取り囲むカメラやスポットライト、調整室のようなモニターが置かれています。

ステージの照明や映像、スイッチングを自由に操作しながら、未来のPerfumeのステージ演出に参加することができます。

無人のはずのステージをモニター越しに眺めると、Perfumeのメンバーが新曲に合わせてダンスしている様子が投影されます。

※Chapter 3のみ、映像の撮影および録音禁止。また、ステージの上に立つことはできません。

Perfume コメント

開幕前日8月8日(木)、会場となるTOKYO NODE(東京ノード)で行われた記者発表会では、Perfumeのメンバーが登壇。25周年に向けた思いや、一足先に本展を体験した感想や一押しの展示体験などをトークしました。

さらに発表会では、Perfume初となる前篇/後篇のコンセプトアルバムの発売、年末ライブからの全国アリーナツアーの発表など、25周年の彩るさまざまなコンテンツが次々と発表されました。

あ〜ちゃん

25年って言われると長く活動されている偉い人っていう印象が自分の中ではあるんですけど、私たちは何も変わらずにここまで活動してきたので、何にも偉くないし何にも変わってないっていうのが、私たちなんです。

25年出会ってきた方々に支えられて、その方が愛を持って接してくださったおかげで、こういう展覧会でお祝いしたいよって言ってくれる人がいてくれるということが、何より25周年やってきた行いの結果かなって、神様も見ていてくれてありがとうって思います。

こんな展覧会ができるとは思ってなかったですけど、これができたならもう何も後悔ないわ、と思うくらい、私たちの大アーカイブになったので、よければ皆さま見ていただければと思います。

かしゆか

自分たちが25周年というタイミングで、こんなに大きな展覧会をさせていただけることがとても嬉しいです。

今までPerfumeが私たちだけではなくて、私たちの大切な方々の色々な想いでここまでこられて、こういう技術がPerfumeだって思ってもらえるまできたのが、3人だけの力じゃないということが伝わるといいなと思っています。

お子様からおじいちゃんおばあちゃん、そしてPerfumeのことを名前しか知らないという方が体験してみても本当に楽しいと思うので、ぜひ遊びに来てほしいです。

よろしくお願いします!

のっち

新しいアルバムが2年ぶりに出ます。

コンセプトが面白いアルバムなのでぜひ期待してほしいのと、先駆けてPerfume Disco-Graphyで聴ける「IMA IMA IMA」も、新アルバムのストーリーの根幹に関わる曲なのでしっかり聞いてほしいと思います。

コラボフードもすごく美味しくて「虎ノ門ヒルズ最高!」という感じなので、ぜひ展示だけではなくさまざま楽しみ方をしていただきたいです。

イベントでは、会期中の週末金曜日に展示室をディスコフロアにしたDJイベント「DISCO!DISCO!DISCO!(全7回)」を開催。

前半の3日間は、ブレイク前のPerfumeとゆかりがあり2013年に惜しくも活動を終了したJ-POP DJ集団「申し訳ないと」が本イベントのために11年ぶりに再結集することが発表され、8月5日(月)に発売されたチケットは即日完売。4日目以降のDJラインナップは8月中旬頃に発表予定です。

「DISCO! DISCO! DISCO! 」チケット詳細

さらに食でも楽しめる仕掛けとして、メンバーが監修したフード・スイーツなどの本展オリジナルコラボメニュー(全12品)が虎ノ門ヒルズのレストラン・カフェ3店舗で提供されます。

ABOUTこの記事のライター

山口県生まれ、東京都育ち。別業種からフリーライターとして独立後、Culture Cruiseメディアを立ち上げ、『Culture Cruise』を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。 カルチャーについて取材・執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、小説や行動経済学についての書籍も出版。音楽小説『音を書く』が発売中。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!