w-inds.がトロピカルハウスに出会って大変なことになっていた2017

ひどく胸を打たれた。w-inds.が17年という長い間、ずっと音楽を愛し、その姿は真摯で忠実で、大切な何かを暖めて守るように。自らの居場所でもがきながらも、ステージに立ち続けていたこと。

私はライターとして彼らの活動に尽力できるとすれば、この小さなメディアでその音楽を伝え、少しでも多くの方に知っていただくことではないのかと感じた。


言葉で説明するよりも、まずは曲を聴いてみてください。w-inds.という響きを「懐かしい」と思われた方にこそ、現在の彼らの活動を目にしていただきたいです。ずっと見守ってきたファンの方々にとっては当然であったり、失礼に当たることもあるかもしれないのですが、広く一般的に読まれることを意識して個人的な考えをまとめました。

メイン画像:「Time Has Gone」公式YouTubeより

2017年のw-inds.が素晴らしいので観てほしい

♪We Don’t Need To Talk Anymore

あのあたりに刺激を受けたのだろうな、という曲やアーティストが何組か浮かぶものの、時代の流れを上手にくみ取っています。誰が曲を作っているのかな?とクレジットに目をやると、「作詞/作曲/編曲  橘慶太」っっえ?自分で作ったの!?と衝撃を受けた2017年初頭。まさか橘さんにそんなエレクトロセンスがあったとは……

電子音の使い方が効果的。ドロップ部分のボーカルチョップなんて特に、心地よく感じる程度をちゃんと心得ているんです、人々のね。

1:33あたりで、橘さんが一瞬だけニヤってする策士感がたまらない。自信がある(ように見せる←ここがポイント)姿が実に素晴らしいのです。アーティストが自信を持って堂々とパフォーマンスしてる姿って、非常に健康的で良いではないですか。

2017年1月にリリースされて衝撃を覚え、記事を書こうとずっと追っていたのですが、もう少し2017年の彼らの活動を見守りたいなと思いました。どういう路線で行くのか?ってことが知りたかったんです。

♪Time Has Gone

2017年9月リリース。作詞・作曲・編曲のすべてをリードボーカルの橘慶太さんが手がけています。どことなく感じさせるフューチャーベースとトロピカルハウスが混ざり合ったような心地よさ。こういうシンプルなMVは、w-inds.の身体能力の高さが際立ちます。

さらに、この2曲はトラックダウン(曲として完成させるための最終段階)までを橘さんが務められたとのこと。w-inds.のようなユニットで本人がトラックダウンまで行う例はほとんどなく(というか私は聞いたことがない)、通常は別の人が担当する裏方的ポジションなのです。

私はここに痛く感動し、彼の音楽制作が決して自己満足ではなく、形式上だけのクレジットでもないことを感じ取りました。いつの間に、虎視眈々と力をつけていたのですね橘さんは。

その他、3月にリリースされたアルバム「INVISIBLE」も素晴らしかったのですが、記事のユーザビリティを考慮してそれはまた別の機会に。

w-inds.についておさらい

w-inds.は2000年から渋谷近辺のストリートでパフォーマンスを開始し、2001年に「Forever Memories」でデビュー。リードボーカルの橘慶太さんと、コーラスやラップを担当することの多い千葉涼平さん、緒方龍一さんの3人で構成されるダンスボーカルユニット。千葉さんや緒方さんは、初期の作品でこそコーラスが多いですが、徐々に2人が歌う分量も増えていき、表現力が非常に磨かれました。

全員が1984〜85年生まれ。10代の頃から見ているからか、今がすごく若々しく感じます。昔の活躍を知らない世代も出てきて、それくらい長い年月を彼らは駆け抜けてきた。

↓個人的にはデビュー当時の印象が強く残っていて、w-inds.の代表曲といえばこの曲でした。

♪Paradox

相当前だな。w-inds.さん、ファンの皆さんごめんなさい。いや、↓この辺とか、ちゃんと知ってたよ。

♪In Love With The Music

急に時代が飛ぶわけですが。お?これはとってもディスコティックファンタスティックナイトじゃないか!と嬉しくなった2015年。ただこの頃はまだセルフプロデュースの段階までは行なっていないので、プロデューサー選びに成功したな〜という印象でした。

w-inds.はライジングプロダクションという、音楽業界では大手に分類される事務所に所属しています。三浦大知さんなどもこちらに在籍してますね。

彼らは今まであまり音楽番組に出演して来ませんでした。男性アイドルと言えば誰でも1番に思いつくであろう芸能事務所の圧力が関わっている…というのは、一般的にも知られているところです。Culture Cruiseではあまりこういう話をしたくないのですが、w-inds.のバイオグラフィを語る上では避けて通れない事柄でもあるのです。

ただ、最近では相当緩和されています。さらに今は動画配信や、アイデア次第で上手くPRできるので、プロダクションによる不可抗力が通用しなくなりつつあります。

こういう話をすると、所属アーティストが悪い印象を植えつけられがちですが、アーティスト同士は、むしろプロダクションの域を超えて、互いの才能を認め合っています。アーティストが悪いわけではないということだけは、どうしても伝えておきたいのです。

w-inds.は全員が30代に突入したことにより、アイドル的な売り出し方をしなくても良くなったので、彼らの本当の実力を発揮できる時期に差しかかっているのではないかと思います。

その辺りを上手くコントロールできれば、事務所同士の棲み分けも成立するはずです。同じ事務所の三浦大知さんは解禁されたと言っていい状態になっています。

17年間という歴史を振り返ると、私は個人的にいろいろとゴニョゴニョがありすぎて、その間もずーーーっと、歌を歌ってきた。しかも3人でと考えると、紆余曲折あったというのは想像に難くありません。

橘さんはこれまでの逆境を、「経験できない貴重なことだった」と感謝の言葉で言い表しています。本人が卑屈にならずにこの気持ちを持ち続けていたことこそが、J-POPの財産。その気持ちがなかったら、w-inds.の2017年はもっと違うものになっていたはずです。ファンの方はそんな姿をずっと見守ってきたのでしょうね(すべて想像)。

✒︎すべてはJ-POPのために

今の時代の流れは、w-inds.にとってまさに追い風。むしろここからは、彼らの力量が試される時。

w-inds.が今後どんな路線で開拓されて行くかは未知数だけれど、ファンを除外した世の中のイメージって簡単には払拭できないのです。今後もしばらく消えないであろう「w-inds.=アイドル」というイメージ。

時代にフィットした曲に挑戦しているのも分かる、歌やダンスの能力も高い、曲作りとプロデュース力もあることが分かった。それをサポートするためのプロモーションを、プロダクションやレーベルが請け負っていけるかどうか。

橘さんは常々、J-POPが飛躍するためにどうすべきか?という視点で物事を考えていて、非常に意欲的です。きっと、彼の活動の根底にはそれがあるのでしょう。音楽好きとしてその信念に賛同します。

ビジョンを明確にすれば、もっともっとw-inds.は輝けるはず。今までのアイドル時代から、今後は別のタームとしてシフトしていくならば、これからはさらに高い壁に挑戦していくことになります。

私はただただ音楽好きとして、良いものが正当に評価される世の中であって欲しいと願っています。そして、強い信念を持ったアーティストを応援していきたい。逆境に立ち向かってきた彼らにはどんどん羽ばたいて、活躍してほしいです。

ABOUTこの記事をかいた人

東京生まれのWebライター(@cgrams40)。2017年にCulture Cruiseを運営開始。現在は東京と湘南・茅ヶ崎を拠点としている。カルチャーについて執筆するほか、10年の投資経験を生かして行動経済学についての電子書籍も出版(別名義)。趣味はレコード収集。愛するのは鹿島アントラーズ。そして、ありとあらゆるカルチャーのすべて!!