【三代目JSBの歴史 】10周年に振り返るディスコグラフィー

2020年11月10日でデビュー10周年を迎えた三代目 J SOUL BROTHERS。お祝いの気持ちを込めて10年間のディスコグラフィーを振り返ります!

そしてCulture Cruiseで書いた三代目JSBさんの記事ををまとめてほしいというご要望もいただくので、関連記事も併記させていただきました。ちょうどこの記事で(ソロを除いて)10記事目になります。



2010年〜2013年

【2010年】

・11/10  Best Friend’s Girl
・12/ 1    On Your Mark〜ヒカリのキセキ〜

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三代目 J SOUL BROTHERSは、2010年11月10日に「Best Friend’s Girl」でデビューしました。

EXILEと二代目のメンバーでもあったNAOTOさん、小林直己さんをリーダーに、劇団EXILEのメンバーだったELLYさん、山下健二郎さん、当時大学生だった岩田剛典さんがパフォーマーに。

ヴォーカルはオーディションによって、今市隆二さん、登坂広臣さんが選出され、その模様は『週刊EXILE』という番組で放送されていました。

今となっては2ndシングルがフィーチャーされることは少ないと思うので、ここにはあえて「On Your Mark〜ヒカリのキセキ〜」を貼っておきます。

デビューからほとんどの曲において、歌い出しは今市さんが担当されていますが、イントロから声に迷いがなく、ヴォーカルディレクションされた感じを受けないのが印象的でした。

自分のものにする勘の良さからなのか、ディレクションする必要がないくらい上手だったのか、両方かもしれないですけれども。

登坂さんもフレッシュさを残しつつも伸びやかな高音はこの頃から発揮されていますよね。

アウトロを登坂さんのヴォーカルで締めくくられる曲も増えていって、「SCARLET」「冬空」などの最後は優しくて美しいし、「Wedding Bell〜素晴らしきかな人生〜」のアウトロは努力の賜物という感じがして好きなんです。

パフォーマーはそれぞれがスキルの高さと個性を持ち合せているのにしっかりシンクロしていて、結成してすぐにこのクオリティが保てるなんて、一体このグループはどうなっているんだと思いながら観ていました。

10年経った今この頃の映像を観ても、同じことを感じます。

【2011年】

・ 5/11  LOVE SONG
・ 9/ 7    FIGHTERS
・11/9  リフレイン

* 6/1    J Soul Brothers
*12/7  TRIBAL SOUL

(*はアルバム)

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1年間で3枚のシングルと2枚のフルアルバムをリリースするというのは、相当タイトなスケジュールだったと思います。

しかも、『TRIBAL SOUL』にはアルバムバージョンの「Best Friend’s Girl」が収録されているのですが、ヴォーカルも再録されています。

1stアルバム『J Soul Brothers』の中の「 Japanese Soul Brothers」は、二代目と三代目のコラボ楽曲。

2:30くらいから二代目、4:35くらいから三代目パートが始まります。そして最後にはコラボが実現する構成なのですが、アンダーグラウンドからメインストリームへと築き上げてきたJSBの歴史が感じられます。

「R.Y.U.S.E.I.」などのアッパーなパブリックイメージも強い三代目ですが、元々はアングラでブラックな血を引いた初代からのJapanese Soulを受け継いでいるグループなのです。

楽曲を通してその過程を垣間見ることができるのが、この曲の素晴らしいところではないでしょうか。

【2012年】

・ 3/7      Go my way
・ 8/8      0〜ZERO〜
・11/14  Powder Snow 〜永遠に終わらない冬〜

単独では初となるアリーナツアーが行われた2014年。「花火」で初めて紅白歌合戦に出場しました。

EXILEの系譜を思わせる切ないバラード調の曲は、現在では三代目JSBを象徴するジャンルの一つとなっていますが、「花火」で確固たる強みとなったように思います。

『0〜ZERO〜』は4曲収録のEPのような形態で、「花火」の他「(YOU SHINE) THE WORLD 」「Kiss You Tonight」「LET’S PARTY」が収録されています。

同じく彼らのストロングポイントとして定着した、パーティーアンセム的なラインも、このあたりの四つ打ち系から始まった印象があります。

デビュー当時はとにかくグループを知ってもらうこと、2012年〜13年頃までは、三代目JSBらしさを形成する布石を打つ段階で、重要な年だったのではないかと、個人的には感じますね。

すべて今思えばという感じで、当時はプレッシャーも相当なものだったはずですが、そんな素振りも見せずに7人はステージに立ち続けていたのかと思うと込み上げるものがあります。

【2013年】

・ 4/24     SPARK
・10/30  冬物語
・12/ 4    SO RIGHT

* 1/ 1      MIRACLE

冬をイメージさせる曲も数多くリリースしてきた彼らですが、「冬物語」は根強い人気がある印象です。

“もうすぐ今年が終わる”の歌詞に「あー終わるなぁ」としみじみ実感する年末を何年過ごしていることか。

中心にヴォーカルがいて、それを囲うようにパフォーマーが踊るという、シンプルなこのスタイルはそれぞれにプロフェッショナルを感じます。

バラードなのに忙しいパフォーマー(言い方)っていう表現力も好きだし、真ん中に直己さんがいる安心感とか、もはや7人のポジショニングを目にしただけで泣けてくるのは10周年だからですよね?そうですね。

“ヴォーカルもパフォーマーも主役”というLDHさんが追求してきた形は、シンプルな曲にこそ表れる気がします。

特別なものなんて何もいらないから、ただ彼らのパフォーマンスをこうして観ていられるだけでいいんです私は。と勝手に胸が苦しくなる系の曲それが「冬物語」です。

2014年〜2016年

【2014年】

・ 3 /6     S.A.K.U.R.A.
・ 6 /25   R.Y.U.S.E.I.
・10/15  C.O.S.M.O.S. 〜秋桜〜
・12/10  O.R.I.O.N.

* 1/ 1     THE BEST / BLUE IMPACT

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1月のベストアルバムから、シングルは四季を表す4曲のリリースと、コンセプチュアルな活動だった2014年。

全国13都市を巡る『BLUE IMPACT』ツアーも行われました。ここまで打ってきた布石が、ここで実を結んだような感覚があります。

普通のメディアならここでピックアップするのは「R.Y.U.S.E.I.」だと思いますが、ここでは同じSTYさん作品でも「S.A.K.U.R.A.」を取り上げたいです。

桜がテーマの楽曲は数あれど、こんなにアバンギャルドな桜はお目にかかったことがありません。

刹那的に咲いて散っていく桜に、哀愁や切なさを感じるというのはありますが、それが潔くてかっこいいと思わせる風情が盛り込まれていますよね。

大胆な譜割りやマイナーコードが変化球として作用し、日本の春がアグレッシブに描かれています。メロディもMVも力作なので、今一度注目を浴びる時を待ちたいです。

【2015年】

・4/15  starting over
・4/22  STORM RIDERS feat. SLASH
・ 7/8    Summer Madness
・ 9/2    Unfair World

*1/28  PLANET SEVEN

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グループとしての大きな目標だった念願の6大ドームツアー『BLUE PLANET』を行なった2015年。

『PLANET SEVEN』のミリオンセラー、日本有線大賞と2年連続のレコード大賞の受賞など、華やかな一年でした。

「Eeny,meeny,miny,moe!」はアルバム曲なのですが、実はシングルだと思われている率が高いのではないかと思っています個人的に。

「品格のあるこの曲の存在をもっと世間にアピールしたいんだ!」と私も意気揚々と記事を書いていますね。今読むと構成がちょっとよく分からない記事ですけれども。

バンドサウンドがベースのR&Bは三代目では意外と珍しくて、「Over&Over」などが近いかなと思いますが、このグループによく合っている気がするので、いろいろ試してみてほしいなと思います。

【2016年】

・ 11/9  Welcome to TOKYO

* 3/30  THE JSB LEGACY

2016年には、ドキュメンタリー映画『Born in the EXILE ~ 三代目 J Soul Brothersの奇跡~』が公開。日本のドキュメンタリー映画の興行収入記録を更新するヒットとなりました。

ライブでは2度目となる5大ドームツアー『METROPOLIZ』を翌2017年にかけて開催しました。

自身のアパレルブランド『J.S.B.』を立ち上げ、その衣装を身に纏った「J.S.B.DREAM」は、まさにこのブランドを象徴するかのような仕上がりになっています。

シングル級の存在感ですが「STORM RIDERS feat. SLASH」のカップリングとしてのリリース、アルバム『THE JSB LEGACY』にも収録されている曲です。

ライブにおけるこの曲の存在感は、観客を引き込むような世界観が詰まっている気がします。

三代目JSBの強みという話をしてきましたが、「J.S.B.DREAM」にはこのグループの核となる部分が表現されているのではないでしょうか。

黒を基調としたMVも、個人的には5本の指に入るくらい好きな作品です。

2017年〜2020年

【2017年】

・ 3/ 8      HAPPY
・12/13  J.S.B. HAPPINESS

* 3/29    THE JSB WORLD

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満を持して登場した「J.S.B. HAPPINESS」のユートピアについて考える(2017.12)

2017年には、すでにソロ名義でも活動していたELLYさんがCRAZYBOY(現在はCrazyBoy)としてEPをリリース。

登坂さんもソロプロジェクトをスタートさせました。

個々の活動に専念するために、グループとしては充電期間という感じでしたが、ここまで走り続けてきた記録を振り返ると、インプットに費やす時間が必要だったのは明らかです。

「HAPPY」のカップリングであり、翌年のアルバム『FUTURE』にも収録された「J.S.B. LOVE」。

今でこそ「ライブで盛り上がるから好き〜」とかみんな言ってますが、当初は批判も多かったですよね。

LDHの頭文字を冠した「J.S.B.〜」シリーズの一翼を担う曲だけに、注目を浴びた背景もあると思いますが、そこにこの曲を持ってくるという攻めの姿勢。

トラック自体はシンプルで、Aメロなんてシンセの一音しかありません。でもちゃんとグルーヴが乗っています。

どこからどこまでがサビなのか?というほどに、J-POPのパターンやコード進行を無視してリフで構成されているのも面白いし、とにかく突き進んでいますよね。

作曲はT.Kuraさん、STYさんですが、おふたりともグルーヴで聴かせる音作りが上手な方だと思っています。

JSBの曲ではトップクラスにトライしていて、こういう部分でアップデートを重ねているのだと確信できるような楽曲です。

【2018年】

そして2018年には今市さんもソロプロジェクトをスタートさせます。

グループとしては唯一シングルをリリースしていない年になりましたが、2017年のソロ活動から継続して、7人の表現力により一層磨きがかかったように思います。

Yellow Clawをフィーチャーした「RAINBOW」。アルバム『FUTURE』にもパッケージされた、ドキュメンタリー映画『SEVEN/7』のテーマ曲になっています。

映画を観るとこの曲をより深く聴くことができ、この曲を聴いて映画を観ても理解度が高まります。

Yellow ClawといえばEDMでもトラップやダブステップなど先鋭的なイメージでしたが、シンプルだけれど爽やかかつドロップでエッジを効かせる、良いトラックを作ってくれたなという感じがします。

そしてこの楽曲もシングルではないという贅沢。アルバム『FUTURE』はめちゃくちゃ豪華です。

【2019年】

・ 3/13    Yes we are
・ 8/ 7      SCARLET
・ 9/19    Rat-tat-tat
・12/11  冬空 / White Wings

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三代目JSB「Yes we are」瑞々しさとエネルギーにあふれた躍動(2019.3)

2019年から、グループ名が大文字表記に。『RAISE THE FLAG』というテーマを掲げ、ロゴとして使用された青、白、赤のトリコロールカラーをコンセプトにした楽曲を発表しました。

青の「 Yes we are」、赤の「SCARLET」、そして白の「冬空 / White Wings」。

「Rat-tat-tat」はTikTokでバイラル的な人気を得た背景もあり、SNSを巧みに使用しながら発信されていた印象がありました。

リリースされた曲はすべてイメージが違うのに、どれも三代目JSBらしさを感じるところが、表現力の幅広さを物語っています。

そんな中でも「SCARLET」は、彼らの楽曲ではありそうでなかったラインのように思います。

「Summer Madness」から4年が経ち、再びAfrojackとのコラボが実現。

BPM128の躍動感あるビートに、赤をイメージさせる情熱と、どこか切なく美しいメロディが融合しています。

アッパーなサウンドながらラグジュアリーな雰囲気を保っているのは、イントロとアウトロがピアノのみでビートレスに展開していたり、ヴァースもピアノメインになっているところ。そしてやはりこのMVのイメージでしょうか。

「Summer Madness」の頃と比較すると、J-POPとしての聴きやすさや音域のバランス、メロディが重視された曲だと思います。

【2020年】

・ 4/8    Movin’ on
・ 8/3    starting over 〜one world〜

* 3/18  RAISE THE FLAG

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三代目JSB「Lose Control」がカップリングにしておくにはもったいない名作である件(2020.4)

そして2020年。

10周年を迎えた今日、新曲「RISING SOUL」が2021年1月1日にリリースされることが発表され、それに先がけて配信がスタートしました。

シンセベースが印象的なテクノポップ、ニューウェイヴのレトロなサウンドで、11年目も攻め続けるという強い意志が伝わりますね。

過去の楽曲を振り返ったところで今に戻ると、ここまでの世界観を確立するまでに至った10年という歳月の重みが感じられます。

2020年はコロナの影響でライブが中止になったり、思うように活動できないことも多かったと思いますが、緊急事態宣言のさなかでも、彼らは前向きなメッセージを発信し続けてくれました。

特に直己さんがライブ配信などで視聴者と絵を描いたりダンス動画を上げてくれたり、ある時は「お花を買ってきました」と飾って見せてくれたりしたことが、個人的には心に残っています。

世の中がネガティブ思考になっている時に、前向きな発信をし続けるのはとてもパワーを要することだと思いますが、ずっと笑顔を届けてくれていましたよね。

もちろん他のメンバーもそうですし、他のアーティストも含めて、その方の魅力的な一面を改めて知る機会にもなりました。

この時期だったからこそ気付けたこともたくさんあるし、この時期に10周年を迎えてくれたからこそ、元気付けられた方もたくさんいるはずです。

リスタートを踏み出すという意味では、特別なアニバーサリーイヤーであることに変わりありません。

『RAISE THE FLAG』ツアーの模様がダイジェストとしてまとめられた「GOLDEN」。いろいろ書きましたが、この映像を観ただけで、7人がどれだけの人たちに笑顔を与えてきたかが分かります。

全曲聴き直しの旅

この記事を書くにあたってやると決めていたことがあり、それは三代目JSBがリリースした全楽曲を聴き直してみるということでした。

時間はかかりましたが、全部知っているつもりでも再発見があったり、10周年だと思うとまず聴こえ方が全然違ってきます。

一つ気付いたのは、音源を聴く時でも、MVとかライブとか、映像を脳内再生していることです。きっと無意識にパフォーマーの存在を思い浮かべているのだと思います。

音源でパフォーマーが登場することと言えばELLYさんのラップくらいしかないわけじゃないですか。それなのにリスナーに頭の中でイメージさせるほどのインパクトを、5人は残しているということですよね。

聴き直してみると、楽曲を通して常に挑戦する姿勢が感じられたり、たくさんのメッセージを受け取っているのだと改めて感じました。

まだ何もないゼロからでも、こんなに輝くことができるのだということ。

10年をかけてその姿を見せ続けてくれたこと。

音楽でたくさんの人を笑顔にしてくれること。

私は書くことしかできないので、気付けばいつも長くなってしまうけれど、今日という特別な日に7人に伝えたいのはとてもシンプルなこと。

たくさんの人を笑顔にするために、笑顔でいてくれてありがとう。

10周年、本当におめでとうございます!

文/長谷川 チエ


三代目JSB「Lose Control」がカップリングにしておくにはもったいない名作である件

ABOUTこの記事のライター

東京生まれ。2016年、別業種からフリーライターとして独立。2017年にCulture Cruiseメディアを立ち上げ、「Culture Cruise」を運営開始。現在は東京と神奈川を拠点としている。カルチャーについて執筆するほか、楽曲のライナーノーツ制作、別名義で小説や行動経済学についての書籍も出版。趣味はレコード鑑賞。愛するのはありとあらゆるカルチャーのすべて!!